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シニアときめき 来園急増 いしかわ動物園 トキ公開1カ月

止まり木で羽を休めるトキ=能美市徳山町のいしかわ動物園で

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 国の特別天然記念物「トキ」の一般公開が、能美市のいしかわ動物園で始まって間もなく一カ月。十二月の月間入園者数が過去最多に迫るなど、その効果は如実に表れている。中でも増えているのは六十五歳以上のシニア層。野生下で絶滅する前、広く日本の空を舞っていた時代を知るだけに、高い関心を集めているようだ。

 園によると、一般公開された十一月十九日から十二月十四日までの入園者数は一万五千人余。オフシーズンにもかかわらず全国から入園者が詰め掛け、例年の一・五倍を超えた。十二月の月間入園者数も十四日時点で五千三百一人が訪れており、過去最多の七千八十六人(二〇一五年)を更新しそうな勢いだ。

 園によると、増加分の大部分をシニア層が占めている。シニア層の割合は従来、平日は2〜3%、土日祝日は3〜5%だったが、トキ公開以降、平日は40〜50%、土日祝日は20〜30%に増えた。公開後にシニア層が購入した年間パスポートは五十六件で、昨年販売した総数(百六十九件)の三分の一を占めている。

 シニア層が急増した理由について、美馬秀夫園長は「トキの絶滅をリアルタイムで知った世代。思い入れがあるのでは」と分析。本州最後のトキが生息した能登の住民が懐かしんで来園するケースも多いという。

 美馬園長は「公開後、しばらくは警戒して茂みに隠れることが多かったが、最近は観覧通路のそばで羽づくろいし、トキ色の羽を広げて飛ぶ姿も見られるようになった」と話す。年内の営業は二十八日まで。来年は一月二日から営業する。 (吉野淳一)

 

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