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クリルの引き渡しがロシアの安全を脅かしうる理由

 日本へ引き渡された場合のクリルの島々(千島)における米軍基地の考えられる出現は、ロシアの安全を脅かすが、ロシアの軍事専門家らは、南クリル問題で日本と歩み寄れない他のそれに劣らず重要な理由も見てとっている。

Kuril Islands

クリル諸島=ウラジーミル・セルゲエフ /タス通信

 プーチン大統領の訪日直前、日本のメディアには、日本はクリル列島の島々が日本へ引き渡された場合にそこへ米軍基地を設置する可能性を除外していない、との報道が現れた。

 朝日新聞の匿名の消息筋によれば、日本の国家安全保障局長は、そうした可能性についてロシア側へ伝えた。

 ロシアの軍事専門家らは、日本へ引き渡された場合のクリルの島々における米軍基地の設置は、ロシアの国防能力にとって現実的な脅威となる、と考えている。

 なお、ロシアの公式的な立場からすると、ロシアには日本との領土問題はなく、ウラジーミル・プーチン大統領は、これについて再三にわたり述べている

大洋への出口

 ロシア戦略的研究所・軍事的政策経済局のイヴァン・コノヴァロフ局長は、クリルの島々は、そのユニークな位置により、オホーツク海への航行を完全に管理する可能性をロシアに与えている、と述べる。

 イズヴェスチヤ紙のドミトリー・サフォノフ軍事評論員は、ロシアの戦略的原子力潜水艦はカムチャトカを母港としているため、クリルの島々の一部の日本への引き渡しは、それらの潜水艦の太平洋へのアクセスに影響を及ぼすことはないが、ウラジオストクを母港とするロシアの洋上艦にとっては問題となる可能性がある。

 クイーンズ大学・国際国防政策センターのマクシム・スタルチャク研究員も、同様の考えであり、「最悪の場合には、日本は、それらの海峡を通過する軍艦の航行を禁止しかねない。これは、もちろん、危機的ではなく、海の港は、他にもある。しかし、そのためには、航路の変更やインフラの整備が必要となり、ロシアの軍人たちは、当然、それを避けたいと考えている」と語る。

 同氏によれば、島々の一部が日本へ引き渡されると、国防省には、多数の海峡を通過する艦船の航行規則の変更やこの問題に関する日本側との協力に関連した追加的な義務が生じる。

 同氏は、「[たとえ]海峡が閉鎖されたとしても、ロシアにとっての大洋への出口は無くならないが、規則の変更は、あまりにも複雑で財政的にも負担が大きいので、[国防省の]誰も、もちろん、このことを真剣に考えていない」と語る。

軍事的インフラ

 島々の引き渡しがもたらしうる最大の問題の一つとなりえるのは、ロシアと日本の軍事的インフラ間の距離が極めて近いことである。

 専門家は、「島々の間の距離は、キロメートルの単位。つまり、我々が島々を譲ってそこに軍事的インフラのようなものが現れれば、[双方は]塹壕から塹壕へ至近距離で銃撃すること[ができる]」と語る。

 ロシアがクリルの島々で軍事的インフラを整備しはじめたのは、2000年代になってからのことで、現在、そこには、数千人規模の部隊が置かれている。

 2016年11月、ロシアは、択捉島と国後島に最新鋭の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」と「バール」を配備したが、専門家らは、それをロシアがそれらの島を日本へ引き渡すつもりのないことを公然と示すサインとみなした。

もっと読む:プーチンの日本の単独インタビュー要点

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