赤ら顔には、頬や鼻など広範囲に広がる症状もあれば、顔の一部に赤みが目立つ症状のものもあります。どちらにしろ、このような肌の赤みに悩んでいる人は意外に多いものです。さまざまな「赤み」の種類と、その症状が起こる原因にから見ていきましょう。
顔の赤みのおもな原因
顔の赤みにはいくつか種類がありますが、原因によって以下のように分けられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
毛細血管拡張症
血管が拡張して血流量が増加すると、血管の色が表皮を通して透けて見えますが、これにより顔が赤く見える症状です。血管が拡張したままになるので、赤みがずっと消えません。『詳しくは赤ら顔(毛細血管拡張症)の原因をご覧ください。』
脂漏性皮膚炎
鼻や鼻の脇など、皮脂が多く分泌されるところに多く見られます。過剰に分泌された皮脂と常在菌が反応することで炎症を起こします。『赤ら顔(毛細血管拡張症)の原因るも参照してください。』
酒さ(しゅさ)
主に中年以降に現れる、原因不明の慢性炎症性疾患です。皮脂腺が増殖すると毛細血管が増えるため、それにともない炎症による赤み、小さな吹き出物、顔面の毛細血管の拡張といった症状が現れてきます。
この病気の吹き出物は一見ニキビと間違いやすいですが、まったく違うものです。症状を悪化させる要因には、精神的緊張、紫外線、温熱、寒気、飲酒、香辛料、運動、化粧品などがあります。女性は閉経前後に悪化しやすくなります。長期にわたって徐々に進行(悪化)しやすく、多くは次のように進行します(例外もあります)。
赤くすみ(色素沈着)
紫外線や摩擦、乾燥などの刺激により、皮膚に炎症が起こる場合があります。刺激や炎症が長引くとお肌の奥深くにある真皮や皮下組織にまでダメージを与えてしまうのですが、こうして色素沈着した赤みを「赤くすみ」と言います。
具体的には、真皮の毛細血管が破壊されて出血が起こり、血液中のヘモグロビンという色素タンパク質が真皮や皮下組織に沈着して赤黒くくすんでみえるようになってしまうのです。
ニキビ跡(炎症・炎症後色素沈着)
ニキビ(赤ニキビ)ができると、ニキビのある周辺の皮膚が炎症によって赤くなります。また、ニキビがなかなか治らなかったり、治ったあとにすぐ次のニキビができたりすると、赤くすみと同様に真皮や皮下組織にまでダメージを与え、色素が沈着し、赤みとなって現れます。『赤ら顔(毛細血管拡張症)の原因も参照してください。』
血管腫(単純性血管腫、苺状血管腫、老人性血管腫、クモ状血管腫など)
皮膚や皮膚の下に広がったり太くなったりした血管が集まり、それらが増えていく性質の「血管のできもの」を血管腫と言います。生まれつきの場合がほとんどですが、加齢や外傷によりできるものもあります。血管腫の原因や遺伝性は、まだわかっていません。
血管腫にはさまざまな種類がありますが、肌の赤みとなるものには以下のものがあります。
- 毛細血管拡張症
- 赤くすみ(色素沈着)
- 酒さ(しゅさ)
- ニキビ跡(炎症・炎症後色素沈着)
- 脂漏性皮膚炎
- 血管腫
- 第1度……紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ):鼻や頬を中心として毛細血管の拡張が見られ、ほてり感をともなう赤みが現れます。せっけんや化粧品などを使うとひりひりします。
- 第2度……酒さ性ざ瘡(しゅさせいざそう):第1度の症状に加えて、吹き出物(ブツブツ状のもの、水分を含む膿胞など)が現れます。
- 第3度……鼻瘤(びりゅう):吹き出物状のものが密集して腫れたり、こぶ状になったりします。特に鼻に現れるケースが多いです。
顔の赤みが気になったら、まずは赤みの形状や自身の年齢、生活習慣等から、何が原因なのかを考えてみましょう。
- 単純性血管腫:いわゆる赤アザと呼ばれるもので、表面が平ら、あるいは少し隆起しているものです。
- 苺状血管腫:名前のように、表面が赤くモコモコと隆起しているものです。
- 老人性血管腫(角化血管腫):赤ボクロ、赤イボと呼ばれるもので、1~数ミリ程度の赤いできものです。加齢によって生じます。
- クモ状血管腫:少し盛り上がった1〜3mmの赤い発疹を中心に、血管がクモの足のように放射状に広がるものです。肝硬変などの肝障害のある患者、妊婦、経口避妊薬(ピル)を使用している女性に多くできやすい傾向があります。
※その他、”肌の薄さ”が原因の赤み・肌荒れについては、「菲薄化(ひはくか)」や「ビニール肌」の記事をご覧ください。
また、赤ら顔を改善するためのスキンケアについては、「赤ら顔を改善するための化粧品えらび」をご参照ください。
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