間質性膀胱炎の症状と原因
更新日:2016/12/09
膀胱炎の症状と基礎知識
間質性膀胱炎は、頻尿、尿意切迫感、膀胱の痛みを主な症状とする病気です。一般的な膀胱炎とは原因も治療法も違うこのタイプの膀胱炎について、ドクター監修記事で詳しく解説します。
この記事の監修ドクター
あまり知られていませんが、一般的な膀胱炎とは原因も治療法も違う「間質性膀胱炎」という病気があります。こちらの症状について詳しく見ていきましょう。
■間質性膀胱炎とは?
昼夜を問わず尿の回数が増える頻尿、排尿通、我慢できない尿意と、間質性膀胱炎の症状は急性膀胱炎と似ています。では、急性膀胱炎との大きな違いは何でしょうか?それは、急性膀胱炎は細菌の感染であるのに対して、間質性膀胱炎の原因は未だわからないという点です。原因にはいくつもの説がありますが、決定的なものはわかっていません。
間質性膀胱炎は何らかの原因による膀胱の粘膜異常によって起きるといわれていますが、主な症状としては、頻繁にトイレに行きたくなります。そして、尿が膀胱にたまると痛みが強くなり、排尿すると痛みが軽くなります。さらに進行していくと、膀胱が委縮して小さく硬くなってしまいます。
日本においての間質性膀胱炎の患者は約25万人いると推定されていますが、その9割が女性です。間質性膀胱炎は、細菌感染で起こる他の膀胱の症状とは異なり、ほとんどの場合尿には異常がありません。病院では急性膀胱炎と診断され、抗生剤を処方されることもしばしばあります。また、一時的に症状が軽くなっても、間質性膀胱炎の場合はしばらくして同様の症状が起こります。尿に異常がないにも関わらず症状が治らないため、精神的なものが原因であると誤解されることもあるようです。
■このような症状の場合は要注意!
たとえば下記のような症状が当てはまる人は、間質性膀胱炎の可能性があります。
- 一日に何度もトイレにかけこむが、すっきりしない
- 排尿時、または排尿後に強い痛みを感じる
- 抗菌薬(抗生物質)を飲んでも膀胱炎が治らない
- 尿がたまると下腹部が痛み、排尿すると少し痛みがやわらぐ
- 夜中に何度もトイレに行く
- 病院に行っても尿には異常がなかった
- 性交時に痛みを感じる
■間質性膀胱炎の診断は?
間質性膀胱炎は、まず急性膀胱炎や他の病気ではないことを確認するために尿検査を行います。尿の勢いや分量、残尿量などを調べ、必要に応じて超音波検査や血液検査も行います。また、膀胱粘膜の毛細血管の状態を調べる内視鏡検査も行われます。間質性膀胱炎の場合は痛みを強く感じるため、外来検査が難しい場合は入院して麻酔をかけたうえで膀胱粘膜の組織を採取して(生検)、顕微鏡で調べることもあるようです。
間質性膀胱炎は他の膀胱炎同様、日常生活に支障をきたすほどの不快な症状があり、悪化していく病気でもあります。急性膀胱炎などと違い原因がはっきりわからないため、原因不明の病気ではありますが、治療法がまったくないわけではありません。診断から症状改善の糸口が見つかるかもしれません。気になる方は、まず医療機関に相談して正確な診断を受けてみることをおすすめします。
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