慢性膀胱炎の症状と原因

更新日:2016/12/09

膀胱炎の症状と基礎知識

慢性膀胱炎は急性膀胱炎のように強い痛みはありませんが、治療が長引く場合があります。慢性膀胱炎には、急性膀胱炎をこじらせて慢性化するタイプと、最初から慢性のタイプがあります。それぞれの原因と症状について、ドクターの監修記事で詳しく説明します。

慢性膀胱炎には大きく細菌性と非細菌性の2つのタイプがあります。

慢性膀胱炎では、急性膀胱炎と比べ、強い痛みはありませんが「尿意を感じ、ムズムズするのでトイレに行っても、少ししかおしっこが出ない」というのが典型的な症状です。ただ、病原菌が特定できない、または別の病気が隠れているなどの、別の角度からの治療が必要となる場合があり、治りにくいのが特徴です。

■慢性複雑性膀胱炎(細菌性)

慢性複雑性膀胱炎のなかでも細菌性のものは2つに分かれます。

1つは、別の病気が原因で、細菌が膀胱内に入り、感染して、膀胱に炎症が起こったもの。

この場合の原因となる病気(基礎疾患)には、前立腺肥大症、膀胱結石、尿路結石、糖尿病、腫瘍などがあります。例えば膀胱結石では、膀胱内に結石ができ、結石の中にいる細菌が膀胱内で繁殖して、感染が続きます。

膀胱結石や尿路結石は男性に多いことから、このタイプの膀胱炎は男性も多くなります。糖尿病の人は体の至るところで、粘膜に傷がつきやすくなっているため、細菌に感染しやすく、膀胱炎にもかかりやすくなります。

もう1つは、急性膀胱炎を正しく治療しなかった場合に、慢性的に膀胱炎の症状が続くことがあります。抗菌剤に対する耐性を持った細菌が原因のため、治療しても細菌が完全に消えず、慢性膀胱炎になることがあります。

どちらの場合も、痛みは軽度でトイレの回数が多い(頻尿)や、排尿のときの軽い痛み、排尿してもすっきりせず、残尿感があるなどの症状が現れるものの、自分では病気と気づかないこともあります。基礎となる病気を治療しないと治らないので、膀胱炎も長く続くことが多いようです。

慢性膀胱炎以外の膀胱炎について、詳しくは間質性膀胱炎の症状と原因出血性膀胱炎の症状と原因急性膀胱炎の症状と原因をご覧ください。

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