膀胱炎の原因と予防方法

急性膀胱炎（以下膀胱炎）は、体の抵抗力が衰えているときにかかりやすくなるため、日頃の生活習慣の改善で予防することが大切です。主な原因と予防法を知り、かからないようにしたいものです。

■膀胱炎のきっかけとなる抵抗力の低下

膀胱炎には急性膀胱炎と慢性膀胱炎のほか､いくつかの種類があります。最も多いのが、尿道から膀胱に細菌が侵入して炎症を起こす急性膀胱炎です。体の構造上、女性は細菌が尿道口から侵入しやすいため、女性に多くみられます。

急性膀胱炎の症状について、詳しくは、急性膀胱炎の症状と原因をご覧ください

膀胱炎の原因となる細菌は、多くは大腸菌です。ほかにも、ブドウ球菌や連鎖球菌、まれにクラミジア（性感染）のこともあります。
通常なら多少の菌があっても、尿が菌を流してしまうか、膀胱の感染防御力が働くため、膀胱炎にはなりません。ところが疲労やストレス、体調不良（かぜを引いた後など）などで体の抵抗力が落ちているときに感染すると、膀胱炎になってしまいます。とくに、膀胱内の粘膜の温度が冷房や冷たい外気によって、通常は体温より高い膀胱の温度が体温以下になると、冷え性などで32℃以下になると、細菌が繁殖・感染しやすい環境になるといわれています。
また、かぜや無理なダイエットなどで体力がなくなっているとき、おしっこを長時間がまんして膀胱の粘膜が伸びきっているときなどは、膀胱の血流が悪くなり、抵抗力が下がっています。その中で水分摂取が少なく尿の量が少ない、性行為などで性器の周りに雑菌がついているなどの要因が重なると、膀胱炎にかかりやすくなります。

■膀胱炎の予防方法

日常生活の中で、膀胱炎になりやすい要因を防ぐことが大切です。膀胱炎かなと思ったら、早めに泌尿器科を受診して治療しましょう。

自分でできる予防法

・水分はがまんせずに、多めにとる。とくに1日1～2回しかおしっこが出ない人は、お茶やコーヒー、紅茶などで、利尿作用を促しましょう。
・トイレはがまんしすぎない。起きている間に3～4時間に一度はトイレに行くことが望ましいでしょう。
・尿道口、外性器の周りを清潔に保つ。排尿、排便後は前から後ろに向けて拭く。排尿後の洗浄機を使うことは菌を膀胱に押し込めることになるので、排便時のみ、適切な水圧で使用してください。下着の交換はまめにする。
・性行為時に尿道から菌が入るため、性行為後は早めに排尿する。
・下半身を冷やさない。冷え性にならないよう、冷房の強い場所にいるときは靴下やひざかけなどを使う。
・疲れ、体調不良、ストレスなどは早く回復するよう休息をとる。
・無理なダイエットで栄養不足にならないよう気をつける。