痛風薬の基礎知識
更新日:2016/12/09
痛風の治療方法
痛風の薬には、痛風発作を抑える薬、発作の炎症や痛みを抑える薬、尿酸値を低下させる薬の3つのタイプがあります。そこで今回は、それぞれの薬の特徴や服用する際の注意点などをご紹介していきます。
この記事の監修ドクター
痛風発作を抑える薬
痛風の治療で使われる薬には、痛風発作を抑える薬、発作の炎症や痛みを抑える薬、尿酸値を低下させる薬の3つのタイプがあります。
痛風発作を抑える薬は、「コルヒチン」という薬です。痛風発作を経験した人の中には、発作の再発時に「ムズムズする」「ピリピリする」などの前兆を感じる人もいます。
コルヒチンには、白血球の働きを抑える作用があるので、前兆を感じたときに、1錠だけ服用すると、発作を未然に防いだり、軽減したりすることができます。ただし、大量に服用すると、下痢や腹痛などの副作用が起きるので、乱用は禁物です。
発作の炎症や痛みを抑える薬
発作の最中に、炎症や痛みを抑えるために服用するのは、「非ステロイド抗炎症薬」です。飲み薬や坐薬など、いろいろなタイプがあります。非ステロイド性抗炎症薬で痛みが治まらない場合は、「ステロイド薬」を併用します。
尿酸値を低下させる薬
尿酸値が高くなる原因には、尿酸の生産量が増え過ぎるケース、尿酸の排泄量が少なすぎるケース、その両方が混合しているケースの3つのタイプがあります。このため、尿酸値を低下させる薬にも、尿酸が過剰に産生するのを抑えるものと、尿酸の排泄を促すものとの2種類があり、痛風のタイプに合ったものが処方されます。
尿酸生成抑制薬…プリン体が尿酸に分解されるときに必要な酵素の働きを阻害することで、尿酸の産生を抑える薬です。
尿酸排泄促進薬…腎臓で行われる尿酸の再吸収を抑制することで、尿酸の排泄を促進する薬です。服薬すると、尿中の尿酸量が増えて、「尿路結石」を起こしやすくなるので、水分を十分に補給したり、「尿アルカリ薬」を併用したりして、尿路結石を防ぐ必要があります。
尿酸値を下げる薬は、発作の痛みが落ち着いてから飲み始めますが、急激に尿酸値を下げると、関節内にたまっていた尿酸の結晶が不安定になってはがれ落ち、再び発作が起こる可能性があります。このため、尿酸値を下げる薬の服用は、少量から始めることが大切です。
また、尿酸値が目標値以下になっても、自己判断で薬の服用をやめたり、服用量を変えたりしてはいけません。尿酸値が不安定なって、発作の再発の可能性が高まるだけでなく、「腎機能障害」を促進させる恐れがあるからです。
この病気・症状の初診に向いている科 内科
参考になった 83
今すぐ読みたい
注目情報
- のどぬ~る
- ハレナース