風俗案内所の営業地域を風俗店より厳しく制限した京都府の条例が営業の自由を保障した憲法に違反するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)は15日、「条例は合憲」との初判断を示した。その上で、風俗案内所の営業を認めるように求めた男性の上告を棄却した。条例を違憲とした1審判決を取り消し、合憲と認定した2審判決が確定した。
2審判決によると、府は2010年11月、学校や病院などの公共施設から200メートル以内で営業を禁じる風俗案内所規制条例を施行。京都市の繁華街で案内所を営んでいた原告の男性は、条例で禁止区域になってからも営業を続け、条例違反容疑で逮捕され、起訴猶予となった。
1審・京都地裁判決は、風俗店の営業禁止エリアが別の府条例で「70メートル以内」となっていることなどから、「風俗案内所の規制をより厳しくする明確な根拠がなく、合理性がない」と指摘。規制は営業の自由を侵害しており、違憲で無効と判断した。
一方、2審・大阪高裁判決は、案内所は多数の風俗店の情報を宣伝し、外から店内の様子が見えることなどから、「周辺に与える影響や集客力は風俗店より大きい。風俗店より厳しい規制をすることは許される」として憲法に違反しないとした。【島田信幸】