全国の国公私立中学を対象 スポーツ庁調査
部活動の休養日を設けていない中学校が2割以上あり、原則としてすべての教員が部活動の顧問をしている中学が9割近くに達することが、スポーツ庁が15日公表した調査結果で分かった。
全国の国公私立中学を対象にした2016年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)で部活動について追加質問し、9534校が回答した。
休養日を定めていない学校は22.4%で、休養日が週1日の学校は54.2%、週2日は14.1%だった。土日に休養日を設けていない学校は42.6%あった。
部活動の顧問については、原則全教員が務めることにしている学校が87.5%もあり、希望者が務めることにしている学校はわずか5.3%だった。
部活動は学習指導要領で「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」と定められている。しかし、過度な練習による子供の疲労やけがのほか、土日の練習や試合で顧問にも大きな負担がかかる現状が問題になっていた。
一方、全国体力テストの結果によると、50メートル走など8種目を点数化した体力合計点(80点満点、全国平均)は女子が小5(55.54点)、中2(49.41点)とも08年度の調査開始以来、最高となった。男子は中2が過去2番目、小5は過去5番目の成績。都道府県別(公立)では小5の男女と中2女子で福井がトップだった。
調査は今年4~7月、全国の国公私立の小5と中2の約208万人を対象に実施。小5女子は反復横跳びなど4種目、中2女子は1000メートル持久走など6種目で過去最高を記録した。1週間の総運動時間が「7時間以上」の割合も小5女子が32.7%、中2女子が60.5%と調査開始以降、最も多かった。
物を投げる力や握力は男子で低下傾向が続いている。小5のソフトボール投げ22.41メートル、中2のハンドボール投げ20.54メートルは共に過去最低。中2の握力28.9キログラムも過去最低だった。【金秀蓮、佐々木洋】