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zoom RSS 政府も自治体もメディアもオスプレイ土人

<<   作成日時 : 2016/12/14 16:25  

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「二度と起きぬよう原因究明」と米国防総省 日本国内初の重大事故で
http://www.sankei.com/politics/news/161214/plt1612140013-n1.html

現状原因など詳しい話は伝わってきていませんが、これは大石英司氏も指摘されておりますが、夜中に大臣が記者会見をするような話ではないでしょう。

http://eiji.txt-nifty.com/

プロ市民はともかくとして、政府もメディアも自治体もオスプレイの機体や飛行の特性を知ろうとせずに、まるで空飛ぶ円盤にでもついて議論しているような感じです。

航空機に関して、事実やデータに基づかない議論は全く不毛であります。
それは未開の土人が、飛行機を鉄の鳥だと恐れて対策を話し合うようなものです。
敢えてお叱り覚悟で申せば、政府も自治体もメディアも「オスプレイ土人」です。

否定派は自治体も、メディアも「わけからんけども、なんでもオスプレイちゅう鉄の鳥は大層危険なも生き物だべ」と理性全く否定だし、政府はまるでかつての原発のように「オスプレイは100%安全な鉄の鳥です」というような説明を繰り返すわけです。
両方共エビデンスに基づいた議論をしていません。文明人ではありません。


オスプレイで問題となるのは、ヘリや固定翼機との飛行状態の違いでしょう。特にヘリモードでの機動性はヘリよりも劣ります。また人的ファクターも問題でしょう。ヘリや固定機になれたパイロットが、オスプレイを操縦する際に、つい以前の自分の載っていた機体と同様に対処してしまうことは十分にありうるでしょう。
こういうことが議論されずに情緒に基づくだけが増幅されています。

これまでのオスプレイの運用を見た場合、特に欠陥機というほどの事故は起こっておりません。しかもアフガンなどの実戦で使用してもです。これは大石氏も指摘されておりますが、むしろ運用によって事故率が変わってくるわけです。海兵隊用の機体と、特殊作戦用の空軍の機体とでは運用は全く異なり、事故率も当然変わってきます。これを意図してか、せずか混同しているメディアも見受けられます。


ぶっちゃけた話をすれば、すべて飛行機は構造上墜落するものです。
では旅客機の事故が起きたからといって、旅客機は危険だ世界中の空港を閉鎖しろとかいう話にはならないでしょう。
それを100%安全を保証しろいいうのは土人かヤクザの言いがかりです。


繰り返しますが、オスプレイと名前を聞いただけで脊髄反射的な反応を起こすのは土人です。
我が国の安倍大酋長以下、土人の不毛な言い争いはやめて欲しいものです。

ですが、もっとも一番ひどいのは防衛省かもしれません。
ぼくは以前記者会見で何度もオスプレイは何機導入するのかと訪ねましたが、調達担当者も防衛大臣も「わかりません。買ってから考えます」と答えました。

つまり、どのような任務にどのような構想で、どの程度の規模の部隊を、どの程度の期間に整備するか、そのためも総額はいくら必要かということこともわからずに、「なんでもオスプレイちゅう、鉄の鳥は神様の使いだそうで、偉いご利益があるそうだべ」と、思考停止でとりあえず17機、2千億円ほどの税金を使ううことを決めました。

これが土人じゃないならば、頭がおかしいとしか言いようがありません。

そしてぼくが記者会見でこの質問をしても、記者クラブ会員各社はまったく後追いも、取材もしておりません。つまり防衛装備品としてオスプレイを見ることができないのです。ひたすら情緒に基づいた政治的な話しか書けません。
そしてあいもからず沖縄の「鉄の鳥」に対する怯えや怒りといった「情緒」や「鉄の鳥」は危ないといったこれまた情緒に基づいた「報道」を行っております。これまた文明人にあるまじき所業だと思うのですが、いかがでしょうか。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「駆け付け警護」は自衛官の命を軽視しすぎだ
http://toyokeizai.net/articles/-/146208


駆けつけ警護に関してJapan In Depth に以下の記事を寄稿しております。

自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その1 情報編
http://japan-indepth.jp/?p=31070
自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その2 火力編
http://japan-indepth.jp/?p=31120
自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない。その3防御力編 前編
http://japan-indepth.jp/?p=31185
自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その4防御力編 後編
http://japan-indepth.jp/?p=31379
自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その5戦傷救護編
http://japan-indepth.jp/?p=31436

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
そら誰だって、朝から晩まで大マスコミ様が「キケンダー、キケンダー」と大合唱をしていれば「何だか分からんけどキケンなモノに違いない!」と思いますよね・・・・って、4年くらい前にも書いた覚えが(>_<)。今朝のNHKラジオで地元住民のコメントが流れていましたが、「キケン」「許せない」etc...。地元の気持ちも分からなくもないですが、ただ感情論ばかりが先行しても、何も解決しないですよね・・・。ところでオスプレイといえば、今日のテレ朝の「ワイドスクランブル」の冒頭、橋本大二郎さんが自衛隊にも配備されることに、チラッと触れていましたが、それでお仕舞いだったような。結局、自衛隊が何を幾つ買おうと事故でも起きない限り、ガン無視なんですね。
KU
2016/12/14 20:04
政府の指示で導入が決められて、陸海空で押し付けあった結果、陸の1ヘリ団が貧乏クジをひいたシロモノですから、導入目的や運用なんて説明のしようがありません。

政府は国土防衛に重要な地雷やクラスター弾を廃棄して、特段必要の無いオスプレイやAAV7は導入して、勇ましく「責任は取る」などとおっしゃいますが、どうやって取るおつもりなんでしょうね・・・
元陸自幹部
2016/12/14 21:51
回転翼と固定翼両方の機能という方が技術上無理があるのではないでしょうか? 操縦する方も固定翼と回転翼とでは操縦の方法も違います。 技術上、人間の能力 から考えてオスプレイは足して2で割る機体ではないでしょうか? 車でも右ハンドルn左ハンドルに変わったらどうなるか容易に想像できると思います。
元キャプテン
2016/12/14 21:55
>沖縄だけじゃない オスプレイ墜落の恐怖は全国に拡大する

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195787

民間機が墜落しても、ぜひ危険性を追及していただきたいものですが。
KU
2016/12/14 22:13
清谷様

クソッタレの親分ーニコル4軍調整官・第3海兵遠征軍司令官のコメントで、住宅地を避けて堕ちた。自分の部下・バイロットを誉めてあげたい〜。
三ツ星cccの中将の立場の発言としてはまずいんじゃないの。立場として政治が関わりますからね。佐官や尉官クラスの将校ならまだしも。地元住民からしてみれば、居直りとか批判されます。
この本音から、米軍にとって日本は属国であり、俺たちが行きたくない極東に赴任して守ってやってんだ!なんか文句あるかという上から目線な態度なのでしょう。
元キャプテン
2016/12/14 23:46
オスプレイより大韓航空の方が危ないよ、と教えてあげてください(笑)
マリンロイヤル
2016/12/15 00:29
清谷様

陸自がオスフレイを導入した場合のシュミレーションします。
1 兵站の観点から オスプレイの部品・整備部品で予算を喰われ、既存の航空機の交換部品が買えないn稼働率が低下n共食い整備が流行る。また、外注整備の場合、日本の企業で受注するでしょうか。採算や技術力で?アメリカに後送し、不稼働の期間が長くなります。
2 教育訓練の観点
回転翼と固定翼のハイブリッドですが、教官要員はどう育成するんでしょうか?陸自のパイロットは回転翼で慣れていて固定翼の飛行に習熟できるか甚だ疑問です。また、整備員の教育も必要です。
3 予算の観点
ランニングコストや教育投資で、付帯経費が莫大で、他の装備品・燃料・弾薬が買えないn主流の装備品不稼働、演習の回数削減n弱体化
私の古巣の職場は乱脈経営で、倒産します。オスプレイを購入するには1〜2コ師団廃止、40〜50歳の老害隊員をリストラしないと無理ですよ!
私が防衛大臣だったら、オスプレイをキャンセルし、チヌークの改良でこと足ります。増槽・給油装置すれば航続距離アップ。オスプレイより積載量優れていますから。
清谷さんは、会社を経営しているので オスプレイは不採算事業と主張した理由に納得しました。
元キャプテン
2016/12/15 09:56

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