米 IT企業11社のトップがトランプ氏と会談

米 IT企業11社のトップがトランプ氏と会談
アップルやマイクロソフトなどアメリカを代表する大手IT企業11社のトップらが14日、ニューヨークでトランプ次期大統領と会談し、雇用の創出やサイバーセキュリティーなどをテーマに意見を交わしました。
トランプタワーで行われた会談には、アップルのティム・クックCEOとアマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEO、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO、グーグルの持ち株会社アルファベットのエリック・シュミット会長などアメリカを代表する11社が出席しました。

会談では冒頭、トランプ次期大統領が「すばらしい技術革新を続けてもらいたい。われわれも支援できることはすべて実行する」と呼びかけました。このあと会談は、非公開で行われましたが、トランプ氏の政権移行チームによりますと、アメリカでの雇用の創出や、サイバーセキュリティー、知的財産権の保護や、減税など幅広いテーマで意見を交わしたということです。

会談のあと、これまでトランプ氏から課税逃れをしているとして厳しく批判されていたアマゾンのベゾスCEOはコメントを出し、「会談はとても生産的で、アメリカに多くの雇用を生むイノベーションを重要な柱に据えようとする次期政権の考えを共有できた」としています。ただ、ほかの参加者はこれまでのところコメントなどは出しておらず、選挙期間中、大手IT企業はアメリカで雇用を生んでいないなどと批判してきたトランプ氏と大手IT企業側が信頼関係を築けるかは不透明な状況です。

トランプ氏 大手IT企業を一貫して批判

トランプ次期大統領は選挙期間中から大手IT企業を一貫して批判してきました。

アップルが、ことし2月にテロ事件の容疑者が使っていたスマートフォンのロック機能の解除を拒否したことや、スマートフォンを海外で生産していることを取り上げ、「アップル製品の購入をボイコットすべきだ」と発言しました。

また、IT企業の多くが法人税率が低い海外の子会社に利益をためているとして、アマゾン・ドット・コムをやり玉に挙げ、みずからのツイッターで「アマゾンが公正な税金を払ったら、株価は紙袋のようにぼろぼろになるだろう」などと批判しました。

これに対して、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは「大統領候補としてふさわしくない」と反発したほか、ことし7月にはシリコンバレーを中心に140社以上のIT企業の幹部が連名で書簡を公開し、「トランプ氏が大統領になれば、イノベーションにとって大惨事になる」として批判していました。

「トランプ相場」IT関連はやや出遅れ

トランプ氏が大統領選挙で勝利してから1か月余りで、ダウ平均株価は1459ドル率にして8%上昇し、「トランプ相場」とも言われていますが、IT関連の銘柄はやや出遅れています。

ダウ平均株価を構成する30社の銘柄を選挙当日の先月8日と今月14日の終値で比較すると、ゴールドマン・サックスの上昇率は31.9%、JPモルガン・チェースは21%で、金融業の株価の伸びが際立っています。これは金融規制の緩和を訴えているトランプ氏の政策の恩恵を受けると見られているためです。また、インフラ投資が追い風となる大手建設機械のキャタピラーも10.7%上昇しています。

一方、IT企業はやや低調で、アップルは3.7%、マイクロソフトが3.7%、インテルが5.2%の伸びにとどまっています。