クリミア併合前に借りた宝物 どこに返却するか
ロシアに併合されたウクライナ南部のクリミアで発掘された古代の宝物をめぐり、併合直前に借り受けて展示していたオランダの博物館に対して、ウクライナとクリミアの双方が返却を求めていた裁判で、オランダの裁判所は、ウクライナに宝物を返すよう命じる判決を言い渡し、新たな論争を呼んでいます。
オランダのアムステルダムにある博物館は、おととし2月、ウクライナ南部のクリミアの博物館が所蔵していた、古代スキタイ民族の黄金の冠など数百点に及ぶ宝物を借り受け、展覧会を開きましたが、その翌月にロシアがクリミアを併合しました。
このためクリミアの博物館とウクライナ政府の双方が、オランダの博物館に宝物の返却を求める訴えを起こしていました。
オランダの裁判所は14日、「クリミアには国家主権がなく、文化遺産の所有権は認められない」として、博物館に対し、すべての宝物をウクライナ政府に返却するよう命じる判決を言い渡しました。
判決について、ウクライナの文化次官は「クリミアはわが国の一部であり、主権のあるわれわれに文化遺産の所蔵先の決定権がある」と歓迎しました。
一方、ロシア文化省は「クリミアの住民が固有の文化遺産を持つ権利まで侵害している」と強く非難する声明を発表し、宝物の返却先をめぐって、ロシアも加わった新たな論争を呼んでいます。
このためクリミアの博物館とウクライナ政府の双方が、オランダの博物館に宝物の返却を求める訴えを起こしていました。
オランダの裁判所は14日、「クリミアには国家主権がなく、文化遺産の所有権は認められない」として、博物館に対し、すべての宝物をウクライナ政府に返却するよう命じる判決を言い渡しました。
判決について、ウクライナの文化次官は「クリミアはわが国の一部であり、主権のあるわれわれに文化遺産の所蔵先の決定権がある」と歓迎しました。
一方、ロシア文化省は「クリミアの住民が固有の文化遺産を持つ権利まで侵害している」と強く非難する声明を発表し、宝物の返却先をめぐって、ロシアも加わった新たな論争を呼んでいます。