面会日 10月6日

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 今日は空君との面会日だった。

 主人も一緒に来てくれた。

 (前の日朝の5時まで飲んだらしく、家に帰っていたら間に合わない、ということで、最寄りの駅で待ち合わせしたが、電車を間違えて大幅に遅刻、医師との約束の待ち合わせ時間におくれること10分でなんとか医療少年院に到着した。)


 
 
 少年院に着くと最初に医師、看護師、ケースワーカーと面談。


 医師が主人にこれまでの経緯を説明し、

 「統合失調症という病態の為、薬の服薬がずっと必要ということに関してはどうお考えですか?」

 と質問してきた。


 主人が「その薬っていうのを仮に飲まなくなったとするとどうなるんですか?必ず飲み続けなければいけないんですか?」と言ったので、私は

 「ダメダメ、飲まなくなったら知能が落ちちゃう。抑制力も無くなっちゃう。」

 と言っておいた。


 ここは医師達に、こちらに服薬継続の意志があることを示しておかなければならない。
 保護者として不適切と見られてしまったら困る。




 ケースワーカーと看護師は、私の言ったことにうんうんと首を縦にふって頷いていた。



 主人が

 「そうですか。まあ空が納得して生活に役立つんならそれでいいと思いますけど・・・。」

 打ち合わせなどはしておかなかったが、主人は適切な言葉を選んで返事をしてくれた。



 
 医:「服薬の件はお母さんもお父さんも納得されているということで、よかったです。」



 私:「今はもう中庭に出ているんですよね。」


 木曜日の電話で空君が外に出してもらったことは聞いていた。


 医:「はい、少し大人数の集団の中に入って運動するようになっています。」

 私:「それで薬の方はハロマンスとリスパダールでまとめてルーランは切っていくということでいいですか。」

 医:「そうですね。一応ルーランは退院時に4mg残すくらいで進めていきたいと思います。」


 そうすると退院して一般の病院に入院した時0になる計算か。

 (少年院を退院したら移行期間に一か月程一般の病院に入院することを勧められている。)



 
 7か月でルーラン12mg(CP150)減らすことになる。
 私としては(多分T医師としても)ちょっと早い感じだが、ルーランとリスパダールを掛け合わすと賦活の作用が出る恐れがあるからルーランは退院の時までに切っておきたい。

 リスパダールは「どうしようどうしよう」という気持ちのあせりや不安感が強く出るし、妄想などの異常思考も出るし、空君に合っているとは思わないけど、他に飲める薬も無いし、抑える力は強いから今の時点ではしばらく続けなければならない。

 1月にジプレキサ等が一気に切られた影響はまだまだ続くから、それをマスクする為には2・3年は飲んでいた方がいい。

 その前にリスパダールによる悪化が強く出てきたら早めに切らないといけないけど、単剤ならそれほど賦活的作用は無いからしばらくは大丈夫なんじゃないかな。


 リスパダールは出院してから微量ずつ減らしていくことにする。

 リスパダールを0にした後、必ずなんらかの状態悪化があると思うので、D2の部分だけでもマスクするのにハロマンスはある程度飲んでおいた方がいいかもしれない。
 仕方ないけどルーランを減らしながらハロマンスの容量を少しずつ上げていく、というのは条件として飲むことにする。



 医:「ハロマンスは100mgを上限に上げていくということでいいですか。」

 私:「ハイ。」


 ハロマンス4週間打ちで100mgとリスパダール3mgでCP換算値一日633mg。

 4月の出院時の容量として、このくらいはしょうがない。(ちょっとドーパミン抑える力が強すぎるんじゃないかという気もするけど。)


 あんまり減らし過ぎても状態が落ちちゃうし。


 減薬はゆっくりやらなけらば。


 気持ちはどうしても焦っちゃうけど。




 
 私:「それから薬を夕ご飯の後、夕方5時に飲ませるのはまだ続けなくちゃダメですか。寝る前の服薬にはなりませんか。」

 医:「いや、それはまだできないです。」

 私:「でもみんなで大勢で飲め飲めって言ってる状態でやっと飲んでるのでは、家に帰って私一人になった時絶対飲まないですよね。今から少しずつ一人でも飲めるように訓練していった方がいいんじゃないですか。」


 医師は半笑いで考え込んでいた。


 医:「まあ、そのうち考えます。こちらからは推奨できませんが、お家に帰ったらお母さんが今までやっていたように、食べ物や飲み物に混ぜるやり方でいいんじゃないですか。」

 私:「そうするには飲み薬がたくさんだとやりずらいので、リスパダールは3mg以上増やさないでください。眠剤はどちらか半錠に減薬してください。」

 医:「わかりました。」


 薬がどんどん増えていくのだけは阻止したい。



 医:「お父さんの方から何か要望はありますか。」

 主人:「薬を勝手に変えたり増やしたりするのは止めて下さい。必ずこちらに報告してください。」

 医:「わかりました。」


 
 主人、なかなかいいことを言う。






 医師達との面談が終わった後、空君と面会。



 空君は元気そうだった。


 少しにやにやして変な感じだけど、状態は落ち着いている。




 「おとうさん!お父さんも来てくれたの。」

 空君は喜んでいた。



 「かっこいい帽子だね。」

 空君がそう言うと主人は「そうだろ」と言って自分がかぶっていた麦わら帽子を空君にかぶせた。



 空君は「ワンピース」のルフィみたいになった。



 
 「部屋にいると不安になっちゃうんだよね。」

 空君は言った。


 「ドラゴンボールはよく出てくるんだ。魔人ブーが出てきて怖いんだよ。それからお父さんも怖い。」

 「お母さんも。未海も。未海が一番怖い。」


 どうやら家族が恐ろしい別の物体に見えるらしい。



 「それから悪夢をよく見るんだ。」



 (悪夢を見るのは睡眠薬のせいで、妄想が激しくなったり不安感が出てくるのはリスパダールのせいだから、二つを徐々に減らしていって止めれば治ると思う。)



 
 「お父さん昨日飲み過ぎちゃって・・・。」

 私が言うと、空君は

 「いいな~。お酒飲みたいナ~。」

 と言った。


 「そうか、空も二十歳だから、もう酒は飲めるんだな!ここを出たら一緒に飲もう。」

 主人が言ったので、あわてて精神薬を飲んでいる人はお酒は飲まない方がいいことを説明した。


 いいじゃないか、大丈夫だよ と主人は言っていたけど。



 もう、こういうところは余計。




 空:「俺大学行こうかな。美大。」

 私:「いいんじゃない。とりあえず高校は出ないとね。高校は行くんでしょ?」

 空:「うん。」

 主人:「でも大学っていっても大変だぞ。いろいろ人間関係とか。」

 私:「そうだね。」

 空:「そうか。やっぱり大工になろうかな。」

 主人:「いいよ。うちで働かしてやるから。」

 私:「いいんじゃない。向いてると思うよ、空。とりあえず一二日置きとかで。あ、TM工務店、新しく空のいっこ上の子が入ったよ。ね、お父さん。

 主人:「うん。お前も一回ご飯食べにいったことある子だよ。」



 そんな話をしたりして、面会時は楽しく過ごせた。




 
 空:「でも俺ここ出られるかなあ。なんか怖いよ。」




 不安感はかなり強いようだ。

 
 でも大丈夫だよ。







 面会を終わって、飲み過ぎて寝坊した為に「やっぱり今日行くの止めとこうかな。」と言っていた主人も、来てよかった、と言っていた。


 「空と会って話たら、何か元気が出た。ほんとはずっと心配してたんだ。」






 お医者さん達にはああいう風に言ったけど、薬はいずれは止めさせたい思ってる、と私が言うと、もちろん俺もそう思ってるよ、と主人が言った。











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