★ここ数日間、政治のお粗末さを国民は目の当たりにする日々だ。首相・安倍晋三までが「オスプレイが重大な事故を起こしたことは大変遺憾。米側に対しては、防衛相から原因の徹底的な究明と安全の確保について強く要請した。飛行の安全確保が大前提だと思う」と発言しているものの、防衛相・稲田朋美は「不時着水する事案が起き、大変遺憾。コントロールを失った状況ではなく、自発的にその場に着水したという説明を受けている」と事態を小さく見せようと必死だ。それに応えるようにメディアは大破したオスプレイに対して「不時着」「着水」と呼応する。

 ★カジノ法の民進党の決着の仕方は何だろう。党首討論で民進党代表・蓮舫がカジノ法案の受け止めを首相にただすと、首相は成長戦略の柱としてカジノ法案を位置付けているにもかかわらず「これは議員立法」と逃げ回った。おかしな対応だ。民進党参院国対委員長・榛葉賀津也はカジノ解禁法案の採決を容認したが、ほかの野党は知らされておらず、政界では「榛葉がカジノ推進派だから」と不快感をにじませる声もある。民進党が止めなくては誰も止められない。国民との信頼関係は崩れたといえそうだ。

 ★そして今日から結果が見えている不毛な日ロ首脳会談が行われる。米オバマ大統領などよりずっと多い15回の会談を誇る首相とプーチン大統領との信頼は、ろくにできていなかったし、その機微を首相も外務省も見抜けなかったという間抜けぶりを露呈しながらも地球儀を俯瞰(ふかん)する外交というのだからあきれる。トップ外交と称して原発や新幹線、潜水艦を売り歩いても何ひとつ売れないことを見ても首相自身がギャンブル依存体質なのではないかと思う。(K)※敬称略