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 欧州連合(EU)の欧州議会は27日、人権や民主主義を守る活動をたたえる「サハロフ賞」を、過激派組織「イスラム国」(IS)に親族を殺され、拘束されたイラクの少数派ヤジディ教徒のナディア・ムラド・バセ・タハさんら2人に授与すると発表した。

 もう一人は、ラミヤ・アジ・バシャールさん。ロイター通信などによると、ナディアさんらは、ISが2014年夏にイラク北部のヤジディ教徒の村を占領した際、ISに親族を殺され、自身は戦闘員の性奴隷にされた。その後、奇跡的に脱出し、欧州に逃れたという。国連や欧州各地で体験を語り、ISの行為が国際人道法違反の「ジェノサイド(集団殺害)」にあたると訴えている。

 シュルツ議長は「彼女たちは、たたかうために生き延びることを義務だと感じていた。彼女たちの勇気や、彼女たちが体現する尊厳に言葉が見つからない」と称賛した。(ブリュッセル=吉田美智子)