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TVパネルのサムスン向け供給中断 鴻海・シャープ合弁

2016/12/15 0:49
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 【台北=伊原健作】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業とシャープが共同工場から韓国サムスン電子向けに出荷しているテレビ用大型液晶パネルの取引を2017年に中断する。価格などの条件が折り合わなかったことが主因だが、自社ブランドテレビ向けのパネル供給を増やし、拡大戦略を本格化する意図も透ける。鴻海・シャープ連合はテレビ市場を牛耳ってきた韓国勢に対し、攻勢に転じようとしている。

 鴻海・シャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクト(堺市、SDP)が14日までに17年中に取引を中断する意向を伝えた。サムスンには40インチと60インチの液晶パネルを16年に計200万~300万台供給するもよう。最大顧客を失えば稼働率低下のリスクもあるが「自社テレビ向けも含め振り替えるメドはついている」(シャープ関係者)と強気の声が聞かれた。

 サムスンは15年に自社のテレビの世界生産のうち、約11%にあたる約500万台分の液晶パネルをSDPとシャープから調達したとみられる。シャープが亀山第2工場(三重県亀山市)からサムスンに供給する32インチ製品についても取引を続けるかは流動的という。

 シャープは業績の改善が最優先事項で、18年3月期の最終黒字化を目指す。SDPは単価下落を背景に赤字が続いており、サムスンとの価格交渉で採算を確保できる水準を譲らなかったようだ。ただ決断の裏ではシャープのテレビ事業の拡大を志向する鴻海の意向が働いたとみられている。

 「鴻海・シャープはシェアを広げるチャンスを迎えている」。調査会社、IHSテクノロジーでパネル市場を担当する謝勤益氏は背景をこう分析する。新興国で大型テレビの需要が拡大し、足元のパネル単価は上昇に転じている。来年も需給が逼迫する状況が続く見通しといい、「中国や東南アジアでシャープのテレビを拡販するため、パネルを確保した可能性が高い」(謝氏)とみる。

 実際、シャープは自社ブランドの液晶テレビ「アクオス」の世界での販売台数を18年度に現在の約2倍の1千万台にする目標を掲げる。鴻海主導で中国に世界最大級のテレビ向け液晶パネルの新工場を建設する計画も浮上しており、攻めに転じる兆しは強まっている。

 鴻海の郭台銘董事長はシャープ買収に際し、「協力すればサムスンを倒せる」と繰り返してきた。郭氏はアジアの電機業界の頂点にあるサムスンへの対抗意識が強いことで知られ、台湾メディアは今回の取引中断について「宣戦布告か」と報じている。

 サムスン以外への外販や自社向けが増えなければSDPの稼働率が低下するリスクもある。自社のテレビの販売が見込みを下回れば、在庫を抱え込むことにもなりかねない。最終製品の組み立てを請け負うことで成長してきた鴻海は、ブランドビジネスや消費者と向き合う経験が浅い。テレビ事業の成否は鴻海によるシャープ買収の成果が出るかどうかの試金石になりそうだ。

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