鳥インフル:ずさんな防疫実態、韓国各地で報告相次ぐ

 韓国各地の鶏やカモ農場などで鳥インフルエンザの感染が相次いで確認される中、一部の自治体では政府が定めた感染対策指針が守られていなかったことが分かった。国民安全処(庁に相当)が先月28日から今月2日まで、鳥インフルエンザの感染が確認された五つの道内にある11の市・郡を対象に感染対策の実態について調査を行ったところ、20件の違反を摘発し、注意や懲戒などの処分を下していたことが13日までに分かった。

 例えばある郡では感染が確認された際、郡庁に設置が義務付けられている対策本部を書類上では立ち上げていたが、実際は活動をしていなかった。また感染が確認された農家から3キロ以内に設置しなければならない「拠点消毒施設」の設置を怠り、その一方で感染現場から20キロほど離れた別の養鶏施設内にあった消毒施設を「拠点消毒施設」に指定していたという。国民安全処はこの郡に対し、責任者の厳重注意と担当者の懲戒処分を命じた。

 また別の市では感染が確認された農家周辺に消毒場を複数設置したが、その後、別の地域に新たに消毒場を設置する際、先の消毒場のうち2カ所を設置から6日後に撤去した。人手不足を理由に、最初にあった消毒場の担当者を新たな場所に行かせるためだった。この市は担当者の増員を怠ったことや、車両などの移動制限がずさんだったことについて国民安全処から指摘を受けた。

 さらに別の郡では、24時間体制が義務付けられている消毒場運営指針を守らず、夜間には消毒を行っていなかったことが分かった。国民安全処によると、この郡の数人の担当者は消毒場の持ち場から離れ、周辺の飲食店で夜食を取っていたという。また別の地域では移動中止命令を守らず、トラックを使って飼料の運搬を行っていた。

チャン・ヒョンテ記者
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