奈良の昔より、山岳信仰の中心として栄えてきた日光。 江戸時代、この地に家康公を祭る社殿建てられ、明治以降も世界的な観光地としての歴史を歩んできた。
アイヌの民族衣装を飾る文様には魔よけの力があると信じられ、母から娘へと代々伝えられたもの。幼い少女のころから図案を学び、布を糸で刺し、布を切り抜き、あるいは別の布を貼り合わせてきた。男たちはマキリで彫り、日常の木製道具を飾った。簡素な線がいくつも組み合わさって、ダイナミックで複雑な文様となり、宇宙の深淵をのぞかせる。
白神山地が迫るぎりぎりの海岸線を列車が走る。「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまだけが乗車できる「リゾートしらかみ号」を運転。短いトンネルを抜け、海が刻々と表情を変えていく。その向こうに沈む夕日。風の松原。千畳敷海岸の奇岩。大自然が気まぐれにのこしていった、巨大な芸術作品の横を通り抜けて「リゾートしらかみ号」は走る。
日本海を望む、山形県唯一の水族館「加茂水族館」。この水族館を一躍有名にしたのは、他に例を見ない種類数を誇るクラゲたち。UFOのようなクラゲ、発光するクラゲ、ほぼ透明なクラゲなど、ユニークな姿で見る者を幻想的な世界へと誘う。七色にライトアップされた「クラネタリウム」、直径5mの水槽に約2千匹のクラゲが浮遊する「クラゲドリームシアター」など、こだわりの展示方法も見逃せない。
鳥海山、月山、蔵王。県の大半を山地が占め、海も近い山形の盆地は、夏暑く冬寒く、地域ごとの気候もそれぞれに違い、昔から、その土地に合った作物がつくられてきた。在来種の作物の数はおそらく日本一。土地の名前のついたカブやナスやネギ。おいしいだだちゃ豆、月山筍(がっさんだけ)もある。すべての農産物が画一化される流れにあって、これほどの多様性が守られてきた背景には、地理的な条件だけでなく、奇跡と呼びたい、人の物語がある。
鎚(つち)で銅を叩く音が作業場に絶え間なく響く。一枚の銅板が思いのままの曲線に形を変えていく。打ち、焼き、さらに打つ。鎚で打ち縮め、コークスの火でやわらげる。気が遠くなるほどの工程の積み重ねは2百年前に新潟・燕(つばめ)の地に伝えられたもの。長い時間をかけて完成した技術の結晶として、昔ながらの手仕事で一つひとつ、つくられる日常のうつわは、目に美しく、手にも唇にも優しい。
「TRAIN SUITE 四季島」の旅でのお客さまの何よりの楽しみとなるのは、
車内や車外でお召し上がりいただくお食事ではないでしょうか。
昼、夜はもちろん、朝食にも、その土地の風土を感じていただける料理をご用意していきます。
旅先の各地で、その地元と食材を愛し育んできた料理人たちが作り出す、その土地にしかない美味を、美しい車窓の風景とともに味わう。
それはまさに、「記憶に残る料理」となることでしょう。
※「お食事のご案内」で掲載中の情報は2016年6月現在のものです。
※写真は全てイメージです。実際にTRAIN SUITE 四季島の旅でご提供するものとは異なる場合がございます。
監修
「TRAIN SUITE 四季島」で最上の料理をお出しするための料理スタッフチームを構成すべく、永年の仲間でもある総料理長・岩崎均とともに、1年以上前から東日本各地を食べ歩き、「これは」という精鋭メンバーを結集してきました。地元ならではの食材と、その土地に根差した料理人の感覚で作られた料理は何ものにも変えがたいごちそうです。そして、1日3食をお召し上がりいただくことから、そのボリューム、バランスにも配慮するよう料理スタッフ全体でチームワークを発揮していきたい。「走る三ツ星レストラン」という今までにない食空間を目指し、実現させていきます。
総料理長
「TRAIN SUITE 四季島」総料理長として、監修の中村とともに東日本各地の提携レストランを訪ね、その食のストーリーをどのように演出していくかを考え抜いてきました。また、各コースでは私自身の料理も味わっていただきます。東京がホームグラウンドである私ですが、ホテルメトロポリタン丸の内で年4回9年間にわたり、東日本の地方食材フェアを開催してきた経験でさまざまな食材の引き出しを持つようになりました。その蓄積をメニューに反映させながら、それぞれの旅先ならではの料理をお出ししていきます。この旅での食事がお客さまの何よりの思い出となることを願っております。
尾形 有司
料亭 冨茂登
函館
函館山の麓、を意味する店名「冨茂登」は、昭和初期築の建物で函館の味を楽しめる日本料理店として、函館の皆様にご愛顧いただいております。「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまには、函館ならではの海の幸、イクラ、イカを朝ご飯にご用意します。毎年10〜11月、函館近海の沖獲りのイクラの季節には、1年分の醤油漬けの仕込みに追われます。また、私がこどもの頃は毎朝イカ売りのおばさんから買ったイカを刺身で朝ご飯に食べたものです。目も舌も肥えた、感性豊かなお客さまにも喜んでいただけるよう、季節の様々な食材を準備しております。
関川 裕哉
ル・クリマ函館
函館
野菜、羊、豚、牛、チーズ、卵など、家族のように接している仲間たちが作った地元の食材を、彼らにヒントをもらいながら、一皿一皿組み立てるのが、「ル・クリマ函館」のスタイルです。「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまには、「ああ、函館に来たんだ」と思っていただけるような、道南の風土を感じられる料理をお出ししたいと意気込んでいます。私は生まれた時から函館に暮らし、どの街よりも函館が好きです。海山がとても近くにあり、生きる喜びを感じる場所。お客さまにもそう感じていただければ本望です。
中澤 美樹
グルマンカンタ、フランス菓子 ペシェ・ミニョン
函館
1985年、東京で開店後、亡夫である初代店主の故郷・函館に移転して25年。最上の素材による、本場そのままのフランス菓子を作り続けてきました。9年前に私が店を継ぎ、現在は息子もフランス風サンドイッチであるカスクートの店「グルマンカンタ」を営んでいます。「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまには、道産の素材を使ったカスクートと季節のスープ、そしてケーキや焼き菓子をご用意する予定です。函館の異国情緒と北海道の食材の豊かさを感じられる昼食をお楽しみいただければ幸いです。
笹森 通彰
オステリア エノテカ ダ・サスィーノ
青森・弘前
イタリアでの修業時代、各地方の食べ歩き、ワイナリーの見学、友人の家庭でのもてなしなどで地方料理の豊かさを存分に味わいました。そんな地元ならではの味を自分でも実現しようと、ワインをはじめ、生ハムやソーセージ、チーズなどを自家製で作り、野菜も自宅の畑で育てています。ワインはぶどうの栽培から始め、白1種、赤は4〜5種と種類を増やしてきました。列車から夕暮れの日本海や白神(しらかみ)山地の美しい景色をご覧になりながら、すべて弘前仕込みのワインとアンティパスト・ミストをお楽しみください。
※リゾートしらかみ車内でのご提供となります。
高村 宏樹
日本料理 たかむら
秋田
東京・目白の江戸料理の老舗「太古八(たこはち)」で修業し、28歳で故郷の秋田に自分の店を出しました。師匠から受け継いだ味と技法を変えず、この地で江戸料理の伝統を守っています。参勤交代時代の日本では、国元の人々にとって、江戸は外国のようなものだったことでしょう。そんな感覚で、洋の素材も取り入れて江戸料理に活かしていくのが当店のスタイルです。華美でなく、派手でなく、美しく。列車のなかの厨房で店そのままの料理をお出しできるよう、工夫を重ねているところです。
※リゾートしらかみ車内でのご提供となります。
奥田 政行
アル・ケッチァーノ
山形・鶴岡
多様な地形によりあらゆる海の幸・山の幸に恵まれ、一年中多品種の野菜やフルーツが収穫されるなど、豊富な食材の産地として注目を集めている山形県庄内地方。鳥海山と出羽三山に抱かれる庄内平野からは多彩な新鮮野菜と畜産物が獲れ、日本海に面し、寒流と暖流がぶつかる庄内浜では、旬の地魚をはじめとする魚介類が約130種水揚げされます。その庄内の食材を使って世界一の朝ご飯を目指します。朝の日本海を眺めながらの最高のひと時をお楽しみください。
吉沢 俊哉
せかい鮨
新潟
新潟県内の有志組合「新潟県すし組合」で提供する共通メニュー「極み」。新潟の旬のネタを気軽に、をコンセプトに、のどぐろ、大とろ、南蛮えびといった新潟ならではのネタや、ウニ、イクラに加え旬の地魚をこだわりの魚醤油で召し上がっていただくというスタイルで、ご好評をいただいています。「TRAIN SUITE 四季島」では、この「極み」に凝縮された新潟ならではの寿司の味わいを、より高めてお出しいたします。 皆様には、車窓からの景色とともに、店と同じ握りたての寿司を楽しんでいただきたいですね。
横山 範夫
鮨・割烹 丸伊
新潟
新潟市内でも花柳界の伝統が残る古町(ふるまち)・鍋茶屋通りに店を構えて四十数年。常に「高鮮度であること」をモットーとし、のどぐろをはじめとする白身魚、南蛮えび、佐渡産のまぐろなど、毎朝一番に市内・茗荷谷(みょうがだに)の市場で、選りすぐりの魚を仕入れています。また当店では、今年の秋からすし飯に特別栽培の従来コシヒカリを用いるので、シャリの味わいの歴然とした違いも感じていただけるはずです。伝統と格式に裏打ちされた、新潟寿司の味わいを列車内でご提供するため、店をあげて準備しております。
山田 藤市
寿司安
新潟
先代の父親から受け継いだ江戸前の“仕事”を施した寿司を、様々な味付けでお出しするのが「寿司安」のスタイルです。大とろには静岡産の香り高いわさびをたっぷりとのせ、まぐろ赤身は“づけ”で。南蛮えびは魚醤とともに。平目、ふなべたなどの白身魚は塩ぽん酢、肝醤油の味付けなど、魚の味わいを活かしたアレンジを楽しんでいただきます。加えて光物の棒寿司、自慢のカステラ玉子焼きもご賞味ください。旅の最後にふさわしく、小さめの握りであっさりと上品にお召し上がりいただきます。
松橋 京子
坐忘林
ニセコ
ニセコの原生林の中に佇む宿。ここは自然と一体となり、季節のうつろいを感じていただける場所です。全15室だけの客室はいずれもゆったりとしたスペースで、源泉100%かけ流しの温泉付き。お食事は、北海道出身の料理長が自家菜園で育てた野菜や、スタッフの「山菜ハンター」が採取した山菜・きのこなどを使い、絵のように美しく、優しい味わいの和食「キタカイセキ」をご賞味ください。海外や国内で様々なお食事を堪能された「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまにも、きっとご満足いただけるはずです。
須賀 紀子
滝乃家
登別
登別は温泉のデパートと呼ばれているほど種類が多く、滝乃家でもラジウム泉、食塩泉など4種類の源泉をご用意しています。初代主人が作りあげた庭園と森に囲まれた環境で、「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまには、列車の旅の合間に、ゆったりとお湯に浸かってお食事を召し上がっていただきたいと願っております。夕食では鮮度のよいお刺身や毛蟹のほか、果物を使ったデザートも好評をいただいており、朝食ではご飯、卵、納豆など食材にこだわった旅館ならではの献立をお楽しみいただければと思います。
小川 寛
杢の抄
ニセコ
リゾート地ニセコで、別荘で過ごすようなひとときを――をモットーに、木のぬくもりに包まれた建物と温泉でお客さまをお迎えします。お食事は山菜、じゃがいも、アスパラガス、きのこなどの季節の野菜が中心。近海もののお刺身にも鮮度のよいお野菜をたっぷり添え、地元の蘭越(らんこし)米と百合根などを使った炊き込みご飯もお客さまに好評です。夜は暖炉を囲んでの焼きマシュマロなどのお楽しみも。「TRAIN SUITE 四季島」のお客さまには列車の中とはまた別の、旅館ならではの過ごし方をご堪能いただければと思います。
水はけ、日当たり、風通しがいずれも良い。最適な地形と気候をいかし、甲府盆地では古くからブドウが栽培されてきた。ワインづくりの始まりは明治。醸造技術を学ぶため、2人の青年がフランスに派遣された。いま、山梨県内にはおよそ80のワイナリーがある。千年以上の歴史を持つとされる日本固有の品種である「甲州」種がワイン醸造のブドウ品種として、2010年、パリのOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に登録され、甲州ワインは、EU各国へ輸出されるようになった。さわやかな果実味と酸味で日本料理にも合う「甲州ワイン」の注目度はこの10年で劇的に高まっている。
姨捨山伝説の名をいだく山里の傾斜をいかして段々につくられた棚田。田んぼになみなみと水が張られる5月、6月になると区切られた水面に月が映り込む。その月を「田毎(たごと)の月」と呼んだ、いにしえの美意識。数多くのうたや俳句、絵にも描かれてきた景色を眺め、少しの間、いまこのときを忘れたい。
会津漆器の歴史は蒲生氏郷公の会津移封からはじまる。会津の地に蒲生の元領地であった近江から木地師や塗り師を呼び寄せ、会津塗の技術は飛躍的に進化を遂げることとなった。また、会津絵とも呼ばれる絵に立体感を持たせた漆器が生まれたのは、江戸中期。まるで「漆」を盛ったようにもみえる金箔蒔絵の華麗さと立体感が人々を魅了する。朝の凛とした空気の中で、伝統の漆器で味わう会津の幸。うつわが丁寧に調理された素朴な味わいを引き立て、かたくなな会津の気風とこだわりを感じさせる。
「TRAIN SUITE 四季島」の旅でのお客さまの何よりの楽しみとなるのは、
車内や車外でお召し上がりいただくお食事ではないでしょうか。
昼、夜はもちろん、朝食にも、その土地の風土を感じていただける料理をご用意していきます。
旅先の各地で、その地元と食材を愛し育んできた料理人たちが作り出す、その土地にしかない美味を、美しい車窓の風景とともに味わう。
それはまさに、「記憶に残る料理」となることでしょう。
※「お食事のご案内」で掲載中の情報は2016年6月現在のものです。
※写真は全てイメージです。実際にTRAIN SUITE 四季島の旅でご提供するものとは異なる場合がございます。
監修
「TRAIN SUITE 四季島」で最上の料理をお出しするための料理スタッフチームを構成すべく、永年の仲間でもある総料理長・岩崎均とともに、1年以上前から東日本各地を食べ歩き、「これは」という精鋭メンバーを結集してきました。地元ならではの食材と、その土地に根差した料理人の感覚で作られた料理は何ものにも変えがたいごちそうです。そして、1日3食をお召し上がりいただくことから、そのボリューム、バランスにも配慮するよう料理スタッフ全体でチームワークを発揮していきたい。「走る三ツ星レストラン」という今までにない食空間を目指し、実現させていきます。
総料理長
「TRAIN SUITE 四季島」総料理長として、監修の中村とともに東日本各地の提携レストランを訪ね、その食のストーリーをどのように演出していくかを考え抜いてきました。また、各コースでは私自身の料理も味わっていただきます。東京がホームグラウンドである私ですが、ホテルメトロポリタン丸の内で年4回9年間にわたり、東日本の地方食材フェアを開催してきた経験でさまざまな食材の引き出しを持つようになりました。その蓄積をメニューに反映させながら、それぞれの旅先ならではの料理をお出ししていきます。この旅での食事がお客さまの何よりの思い出となることを願っております。
馬塲 由紀子
田季野
会津若松
武家文化伝統の地・会津にて、県の建築文化賞も受賞した、築250年の陣屋の建物と郷土料理の割烹として、お客さまをお迎えしています。「TRAIN SUITE 四季島」では、会津ならではの山のごちそうをお出ししたいと、当地の農家の特別栽培による新鮮野菜をご準備しはじめております。朝掘りの筍(たけのこ)、蕨(わらび)など山から収穫したそのままの食材や会津の郷土食“こづゆ”などを伝統の会津漆器でお召し上がりください。会津の素朴さや職人の頑なな気質などを、朝ごはんを通じて感じていただきたいと思っています。
音羽 和紀
オトワレストラン
栃木
地域の食材、風土を表現するのが私にとってもっとも大切なこと。フランスでの修業先「アラン・シャペル」のあるリヨン郊外のミオネー村の人たちが、地元を大変誇りに思っているのを見て、私も出身地である宇都宮で開業しようと決意したのです。ヤシオマス、栃木和牛、地元産の野菜などの食材を使い、自分なりの表現を積み重ねてきました。宇都宮に根ざして35年。「TRAIN SUITE 四季島」では、その集大成として、栃木ならではのテーブルを演出したいと構想を重ねています。