カラオケ大手の第一興商とNTTコミュニケーションズは14日、第一興商が運営するカラオケ店「ビッグエコー」の部屋を企業や個人に仕事場として貸し出す実証実験を始めると発表した。勤務先のオフィスの外や自宅で働ける「テレワーク」を導入する企業が増えているが、仕事に必要な通信環境などが整った場所をどう確保するかが課題となっている。両社は実験を通じて利用者の具体的なニーズを探り、本格的なサービス提供につなげる考えだ。
実験は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県の「ビッグエコー」21店舗の約100部屋で実施する。期間は14日から2017年2月末まで。無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」やインターネット会議システムなどを設置した部屋をテレワーク用の仕事場として利用できるようにする。通常のカラオケと同じように一般の人が自由に利用できるほか、テレワーク導入企業との法人契約なども受け付けるという。
働き方が多様化する中で、オフィスの外で仕事をする人の数は増えている。従来は自宅で働く在宅勤務が中心だったが、近年では仕事をする場所や時間帯に制限を設けずに働けるテレワークも一般的になってきた。総務省の調査では、テレワークを導入している企業は2015年時点で全体の2割弱ある。
ただ、自宅以外のカフェやファストフード店などで仕事をする場合、通信環境が整っていなかったり、周囲の騒音が集中を妨げたりすることがある。時間貸しのSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)や共同オフィスなどのサービスもあるが、コストがかかる。防音仕様のカラオケ店の部屋は「会話やメールの内容が外部に漏れることもないため、会議や商談などに使う人も実は多い」(第一興商)といい、通信環境などを整えれば仕事場として比較的低料金で提供できるという。