日本原燃 保安上の問題への対応 事実と異なる報告

日本原燃 保安上の問題への対応 事実と異なる報告
青森県にあるウラン濃縮工場を運営する日本原燃で去年、保安上の問題を国から指摘され策定した改善策について、副社長がトップの改善を実施すべき部署が、定められた評価をせずに対策が完了したなどと事実と異なる報告をしていたことがわかりました。原子力規制委員会は「組織的に欠陥がある」として、日本原燃に対し詳しい経緯などを報告するよう命じることを決めました。
青森県にあるウラン濃縮工場を運営する日本原燃では、去年、放射性廃棄物がおよそ8年間にわたって、規定とは異なる場所に仮置きされていたことが国の検査でわかったあとも、品質保証の体制が十分、機能せず、原子力規制委員会から繰り返し、改善を求められていました。

こうした中、先週まで行われた国の検査で、新たに副社長がトップになっている品質保証を実施する部署が、問題を受けて策定された改善策について、定められた評価をせずに、「対策は完了した」などと事実と異なる報告を社長に行っていたことがわかりました。

これを受けて、規制委員会は14日の会合で、保安規定に違反し、極めて重大な問題だとして、日本原燃に対し状況を詳しく調べ、是正計画を作り、報告するよう命じることを決めました。

田中委員長は「組織全体として相当欠陥がある。手抜きも甚だしい」と述べ、日本原燃の対応を厳しく批判しました。

この問題で、日本原燃は14日夕方開かれる規制委員会の会合に工藤健二社長が出席し、今回の問題について説明するとしています。