ロシア大統領府高官 北方領土問題焦点化に警戒感

ロシア大統領府高官 北方領土問題焦点化に警戒感
ロシア大統領府の高官はプーチン大統領の日本訪問を前に、北方領土問題は今回1回の交渉では解決できないという認識を示すとともに、北方領土問題だけに焦点が当たることに警戒感を示しました。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、15日からのプーチン大統領の日本訪問についてロシアの記者団に説明しました。

このなかで、北方領土問題について、「未解決の問題が存在していることは、両国関係の発展を妨げている」と述べ、ロシア側も解決に向けて取り組む姿勢を改めて示しながらも、「ロシアにとって容易でない問題であり、急いで解決することは不可能だ」と述べて、今回1回の交渉では解決できないという認識を示しました。

さらに、「今回の訪問の議題をひとつの問題だけに持って行こうとするのは誤りであり、長期的視野に立っておらず、問題の解決に否定的な影響を及ぼしかねない」と述べ、北方領土問題だけに焦点が当たることに警戒感を示しました。

また、ロシア大統領府で国際問題を担当するウシャコフ補佐官も記者団に対し、北方領土問題について、「両国の国民が納得する双方受け入れ可能な解決策を見い出したい。そのためには、両国関係がすべての分野で発展し、信頼強化に向けた辛抱強い作業を行っていくことが必要だ」と述べ、日ロ両国が経済や国際問題への対応など、さまざまな分野で協力を深め、粘り強く信頼関係を築いていくことが重要だとの考えを示しました。