宮崎さんよりも先に、このタイトルが出ちゃったなぁ。
高畑さん。
僕は宮崎さんよりむしろ高畑さんを目指すべきなんだろうとずっと思ってはいるのだが、ミーハー心と未練でどうしても宮崎さん!宮崎さん!となってしまう。
でも高畑さんの作品は全部観てます。『柳川掘割物語』も。
でも各話演出をやった『アパッチ野球軍』とかは観てない。観たい。映像をお持ちの方はご一報を。
『かぐや姫』は偶然ジブリの試写室で、初めて観た。
どうも期待が高すぎた。というか、高畑作品はどれも前衛性が強すぎて、一回目は付いていけない。
でもやはりこれを観ておこうと、上記『かぐや姫』のメイキングを買った。
凄いですわ。高畑さん。もう芸術家としても飛び抜けている。
言ってることが飛び抜けすぎ。
高畑さんに比べたら宮崎さんの言葉も映像も、全然解りやすい。
若手でこんな指示出してる監督がいたら、次から使ってもらえないだろうなぁ。
「絵は未完成でいいんだ」ていうのはね、もう、常識外れですよ。
ていうか禁じ手。
僕が『かぐや姫』を最初に観て思った「あれ?作り切れてない?」ってのは、わざとだったということ?
しかしそれを言い訳にしてはいけないとも思うし。
でも『かぐや姫』の絵のタッチに感じた、日本画や絵巻物のような素朴でかつ洒脱な肌合いは、なるほどこのやり方で正しいんだ、と思わせてしまう。
つまり「鳥獣戯画」なんだよね。その後ジブリがついにアニメ化しちゃったけど。
いやもっと言うと、ラスコーの壁画なんじゃないの?目指したところは。
そういうプリミティブさ、アニメの語源ともなっている「アニミズム」を強調したかったんだろうね。
ここまでアニメ表現にがっぷり四つに取り組んでいる人、もう出ないだろうと思う。
宮崎さんでさえ無理だった。
もうちゃんと学会で、高畑さんの作風に名前を付けた方がいいくらいだね。「タカハティズム」とか。
それくらいやはり、美術の教科書に載るような仕事をした人。
今後どんどん研究がなされていくと思うけど。なされていくべきだね。