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MRJ初号機の納入見送り 不具合検証へ試験機に転用

 三菱重工業は国産初ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発に絡み、最初に発注したANAホールディングスに引き渡す予定で製造してきた量産初号機の納入を見送り、試験機に転用する方向で最終調整に入った。これまでに見つかっている不具合の改善を検証するには従来の試験機数では足らないと判断、試験・量産体制の再編に踏み切る。年明けにも発表する。

 ANAにはすでに二〇一八年半ばとしてきた量産初号機の納入が遅れる公算を伝えているが、今回の試験体制変更が原因の可能性が高い。

 これまでの計画では五つの試験機を製造。設計が少しずつ異なる試験一〜四号機の飛行データを基に、量産機の見本となる「完成形」の五号機を仕上げ、国土交通省から安全認証を取得する予定だった。航空会社に納める量産機も並行して造り始めていた。

 しかし昨年十一月に一号機が初飛行した後、試験で各種の不具合が発覚。関係者によると、補強材の追加で当初見込みより機体が重くなるなどの問題点も見つかり、設計修正が必要となっていた。五号機は既に組み立てが完了し、大幅な設計修正は難しい状況のため、製造途中の量産初号機を五号機に代わる完成形の試験機に充てることにした。ANAには同機の納入見送りを近く伝える。

 転用した試験六号機は、五号機とともに愛知県営名古屋空港を拠点に飛行試験する見通し。試験機の追加でデータ取得に余裕が生じる一方、開発で一機余分に造ることとなるため、コスト増大も懸念される。

 

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