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【社会】

千代田区の中学 原発避難生徒に「おごり」を要求 区教委側「いじめ」

 東京都千代田区の区立中学校で、原発事故のため福島県から避難している生徒が、同じ学年の三人に「おごってよ」などと言われ、菓子やジュースなど計約一万円分の代金を支払っていたことが、区教育委員会への取材で分かった。

 区教委によると、三人は「おごってよと言ったことがある」「おごってもらった」などと認めている。十一月下旬に生徒と母親が学校に申し出て発覚した。生徒は学校側の聞き取りに「金品を要求されたわけではないが、お菓子などをねだられる」などと話した。

 また、昨年夏ごろから「避難者」と呼ばれ、「(避難者であることを)ばらすよ」と言われたと話した。一方、三人は調査に「言ったことはない」と否定しているという。

 区教委の担当者は「本人が精神的な苦痛を受けたためいじめと認められるが証言の食い違いも多い。本人が望まなかったこともあり、詳細な調査は中断している状態」と説明している。

 生徒は「教科書やノートがなくなったことがある」とも話したが、数カ月前や昨年のことだったため、今後は同様のことがないよう、登校時と下校時に担任教諭が一緒に持ち物を確認しているという。

 生徒は国が設定した避難区域外から避難した。

 

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