シリア アサド政権が近くアレッポの制圧を宣言か

シリア アサド政権が近くアレッポの制圧を宣言か
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内戦が続くシリアで、アサド政権が、反政府勢力の最大の拠点、アレッポ全域の奪還に向けて攻勢を強める中、最後まで抵抗を続けていた反政府勢力の主要なグループが撤退を発表し、政権側が近くアレッポの制圧を宣言するものと見られます。
シリア北部のアレッポでは、アサド政権がロシア軍の空爆の支援を受け、反政府勢力の支配地域への激しい攻撃を続け、13日までに市のほぼ全域を制圧しました。

これに対し、ごく一部の地域で抵抗を続けてきた反政府勢力の主要なグループは、13日夜、NHKの取材に対し、アレッポの市外に撤退することで、政権を支援するロシア政府と合意したと明らかにしました。

また、ロシアのチュルキン国連大使も「アレッポ東部での軍事作戦は停止したとの情報を受け取った。シリア政府はアレッポ東部の支配を確立した」と述べました。

合意によりますと、アレッポの北側と西側に避難路を設定し、まず14日朝にも戦闘地域に取り残されていた市民を退避させたうえで、反政府勢力の戦闘員が市外に撤退するということです。

反政府勢力はこれまでアレッポを死守するとしていましたが、空と地上からの激しい攻撃で追い込まれる中、市民の避難を優先させたと見られます。

反政府勢力の主要なグループが撤退を決めたことで、政権側は近くアレッポ全域の制圧を宣言するものと見られ、5年におよぶシリアの内戦はアサド政権が圧倒的に優位な状況となりました。

アメリカは政権側を非難

アメリカ国務省のカービー報道官は、13日の記者会見で、アレッポで政府軍が市民を殺害している情報があると指摘し、「卑劣だ。ロシアの後押しを受けたアサド政権の残虐な行為はやめさせなければならない」と述べ、アサド政権とその後ろ盾となっているロシアを非難しました。

また、カービー報道官は「アレッポが陥落しても内戦は続く。反政府勢力は戦闘を続け、混乱に乗じて過激派が勢力を拡大し、無実の市民が難民となる状況は変わらない。その状況を終わらせるには反政府勢力とアサド政権がテーブルについて話し合うしかない」と述べ、改めて、アサド政権とロシアにシリアのほかの地域でも戦闘をやめるよう求めました。

トルコでは抗議デモも

トルコでは13日、各地でシリアのアサド政権やこれを支援するロシアに抗議するデモが行われました。

このうち、最大都市イスタンブールの中心部にあるロシア総領事館の前にはシリアからの難民など数百人が集まり、シリアの反政府勢力などの旗を振りながら「ロシアは殺人者だ」などと叫び、アレッポの住民たちへの支援を訴えていました。

アレッポ東部出身の男性は「私はすべての家族を失った。誰も、私たちのことを気にかけず、世界の指導者たちは耳を貸そうともしていない」と憤りをあらわにしていました。