プレミアムフライデーって?
政府は2020年をめどに名目国内総生産(GDP)の600兆円実現を掲げている。経団連は、実現には現在300兆円にとどまっている個人消費を360兆円に引き上げることが欠かせないとみている。
プレミアムフライデーは、早い時間での退庁・退社に合わせて夕方に流通業界や旅行業界、外食産業などが連動してイベントを開催するという内容。流通業界には商品価格を引き下げる「セール」への抵抗があることを踏まえ、イベントによる消費喚起を前面に押し出していく。
引用:月末の金曜は午後3時退社 個人消費喚起へ「プレミアムフライデー」構想 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
ざっくりとですが、経済産業省が2017年2月に開始予定の月末の金曜日を「特別な金曜日」にしようとう企画です。※正確には2月24日
目的としては個人消費の拡大、簡単に言うと経済効果を高めるために月末の金曜日を15時(頃)退社にして個人にお金を使ってもらおうというものです。
また、そのプレミアムフライデーに合わせて小売り業界や旅行業界や飲食業界がプレミアムフライデーに合わせてキャンペーンを行うなどを検討しているそうです。
まぁシンプルに働く時間が少なくなり、自分の時間=自由な時間が増えると単純に考えた場合は素晴らしい案だとおもいますね。
しかし、問題は全ての企業で同時に実施は不可能だという点(公平性をどう保つのか)がこの政策の一番のネックだと感じます。
この政策はブラック要素も含まれている
もうね、ただ単純に「月末の金曜日が15時退社になるだけ」であれば一般のサラリーマンにとっては素晴らしい政策だと思います。
たかだか定時から2.3時間早くなるだけかもしれませんが、お昼過ぎには退社できるというのは誰がどう見ても素晴らしいです。
問題は、「仕事が15時までに終わるのか」という点です。そもそも毎日定時であがれている企業がどれほどあるのでしょうか?大抵は多少の残業はデフォですよね。
15時までに終わらなかった仕事はどうなるのでしょう?ただでさえ忙しい月末に15時退社することによって翌週の月曜日が地獄になる未来しか見えないんですが。
なんなら金曜日は「15時で退社したから土曜日は出社な」的なパターンが生まれる姿が容易に想像できてしまうのは洗脳され過ぎでしょうか?シンプルに15時退社になるだけ、とはとても思えません。
月末の金曜日に15時に仕事を終えることによって、翌日の土曜日は出社がデフォになり、結果的にしんどくなるだけでは?と懸念してしまいます。
つまり、プレミアムフライデーがスタートした際に恩恵を受けられるのは基本的に定時退社がデフォの公務員やいわゆるホワイト企業だけではないでしょうか?
月に何十時間、何百時間と残業が常習化している会社でとても実行できるとは思えません。一部の勝ち組が更に勝ち組になるだけではないか。
こんな政策やるなら、役所は月末の日曜日のみ半日だけでも開けてくれたらいいのにと、思わずにはいられない。もしくは4週目の平日一日を休みにして、最終日曜日は役所は開けるとか。そっちの方がよほど助かる。
それに、給料を時給でもらってる人々の事を少しでも考えたのだろうか?時間給で給料を貰っている派遣やアルバイトの人にとっては只のダメージでしかないですし。
サービス業界で働く人のメンタルが軒並み死亡する模様
具体的な案があるのかどうかは不明ですが、まぁないでしょうね。周りのサラリーマンが15時退社して思惑通りに買い物や旅行に繰り出したとしても、サービス業で働いている方はなんなら勤務時間が増えるんじゃ・・・
プレミアムフライデーが定着して各社サービス業が打ち出すキャンペーンによっては、忙しくなり、その準備であったり対応で逆に残業時間が増える可能性もあります。
政策が上手くいってサービス業界で働く人の嬉しい点といえばただの金曜日が稼ぎ時になるという点ですね。暇よりは忙しい方が個人的には好きというのもありますが。
上手くこのプレミアムフライデーの政策が機能した場合、サービス業界としては非常に売り上げを作りやすくなりますよね。15時退社からのショッピングや、飲みに行ったりできる訳ですから単純に客数は増えると予想されます。
プレミアムフライデーを体感できる業種(サービス業以外)の人はこの金曜日が来るのが待ち遠しくなりますねぇ。羨ましい限りです。
反対にサービス業の人はこの金曜日が来るたびに劣等感に苛まれながら過ごすことになります。というか、僕は確実になると思います。
「なんでこいつらは15時に仕事が終わってるのに、私はまだ働いているんだ!」
と、絶対に思うでしょうね。
しかも彼らは15時に仕事を終えて更に土日休みが待ち構えている訳ですから。
サービス業だと土日は仕事のケースがほとんどかと思いますので、劣等感は半端ないですね。そのパリピを相手にすることになると考えただけで少し辛いです。
この業界を選んだのは誰でもない自分自身なので仕方がないと開き直るしかなさそうです、というか開き直りましょう!
いざその時が来たら精一杯パリピから搾取するのです!
もし、サービス業界の方にも別途でプレミアムフライデーのような政策が施されるのであれば何も言いませんが、まぁないでしょう。期待はしていません。サービス業界はガン無視です。
プレミアムフライデーの日に働くのが確定の人々(サービス業界)にはプレミアムフライデーの日に働いた場合、特別報酬を国から支給するくらいしてほしいですね、でないと国が行う政策なのに不公平すぎる。
結果的にプレミアムフライデーで経済が潤い、給料やボーナスに反映されたら嬉しいんですが、大手だと有り得るかもしれませんが中小だと実感できるかは怪しいものです。
と、まぁここまで書いてみてクールビズの様に定着するとはとても思えないですね。なにより初っ端から業種や雇用形態で差別化されていて、平等性がない時点でこの政策はオワコンとしか思えません。世間一般の社会人の状況(経済面含め)が分かっていて作られた政策とはとても思えない。
とはいえ、まだ実装はされていないので、「実際にどうなるか」はその時になってみないと分かりませんが、僕のマイナスな不安を他所に、完璧な対策を考えていることを切に願います。
Twitterでも色々と声があがっています
もしかしたら同じように考えている人も多いのではないか?と早速調べてみました。
政府「年金を払ってね」
— イケザえもん (@ikezaemon01) December 12, 2016
若者「金がないから無理」
政府「結婚して子供を育ててね」
若者「金がないから無理」
政府「金曜日は午後3時に仕事を終えてお金を使ってね」
若者「だから金がねえって言ってんだろ!」#プレミアムフライデー
世の中の大半の人に刺さる言葉です。勿論ぼくも刺さりました。
#プレミアムフライデー をやるより労働基準法違反を厳格に取り締まり、サービス残業やブラック労働をさせた経営者、管理職は懲役刑(not罰金)、会社法人には懲罰的罰金を課すだけで個人消費は相当持ち直す。
— 16tons (@16tons_) December 13, 2016
この考えは僕も一番に思いました。そもそも経済効果を促すためではなくて、ブラック企業や、過労働を緩和するための政策であれば好感度は全然違いましたが、経済効果を上げるためにってお偉いさんは何を見ているのでしょうか。
こういう「炎上してください」ってネタが投下されるときは、たいてい「目立つと困る法案を通しているとき」なんだ。いま、どんな法案が通されてるんだ? #プレミアムフライデー
— 鈴木輝一郎 (@kiichiros) December 13, 2016
この観点はなかったので、このツイートを見て少し怖くなりました。こんな突っ込みどころ満載の政策を打ち出したあたり、確かに裏があってもおかしくありません。
なぜ定時退社もできないのに15時退社ができると思ったのか
— うぬむ (@milkianlove) December 13, 2016
なぜ金のない人に時間を与えたら消費活動すると思ったのか
#プレミアムフライデー
心理を突きまくっています。まさにこれです。プレミアムフライデーは本当に練りに練ったうえで可決された案だったのでしょうか?
プレミアムフライデーによるサービス業界の働き方まとめ
基本的にはサービス業界の働き方自体は大きく変わらないと思います。最悪のパターンとしては、プレミアムフライデーが定着し、本気で忙しくなった場合の準備や対応で残業時間が増えるパターン。
残業代が出る会社であれば、残業代は稼げますが、残業代が出ない会社や見込み残業が含まれている会社だとしんどくなるだけですよね、コレ。
まぁ、そもそも定着はしないかなと思ってますので気にする必要はないかと思いますが、サービス業界に身を置く者としては色々と考える案件でした。
ほんとに経済効果を見込んだうえでプレミアムフライデーをやるのであれば、その利益の一部をサービス業界で働く人々へ特別報酬として還元してほしいものです。
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