尾瀬で地球温暖化の影響は 65年ぶり学術調査団

尾瀬で地球温暖化の影響は 65年ぶり学術調査団
群馬県や福島県などにまたがる尾瀬国立公園で地球温暖化の影響などを調べるため、動植物の分布状況などの大規模な調査が65年ぶりに行われることになり、13日、学術調査団が発足しました。
群馬、福島、新潟、栃木の4つの県にまたがる尾瀬国立公園は、湿原などの自然やミズバショウなどの貴重な動植物が残ることで知られています。

尾瀬の動植物の分布状況などを調べる大規模な調査が来年春から65年ぶりに行われることになり、13日、専門家などで作る学術調査団を発足させるため、都内で会議が開かれました。
会議では、湿原や湖などの植物の生態に詳しい名古屋大学の坂本充名誉教授が、調査団の団長に選ばれました。
今回の調査では「重点研究」として地球温暖化による気候変動の影響を調べるため、集中豪雨による土砂の流入が湿原の植物にどのような影響を及ぼすかなどを調べます。
また「基礎研究」として、尾瀬で被害が広がっているシカによる貴重な植物への食害や外来植物の影響などを把握したうえで、動植物の分布状況などを詳しくまとめることにしています。
調査は3年かけて行われ、小型の無人機、ドローンによる調査も行うということです。
学術調査団の坂本団長は「気候変動やシカなどによる影響が心配だが、現状がよくわからないので、早急な調査が必要だ」と話しています。