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たわしの帖

やれることをやってみるブログ

たわしの帖

ゆうパックの荷物が8時間以上、ドアの横に放置されてた話

雑記 雑記-ライフハック

 本当はこのブログに書くべきことじゃないのかもしれないけれど、調べてみたら決して珍しくない話のようなので書く。

 親戚から届いた『ゆうパック』の荷物が9時〜17時50分までの約8時間50分、ドアの横に放置されていた

荷物の放置に気付いたキッカケ

『ゆうパック』の荷物が玄関ドアの横に置き去りにされている──このことに気が付いたのは、私がゴミを捨てるために外に出たからだった

 時間は17時50分。早めの晩ご飯を済ませ、さあ「海外ドラマ50選」の記事をゴリゴリ書いていこうかな! というタイミングで、母がゴミ捨てに行こうとしていた。

 いそいそと支度をする姿に気付き「あー、いいよいいよ。寒いし、私が行ってくるよ」と言いながら、物質的に重い腰を上げたのです。

 燃えないゴミの袋を片手に玄関ドアを開け、閉じる。寒さに身を縮こませて俯いたとき、視界の端に茶色い物体が入り込んだ

「なんぞ、これは」と思い刮目すると、クラフト紙のようなものに覆われ、青っぽい用紙が貼られた四角いものだった。ゴミ袋を地面に置いて四角いものを拾い、さらによく見てみる。青っぽいものには母と、母の叔母の住所と名前、そして「缶詰め」と書かれていた。赤い文字で『ゆうパック』と印字もされていた。

 紛れもなく『ゆうパック』経由で届けられた、母の叔母からの荷物だった。

置かれてた場所

 ちょっと雑だけだけど、置かれた場所を図にしてみた。

f:id:kimamalist:20161213193051j:plain

 こんな感じ。ここに8時間50分である。

こんなことは初めて

 他の人はどうか知らないが、ドアの横に『ゆうパック』の荷物が放置されていたのは、これが初めてである。

 よくあることなのか? と思いググってみると、全く同じとも言えないが“似たようなこと”はあるようで。「んなこと、あるわけねぇだろwww嘘乙wwww」と笑う人は、「ゆうパック 荷物 置いていく」「ゆうパック 荷物 置き去り」で調べてみてほしい。置き去りにされた人の中には、荷物にイタズラされた人もいる。

 幸いにも、というべきか。我が家に届けられた荷物は、スパム5缶とビーフシチュー2缶、ハッシュドビーフ2袋、黒糖2袋。全て常温管理できるもので、冬の冷たい空気の中に8時間50分放置されていても問題ない代物だ。今日は雨も降っていなかったし。腐って体に害を及ぼすものではない。

 でも、そういう問題じゃあないんだよ。

「全て常温管理できるもので、冬の冷たい空気の中に8時間50分放置されていても問題ない代物」でも、ドアの外に放置はダメだろ。普通に考えて。というか、勝手に置いていくとか意味わからないんですけど!?!?!?

 束子は激怒した。

 必ず、かの『ゆうパック』に一言申さなければならぬと決意した。束子には『ゆうパック』の業務がわからぬ。束子は、電話が大の苦手である。

束子が宅配に気付かなかった可能性は?

「放置じゃなくて、配達に気付かなかっただけじゃないの?」と考える人のために補足すると、我が家の地域を担当している配達員は非常に声の大きな年配の男性だ。

 通販を利用する機会が多いらしい隣人の玄関ドアを「◯◯さぁ〜ん!! ◯◯ ◯◯◯さぁ〜ん!! ゆうパックでぇ〜す!!!」と叫びながら激しくノックするのがお決まりなのである。だから特に交流もないのに、私は隣人の女性の名前を知っている

 でも今日一日、家に引きこもっていた私は、我が家のドアが激しくノックされる音も「ゆうパックでぇ〜す!!!」の声も聞いていない。誰も訪問しに来ていないのだ。

 それに、仮に気付かなかったとしても、その時は荷物を置き去りにせず「不在票」を残していくはずだ。ゴミ捨ての帰りに郵便ポスト、ドアポスト、階段&ドア周辺を捜索したが「不在票」の類は見付からなかった

 第一、「不在票」があって荷物も置き去りにされたら、それこそ大問題だ。つーか、印鑑はどうするんだって話。

17時56分、『ゆうパック』に問い合わせてみる

 下世話なことをいうと、私は郵便局に割と高額な貯金をしている。そして、友人に手紙を出すときも郵便局を利用しているし、ちょっとした荷物を送るときも『ゆうパック』を利用している。過去には現金書留で、諭吉を数人受け取ったこともある。

 つまり、私は郵便局ならびに『ゆうパック』に対して、絶大な信用を置いていた。にも関わらず、この所業。電話が苦手な私を突き動かすのに十分だった。

『ゆうパック』お問い合わせ番号に電話をかけてみると、音声ガイダンスが流れた。私が電話をした目的は「苦情」なので「苦情に関する内容は……」の案内を待ったが、一向に流れてくることはなかったですよねー。

 仕方なしに「サービスに関する問い合わせ」──*2をプッシュ。数秒後に対応してくれたのは可愛らしい声の女性、林さん(仮名)だった。

 可愛らしく、そして少し気弱な雰囲気を醸し出す林さんの声音に、私は怖気ずきそうになった。元々、誰かに感情的になるとか、怒りをぶつける行為は苦手なのだ。イジメっ子にだってシカトで対応した人間である。ドアの前に『ゆうパック』の荷物が放置されててうんぬんかんぬんどういう了見だ!? あんコラァ!?!? なんて言えるわけがない。

 私は震える声を抑えながら、必死に言葉を発した。

「お忙しいところすいません。『ゆうパック』の荷物が、ドアの横に放置されてたんですけど。これって、誰に訴えれば良いんですか?」

クレーマー束子、爆誕

 林さんが戸惑いの様子をみせたのが、受話器越しに分かった。その瞬間、私は堰を切ったように話し始めた。

  • ゴミ捨てのために外に出たら『ゆうパック』の荷物が放置されていたこと
  • 今日一日、私は家にいたが誰も訪問者はいなかったこと
  • 不在票も何もないこと
  • 訪問者なし+荷物放置なので、受け取り印を押してないけど有りなの? 大丈夫なの? 業務的な意味で

 前述した通り、私は感情的になるのが苦手である。加えて、業務関係以外の電話も大の苦手だ。きっと林さんは「やっかいな電話を受けちゃったわ」と思ったに違いない──喋っている自分自身が「クレーマーみたいだな」って思ったのだから間違いない。

 でも、一度喋り出した口は止まらないもので。途中から「私はクレーマーを演じているのだ」と半ば暗示のようなものを自身にかけながら訴え続けた。林さんが可愛らしい声で謝罪をし、お問い合わせ番号と郵便番号、住所、名前を問うてきた。事務的に伝える私。カチャカチャとタイプ音が聞こえた後、林さんは荷物の配達記録を教えてくれた。

「あの……記録によりますと、お客様のもとへ9時に配達されていることになっております」

「はぁ、そうですか。でも、私はその時間も家にいましたけど、誰も家に来ませんでしたよ」

 林さんから管轄の郵便局に一連の報告をし、配達の流れを確認することになった。

18時40分、事業所から電話が来る

「ええい、怒りと興奮がおさまらぬ。ブログのネタにしてやろ」と思い、ノートに向き合うこと数十分。電話が鳴った。私が住む地域の、『ゆうパック』の事業所からだった。

 今度の相手は溌剌とした声が印象的な男性、加藤さん(仮名)だった。私は、また怖気ずきそうになった。男性との電話は苦手なのだ。しかし、今度は最初から「クレーマー役:束子」だったので強気な対応ができた。

 加藤さんは謝罪をした後、配達担当者から聞き取りをした内容を話してくれた。曰く、

「どうやら、お客様宛ての荷物を間違えてお隣のかたに配達してしまったようでして。荷物を受け取ったかたが、お客様の玄関先に置いて行かれたようです」

とのこと。

 誰か、この説明で納得する人がいたらブコメでもなんでも良いから「納得するポイント」を教えて欲しい。

束子、キレる

 束子は激怒した。冗談ではなく、瞬間的にガチで激怒した。

「あの、すいません。だとしたら、受け取り印はお隣の人が押したってことになりますよね? 普通、配達をしたら『受け取りました』って印鑑か、サインを求めるはずですから。つまりその配達人は『配達先を間違えていることに気付かず、相手に受取人であることを確認せず、サインと受取人の名前が違うことにも気付かなかった』ってことですか? それとも、お隣さんが勝手に荷物を受け取ったってことですか?」

「いや、後者はないと思います」

「じゃあ『相手に受取人であることを確認せず、サインと受取人が違うことに気付かなかった』ってことですね? それって良いんですか? 問題ないんですか?」

「いや、大問題です」

 大問題ですって言っちゃったよ。

問題は印鑑じゃない、荷物の置き去りだ

 印鑑じゃないんだよ、私が最初に憤っていたのは。荷物の置き去りなんだよ。

 でも、配達担当の人が「間違えて隣に届けて……」と証言してしまった以上、配達員が荷物をドアの横に放置していった証明はできない。私の家に、玄関ドアを見張る監視カメラがないからだ。

 それに、加藤さんにギャンギャン吠えたところで仕方がないのである。ふと冷静になった私は、理解した旨を伝え「今後このようなことがないように、しっかりとした指導をしてください」とお願いをした。加藤さんは改めて謝罪をし、私からのお願いを受け入れてくれた。

 そして最後に「担当の配達員が直接お話ししたいとのことで、お客様の家にお伺いするそうです」と言った。直後、タイミングよく我が家のドアがノックされた。

推定年齢65歳オーバーなおじさん配達員

 本日初の訪問者に対応したのは母だった。『ゆうパック』との電話の一切を受けていたのは私だったから、突然の配達員さんいらっしゃ〜いな事態に母は思いっきり不信感を丸出しにした。

 警戒心むき出し、今にもドアをピシャリと閉めてしまいそうな母を下がらせて、私は配達員と対面した。いつもの声が大きいおじさんだった。

 推定年齢65歳オーバー……もしかしたら70歳を超えているかもしれない配達員は、帽子を脱いでツルツル頭を下げながら「どうも、すいませんでした」と謝罪した。

 すでに加藤さんとの遣り取りで高ぶった感情も鎮火し、クレーマー役を降りていた私は「内容は事業所のかたから聞きましたから、結構です。今後気を付けてください」とだけ告げた。もう、良い加減いいかなと思ったのです。クレーマー役疲れたお。

 しかし、配達のおじさんは何かを言いたげに口をモゴモゴさせた。そして一言。

ハンコください

「はぁ?」と思わず声が出た。私と母、口あんぐり。

 いや、だって、印鑑もらったんでしょ? よそ様の。え、で? 今、正しいハンコくれって? はぁ?

 呆然とする私の背後から、母が「ハンコはやらぬ!」と叫んだ。はっとした私は「え……あの、お隣さんから貰ったんですよね?」と問いかける──ついでに、ちらりと受け取り印を確認した。そこには確かに赤いインクで「鈴木」と記されていた。ちなみに、お隣さんは佐藤さんである(マジで)。

 私の視線に気付いた配達のおじさんは、「鈴木」の印が押された部分を千切るように破った。そして再度「ハンコください」と言った。私はもう、何が何だかか分からなかった。「ハンコください」って何、というか受け取り印のところ千切って良かったの? 大丈夫? 問題ない?

結局……

 結局「ハンコください」の要求を、私は拒否しました。林さんと加藤さんとの電話により、我が家に荷物がきちんと届いていることは立証できていることですし。「鈴木」の印が引き千切られた横に8時間50分前に放置された──若しくは、どこかへ届けられた荷物の受け取り印を押すのは、なんか変だなと思って。つーか、鈴木って誰だ

 それに「ハンコ貰えないと困ります……どうすれば良いんですか?」の問いに、再びカチンときた部分もある。そんなの知るか、と。

冷たいこと言いますけど、貴方のミスをコチラが正す義理はありませんので。マニュアルを見るなり何なりして対応してください」と丁寧に助言してあげてから、ピシャリとドアを閉めました。

もしもドアの横に、荷物が放置されていたら

 届けられた荷物がドアの横に放置されているなんて滅多にないことだろうし、頻繁にあって欲しくないことだ。でも、もしもこの記事のような出来事に遭遇したら、きちんと『ゆうパック』に電話して状況を事細かに訴えたほうが良いです。

 放置されてた!! ってクレームを入れたところで「間違えて隣に届けて……」って言われるだけかもしれないけど、誤配達は誤配達で問題だからね。

 誠意ある人が対応してくだされば、それなりに納得する結末を迎えられるだろうから。泣き寝入りとかはせず、きちんと仕事をして貰えるように訴えお願いするようにしましょう。

 つーか、本当に鈴木って誰だ