どうも、ゴトーだ。
俺は三度の飯よりサッカーが好きでな。
中でも来年のACLこそJリーグのチームが勝ってほしいと思っている。
今回は他の媒体があまり言及していない出場枠についてフォーカスしつつ、2017年のACLの日程や見所を紹介している。
ACLとは
そもそもACLとはAFCチャンピオンズリーグの略称だ。
「AFC Champions League」の頭文字を取ってACLと呼ばれている。
これはアジアサッカー連盟(AFC)が主催する、アジア各国のクラブによる大陸間で争われる大会で、アジアナンバーワンのクラブを決める大会となっている。
ここで優勝すると賞金150万ドルが貰えるほか、FIFAクラブワールドカップに出場することができる。
150万ドルって少なくないか?と思われるかもしれないが、それに関しては後ほど言及する。
日本のクラブの苦戦
日本のサッカーレベルがアジアではトップレベルなのは広く知られていると思う。
アジアカップでの優勝実績や、欧州リーグへ輩出している人数、その内容を見てもそれは明らかだ。
しかし、日本のクラブはこのACLでここ10年ほど優勝どころか、その争いにすら加われていない。
ACLは2003年から始まったのだが、近年の優勝クラブは中国や韓国に独占されている。
年度 | 国 | クラブ |
---|---|---|
2002-03 | UAE | アル・アイン |
2004 | サウジアラビア | アル・イテハド |
2005 | サウジアラビア | アル・イテハド |
2006 | 韓国 | 全北現代モータース |
2007 | 日本 | 浦和レッズ |
2008 | 日本 | ガンバ大阪 |
2009 | 韓国 | 浦項スティーラース |
2010 | 韓国 | 城南一和天馬 |
2011 | カタール | アル・サッド |
2012 | 韓国 | 蔚山現代 |
2013 | 中国 | 広州恒大 |
2014 | オーストラリア | ウェスタン・シドニー |
2015 | 中国 | 広州恒大 |
2016 | 韓国 | 全北現代モータース |
では、なぜ日本のサッカーレベルはアジアではトップレベルなのにACLで勝てないのか、その理由について触れていこう。
クラブにとってのモチベーション
これは選手がACLの試合で手を抜いているというわけではなく、クラブにとってACLに力を注ぐメリットがなく、むしろJリーグを優先させた方が経済合理性が高いということだ。
例えば先ほどACLの優勝賞金は150万ドルと紹介したが、日本円にすると約1億7000万円ほどだ。
Jリーグは1ステージ制の頃の賞金は2億円で、来年は3億円になる。アジアナンバーワンになっても金銭的な旨みがそれほどない。
また、ACLは平日開催なので通常のリーグ戦よりも観客動員数がかなり落ちる。
2014年のACLの平均観客動員数は広島が7626人、横浜Fマリノスが8912人、川崎フロンターレが9763人、セレッソ大阪が13193人となっている。
優勝賞金が貰えるならまだいいが、中途半端な順位だと各国に遠征しなければならず、赤字になることも少なくない。
勝てば勝つほど収支的にマイナスになる可能性があるという経営上の辛さがある。
過密日程
通常のリーグ戦に加えて、天皇杯、ルヴァンカップ、そしてACLが加わると相当な過密日程になり、選手のコンディションが必ず低下する。
リーグ戦を控えの選手で戦い、ACLをレギュラーで戦う、なんてことは先ほどの経営上の問題だったり、そもそもの選手層の問題から難しいのは想像に難くないだろう。
しかも韓国や中国、イランなどのACLに力を入れている国は、ACL出場クラブの日程変更を認めているのに対して、日本は日程変更を認めていないというのも大きい。
中国に至っては国際Aマッチデーを潰してリーグ戦に充てることもあるほどACLに力を入れている。
ACLを戦って過密日程になったクラブはほとんどの確率で翌年に大きく成績を落とすというデータもあって、ACLと国内リーグの両立が難しいのが現状だ。
戦力の均衡
Jリーグは特定のクラブが際立った戦力を持つ、という傾向が他国と比べてかなり少ない。
もちろんそれによって毎年どこが優勝するのか分からない、という面白さがあるのだが、中国で言う広州恒大のような分かりやすいビッグクラブが存在したほうが良いという声も大きい。
ただし今のJリーグは赤字経営を許しておらず、Jリーグ人気も停滞しているので、なかなかビッグクラブを作ろうと思っても作れないのが現状だ。
Jリーグのレベルは低くはないが、上位クラブだけの戦力を見るとどうしても他国に劣ってしまう。
出場枠について
ACLの出場枠について、相当分かりにくいシステムになっているせいか、余り仕組みを知られていないので、ここでは簡潔に説明していきたい。
当たり前だが、ACLは希望すれば出場できるわけではなく、各国に与えられた出場枠の中から、各国が出場クラブを取り決めることになる。
まずAFCに加盟している国を東西2つに分け、それぞれに「12」のグループリーグの枠と「4」のプレーオフの枠が与えられる。
その与えられた枠は、「AFCランキング」に応じて以下のように割り振られる。
ランキング | グループリーグ | プレーオフ |
---|---|---|
1~2位 | 3 | 1 |
3~4位 | 2 | 2 |
5位 | 1 | 2 |
6位 | 1 | 1 |
7~12位 | 0 | 1 |
プレーオフ枠のクラブは、それとは別に予選を勝ち上がってきたクラブと対戦し、勝利すればグループリーグに加わることができる。
AFC MAランキング
「AFC MAランキング」というAFCが独自に付けているランキングがあり、このランキングがややこしくなっている。
このAFC MAランキングは「代表ポイント」と「クラブポイント」の2つからなり、代表国の強さとクラブの強さから判断されるわけだ。
そして比重は代表ポイントが30%、クラブポイントが70%となっている。
代表ポイント
代表ポイントは直近のFIFAランクのポイントによって決まる。
そもそもFIFAランキングとは一定の基準によって算出されたポイントが高い順に付けられているのだが、AFC加盟国の中でトップの国のポイントを「30」とみなし、そこから各国のFIFAランクのポイントの割合に応じて代表ポイントが割り当てられる。
例えばイランのFIFAランクのポイントが100でトップ、日本が60だった場合、イランには代表ポイント「30」が付与され、日本はその6割なので「18」が付与されることになる。
クラブポイント
過去のACLとAFCカップの成績によってポイントが付与され、代表ポイントのときと同じくトップを「70」とみなし、そこから各国のポイントの割合によってクラブポイントが割り当てられる。
基本的に勝てば勝つほどポイントが付与されるのだが、一つ前提として、AFCカップのポイントはACLポイントのきっちり1/3になる。
というのも最後の係数として1/3をかけるためで、それまでの算出方法は同じだ。
算出方法は以下のようになっている。
- 勝利すると3ポイント、ドローで1ポイント、敗戦で0ポイント
- ベスト16進出、準々決勝進出、準決勝進出、決勝進出するごとに3ポイント
- 予選ステージとプレーオフはカウントされない
- 1カ国から複数クラブが出場している場合は、平均するために割る
合算する
こうして算出した代表ポイントとクラブポイントの合算した値による順位が「AFC MAランキング」となる。
ランキングごとに与えられる出場枠は先ほど説明した通り。
日本の出場枠は?
日本は10月時点で何とか東地区2位に滑りこんで、グループリーグの出場枠「3」、プレーオフの出場枠「1」を確保している。
実は9月末まで「1位韓国、2位中国、3位日本」となっていて、かなりギリギリ掴み取った枠になっている。
代表ポイントの元となる、FIFAランキングで言うと日本は東地区で韓国についで2位。
クラブポイントに関しては、中国が日本よりも高くなっていたので、日本はどっちつかずという状態だった。
組み合わせ
ACLでの組み合わせも決定したので紹介したい。
また、日本の割り当ては2017年1月1日に行われる天皇杯決勝が終わるまでは決まらない。
それについて詳しくは後ほど紹介。
グループA (西地区)
- アル・アハリ・ドバイ (UAE)|
- PFCロコモティフ・プロヴディフ (ウズベキスタン)
- アル・タアーウンFC(サウジアラビア)
- プレーオフ勝者
グループB (西地区)
- エステグラル・フーゼスターンFC (イラン)
- アルジャジーラ (UAE)
- レフウィヤSC (カタール)
- プレーオフ勝者
グループC (西地区)
- アル・アハリ・ジッダ (サウジアラビア)
- ゾブ・アハン・エスファハーンFC (イラン)
- アル・アインFC (UAE)
- プレーオフ勝者
グループD (西地区)
- アル・ラーヤンSC (カタール)
- アル・ヒラル (サウジアラビア)
- ペルセポリスFC (イラン)
- プレーオフ勝者
グループE (東地区)
- 鹿島アントラーズ (日本)
- ムアントン・ユナイテッド (タイ)
- プレーオフ勝者
- プレーオフ勝者
グループF (東地区)
- FCソウル (韓国)
- 日本の2枠目のクラブ
- ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ (オーストラリア)
- プレーオフ勝者
グループG (東地区)
- 広州恒大 (中国)
- 水原三星 (韓国)
- 日本の3枠目のクラブ
- 東方FC (香港)
グループH (東地区)
- アデレード・ユナイテッド (オーストラリア)
- 江蘇蘇寧 (中国)
- 全北現代 (韓国)
- 日本が対戦するプレーオフ勝者
日本のグループリーグの枠
日本のクラブがどのグループに入るかについてだが、これは天皇杯の結果次第で変わってくる。
出場権を与えられたクラブにも優先度が与えられていて、その優先度の付け方はこのようになっている。
序列 | 条件 | 対象クラブ | 待遇 |
---|---|---|---|
1位 | Jリーグ年間王者 | 鹿島アントラーズ | グループE |
2位 | 天皇杯王者 | 未定 | グループF |
3位 | 年間2位 | 浦和レッズ | グループG |
4位 | 年間3位 | 川崎フロンターレ | プレーオフ |
しかし、ここでややこしいのが「鹿島 or 浦和 or 川崎」のいずれかのクラブが天皇杯で優勝した場合、そのクラブが優先的に2位に入り、4位にガンバ大阪が入ることになる。
もちろん1位の鹿島が優勝しても2位には下がらず、浦和か川崎が優勝すれば2位の序列になる。
現状、「鹿島が優勝した場合」「川崎フロンターレが優勝した場合」「それ以外」の3つのパターンが想定される。
日程
区分 | 日付 |
---|---|
プレーオフ | 2017年2月7日 |
グループステージ第1節 | 2017年2月21-22日 |
グループステージ第2節 | 2017年2月28日-3月1日 |
グループステージ第3節 | 2017年3月14-15日 |
グループステージ第4節 | 2017年4月11-12日 |
グループステージ第5節 | 2017年4月25-26日 |
グループステージ第6節 | 2017年5月9-10日 |
ラウンド16 | 2017年5月22-24日 2017年5月29-31日 |
準々決勝 | 2017年8月21-23日 2017年9月11-13日 |
準決勝 | 2017年9月25-27日 2017年10月16-18日 |
決勝 | 2017年11月18日 2017年11月25日 |
日本のAFC歴代成績
今回出場するクラブの歴代成績はこのようになっている。
鹿島アントラーズ
通算38戦20勝7敗11分
年度 | 結果 |
---|---|
2002-03 | グループリーグ敗退 |
2008 | ベスト8 |
2009 | ベスト8 |
2010 | ベスト8 |
2011 | ベスト8 |
2015 | グループリーグ敗退 |
浦和レッズ
年度 | 結果 |
---|---|
2007 | 優勝 |
2008 | ベスト4 |
2013 | グループリーグ敗退 |
2015 | グループリーグ敗退 |
2016 | ベスト16 |
川崎フロンターレ
年度 | 結果 |
---|---|
2007 | ベスト8 |
2009 | ベスト8 |
2010 | グループリーグ敗退 |
2014 | ベスト16 |