企業の予算立案や決算など、重責を担う会計や財務の責任者。仕事上のプレッシャーがかかるのは当然かもしれないが、他国と比べて日本の会計・財務責任者は最もストレスを感じている――。このような結果が米国の人材紹介会社、ロバート・ハーフ・インターナショナルの調査で出た。
日本の回答者の61%は「職場でストレスを感じたことがある」と回答。これは調査国の中で最も高く、平均の35%を大きく上回っていることから、ほかの国と比べ日本では職場のストレスが高いことがうかがえる。
職場のストレスの主な原因は、日本人の40%は「責任の増加」を挙げており、平均の30%を10ポイント上回った。2番目の理由としては、「長時間労働」「上司からのプレッシャー」「人材不足」がそれぞれ13%だった。
インターネットによる調査で、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア、香港、シンガポールなど17カ国在住の財務・会計の責任者5000人が回答した。調査時期は3月から4月。
ストレス解消法の1つに「休む」ことが挙げられるが、有給休暇を取得しているのだろうか。積極的に有給休暇やフレックスタイム制度を取得しやすい環境が整っているのか、と聞いたところ「年度中に有給休暇を完全消化できない」と回答したのは平均で55%。しかし日本人は85%にも達し、有給休暇の取得率が最も低いことが明らかになった。
なかなか有給休暇を取得できない理由として、日本人は「仕事の量が多すぎる」を挙げる人が最も多く47%、次いで「チームに迷惑をかけるから」(27%)。またフレックスタイム制度については、「すでに導入済み」と回答したのは平均で47%だったが、日本は28%と調査国で最低だった。
同社でマネージング・ディレクターをしているデイビッド・プライス氏は「日本では仕事の責任増加、長時間労働、人材不足、上司からのプレッシャーが複合的にストレスを強める要因となっている。また有給休暇を取りにくい理由として、チームに迷惑をかけたくないという責任感の強さもある。有給休暇の取得推進やフレックスタイム制度を導入するなど、柔軟な働き方を確保し、創造力や働く意欲を高める職場環境を作ることが必要ではないか」としている。
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