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居酒屋「夜雀」 第1話 作者:水道水
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第1話 現実入り

思いつきで書いたので、原作設定や文章が崩壊している気がします。ご注意下さい。

その妖怪には夢があった。
それは、「人里に店を構えること」
彼女はそんな夢を持って屋台を出している。
料理の腕はそこまででは無い。実際、屋台ではお酒とつまみしか出ない。

そこで彼女はスキマ妖怪にお願いして、この異世界で修行する事にした。
「お願いです!どうか、どうか、料理の修行の為に異世界の居酒屋に送って下さい!」
「…あきれた。エリアを絞って、どの場所にどの期間居るのかちゃんと伝えて。じゃないと送ってあげられないわ。」

と、言う訳で、事項をまとめた紙を見せた。
「ええっと、東京?あんたバカじゃ無いの?あそこはあなたには危険ばかりよ。」
「えっ、じゃあ、何処なら良いんですか?」
「うーん… あ、ここはどう?」
「良い居酒屋があるんですか?」
「いや、まだ発展途上で出来たばっかりでしかも店主が新米でほぼ何も分かってない居酒屋ならあるわよ。」
「えぇ…」
「でも、そこで働いてみたら意外と基礎から学べるかもしれないわよ?」

そんな訳で、今その店の前にいます。
まだ開いてないので、待っています。
洋服はこの世界に合うものにされて、羽は魔法で無くなっています。
鞄の中にはお金と替えの服が入っています。けれど、耳はそのままです。

あ、私の名前はミスティア・ローレライです。

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「はぁ…人が来ない…。しかも店員募集してるのに誰一人来ない…。 もう店閉めようかな…」
車道沿い、隣は崖。そんなド田舎の歩道を歩いている。
彼の(アパート)から居酒屋までは徒歩15分。
彼はその例の居酒屋を経営している。
年齢は26歳。
大学は出たものの就職出来ず、無職になるのは嫌なので自棄になって居酒屋を始めたそうだ。
そんな店の未来を想像してため息をついて居ると、店に着いた。しかもなんか女の人がいる。

「あの… お客さん?」
「…あ、いえ、就職しに来ました。」

「(え?こんな子が?まだ中学…高校位じゃ無いの?)」
「えっと…まだ…その…学生…だよね?」
「(学生?多分違うな。)」
「いえ、違いますよ。」
「(え?でも背が低い人だっているしなぁ… 年齢、聞けば分かるかな?)」
「あの…お年は?」
「…分からないです。」
「(え?あと耳が… 人…ではない?)」
「な、何者なんです…か?」
「…ただ単に居酒屋を学びに来た、妖怪です。」

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その日、面接が始まった。
「まず、お年はいくつですか?」
「分からないですが、成人はしてます。多分。」
「お名前は?」
「ミスティア・ローレライです。」
「では、何故この店に?」
「居酒屋の料理や仕事を学びたいからです。」
「最後に、この店をどうしたいですか?」
「ぜひとも人気店にしたいです!」
「採用。」

よく分からないけど採用しちゃった。でもまあ一人で営むよりはもう一人いた方が良いよね。うん。

「あ、そうだ、別にタメ口でも良いよ。僕のことは『店主』って呼んでね。」
「分かりました!」

-----

1日目の初出勤。店まで30分のアパートを紫が借りてくれていた様だ。
「よし、行こうかな。」

玄関で靴を履く
鏡で身だしなみをチェック
ドアを開ける
階段を降りる
自転車にまたがる

店に着いた。
「あ、おはよう。えっと、まず店始まるの、夜の6時からだからね。」
「えぇーっ?じゃあ来てもダメじゃ無いですか?」
「でも、朝は仕込みをしたり、在庫を確認・仕入れたり。あ、今日は酒屋さんから日本酒とビールを仕入れて来て、はい、伝票。よろしくね。」
「あ、ハイ。」

車?の鍵と伝票を渡された。しかし運転出来ない。どうしよう…

「あ、もしもし、紫さん?なんか車って言うのを使ってお酒を仕入れないといけないんですけど、これどうやるんですか?」
「あー… それはそれは。あなたには無理ね。本当はそれを使うには免許証って言うのを持っていないといけないのだけれど、取るのに何カ月もかかるわ。スキマを店の裏に作るから、そこ経由して行きなさい。」

店の裏に回る。
「あ、もう出来てる。」

スキマに入る。そして出る。
「もう着いたみたい。」

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「おーお嬢ちゃん、どうしたんだい?」
「えっと、これ、お願い出来ますか?」
「あぁー。待ってな直ぐ出してくるよ。」
「あ、はい。」

棚にいろんな酒瓶が並んでいる。

「お待たせ。これで良いかな?」
「ええ、多分。」

「重いから気を付けて運びなよ」
「はい。」

う… 重っ。

スキマを通る。
「て、店主… 持って来ましたぁ… …重っ」
「大丈夫?入り口から入って来なくても勝手口があるのに…」
「ど、どこに置けば良いんですかぁ…」
「あーもうそこで良いよ。」

まだ入ったばかりだから仕方ないな。彼女は居酒屋を学びたいって言うし、良い手本にならなきゃな…

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夜になった。
「看板、電気つけといてね。」
「はーい。」

カチリ

一時間が経った。
「…だーれも来ないですね。」
「…ああ、外も車が来ない。」

三時間が経った。
「…赤字…ですか?」
「もちろんさぁ」

五時間が経った。
カランカラン
「いらっしゃいませぇー」
「あれ、今日は一人じゃ無いの?」
「ええ、新人を雇いまして。」
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「ええと、じゃあ、日本酒と枝豆を頼むよ。」

「お待たせ致しました。日本酒と枝豆でございます。」

「ゴクッ…ゴクッ… ッはぁ、んまい!、あ、メニューの焼き鳥頼める?」
「えー!?ちょっと店主焼き鳥って酷いですよ?私鳥の妖怪なのに…」
「え、妖怪?」
「いやぁー色々と事情がありまして…ハハ…」
「妖怪が女将やってんのかぁー…面白い、じゃあ、そうだなぁ、この定食にしようかな。」
「かしこまりました!」

「君、作れる?今手が離せなくて。」
「ええ、大丈夫ですよー。」

ええと、煮物に紅鮭、白米味噌汁漬物…

野菜を一口大に切って火の通りにくい物から放り込む
隣にも野菜を
鮭をグリルに入れる
釜にご飯を

…しばらくすると料理が完成した。
「定食になります。」

「おっ、どれどれ」
煮物を口に運ぶ
食感がよい、味付けも濃くない
鮭はどうだろう
風味がしっかり生きている
米を頬張る
艶やかでふっくらしている
味噌汁で流し込む
塩っぱくないし具も美味しい

気が付いたら食べ終わっていた
「ふぅーっ、美味かった。」
「食器、お下げしますね。」
「ああ、頼むよ、そうだ、お勘定!」

客はかなり満足して帰ったようだ。

「どうだった?初仕事、分かった?」
「いやぁ、やっぱり基本は料理…なんですかね。」
「まあ、不味いよりはマシだし… あ、夕飯食べてく?賄い料理だけど。」
「もちろん!」

その日は店でご飯を食べて帰った。
まだ道のりは長いがまあプロになってやる。

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