北林晃治
2016年12月13日20時12分
つらい嘔吐(おうと)や下痢が続くノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行している。例年より早く流行が本格化しており、首都圏などでは警報レベルを超えた。子どもや高齢者は重症化することもあり、注意が必要だ。感染しないために家庭でできることとは。もしなってしまってたらどうしたらいいのか。専門家に対策を聞いた。
済生会横浜市東部病院の十河剛(そごうつよし)・小児肝臓消化器科副部長は「絶対感染しないための対策というのは難しいが、有効なのは手洗い」と話す。外出から帰った時やトイレの後、調理する前など、こまめに手洗いをすることが重要だという。手洗いの際には注意も必要だ。消毒用のエタノールは、ノロウイルスには効果がないと言われている。
手のひらや甲、指先や指の間や付け根、手首をせっけんを使って泡立て、水でしっかり洗い流す。
このほかに注意すべき点について、十河さんに場面別にまとめてもらった。
■食事 よく加熱し、取り箸やトング活用
寒いこの季節、家族で食卓を囲んで鍋などの料理をつまむことも多いが、キッチンや食事をするダイニングが感染の場になることもある。
ノロウイルスは二枚貝などの魚介類にも含まれることがあり、加熱が不十分な場合に食中毒になることもある。ウイルスは一般的に熱に弱いので、加熱処理をすることで食中毒を防ぐことができる。中心部まで火を通すため、85~90度になるように十分加熱する必要があるという。
ウイルスは唾液(だえき)の中にも含まれるため、家族で食卓を囲んで食事をするときも注意が必要だ。食べる際に使う箸(はし)を使って皿から料理を取り分ける「じかばし」は避けて、とりわけ専用の箸やトングを使うといい。ノロウイルスは乾燥すると舞い上がる。料理を盛り付ける前に皿を一度洗っておくのも効果的だ。
■トイレ 流すときはふた閉め、手ふきのタオルは共有しない
トイレも感染の危険性が高い場…
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朝日新聞社会部