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産婦人科、死亡3件に 医師「過失ない」

 愛媛県今治市の産婦人科診療所で2009年以降、出産直後に2件の死亡事案を含む4件の重大事故が起きていた問題で、それ以前にも同診療所で子宮筋腫の手術を受けた高齢女性が大量出血する事案が2件あり、うち1件では当時60代の女性が死亡していたことが12日、分かった。診療所の医師が毎日新聞の取材に明らかにした。

 診療所の50代の男性医師によると、大量出血事案は05年と08年に発生。05年には高齢女性が一時重体となったが、総合病院に搬送されて一命を取り留めた。08年には当時60代の女性が死亡し、警察に届け出られたが、遺族と示談が成立し、刑事責任は問われなかったという。

 日本産婦人科医会は11日、極めて確率が低い分娩(ぶんべん)の前後の死亡事故がこの診療所で3年間で2件相次ぐなどしたとして、幹部らによる異例の立ち入り調査を実施したが、高齢女性の事案2件については、カルテが残っていないことなどから調査対象にならなかった。医師は現在、婦人科の手術を行っていないという。

 出産の際に重大事故が相次いだことについて、医師は「やれるだけのことはやったという自信はあり、過失はなかった」との見解を示したうえで、「ここでやれることだけでは間に合わなかった。初めから総合病院に搬送していれば、という後悔はある」と述べた。

 医会が重大事故だと認定した4件のうちの1件の女性の家族は毎日新聞の取材に対し、「二度と同じような重大事故が起こらないように、産婦人科医会などが問題の医師をしっかり指導・教育し、お産に関わる事故で、女性やその家族がこれ以上、悲しむことがないように、切に願っています」とのコメントを寄せた。【黒川優、江刺正嘉】

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