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プロローグ〝仮初めの世界に一匹の狼〟
(ちょっと厨二くさい物語ですが、気を悪くしないで欲しいです。この作品は二次創作です。)
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ああ、この幻想郷に入ってからどのくらい立つのだろう…別にココが嫌いなワケじゃない、むしろ結構好んでいる。こんな生活も悪くない、ただちょっと平和すぎる。
少し話をしよう。俺がココに入った理由を…
俺はなにかと暴力することが多かった。ヤンキーとかヤクザとか、そういうモノではない。少し次元を超えてしまった「力」を持っているのである。
俺のいる世界は、戦争が突発的に起こる、いわゆる「戦争国」だ。といっても世界中が、だがな。
そんな俺は今日も沢山の猛者にケンカを振っていた。ま、俺の「力」で一瞬でカタがついたケド。雑魚どもは尻尾を巻いて逃げて行きやがった…ちっ、面白くねぇな
俺の「力」は使用すると体力を消耗する、という設定になっている←面倒だ
…っと、逃げて行った奴らが何か落として行ったようだ。
…なんだこれ?黒と白の混ざった球体?ワケわかんねぇ…まぁ爆弾ではなさそうだし、持っておこう…と懐に入れようとした時、
…ぐわっ!(ズズズ…
いきなり例の球体が大きくなって、人が入れるほどの扉に変わった。並みの人間なら、すぐに逃げ出していたところだろう…
だが、この男は違った。
「面白ぇ…!」(キラキラ
ただの馬鹿である。
知っていた。周りに人がいようならば全員そう思っていただろう。
その男(馬鹿)は躊躇なく扉に手をかけ、軽々と開く。男は扉の中に入ると、扉は瞬く間に消え、人の気配をなくした…。
その扉の向こうは何もなかった。真っ白、無世界、漫画で背景を描かない手抜き作業←のようだ
「なんだか漫画みたいな展開だなw」←
と呑気なことを言っていると、「…っ!」いきなり足下の真っ白な地面が、空気のように消えた。(真っ白なのに消えたとわかるのは描写的にどうだろう)俺の体は重力に逆らえず、一瞬で立っていた場所から落ちてしまった。
「うおおおおおぉぉぉあああっ!?」
と、落ちていく先に真っ白な世界が所々緑色に見えてきた。森のようだ。
このまま落ちれば良くて骨折か気絶、悪くて死、といったところだろう。
だが、こんな時でも慌てず騒がず冷静に、
「うらぁっ!」(ブンッ
どぉぉぉん…ピーピー
例の「力」を使って、森に直径30mほどの穴をあけ、空気中の衝撃で体を浮かせた。冷静じゃない?気にするな。
なんとか無傷で森(大穴)の中に降り立ったが、
「何処だ…ココ…」
見覚えのない場所だ。ちなみに俺は記憶力がいいほうである。途方に暮れているヒマはないと悟り、探索に向かおうとすると、
「うっひゃーぁ!これはまた随分と派手な奴が入って来たなぁ!」
空から女の子の声が聞こえてきた。は?空から?いや、幻聴だろうとそのままスルーしていくと、
「おいっ!そこのお前さん、あんたが今この穴を空けたのぜ?ちょっ、聞いてる?」
「あぁ?」
幻聴じゃなかった、と振り返ってみると、そこには大きなとんがり帽子をかぶり、箒に乗って空から降りてきた金髪の少女がいた。
「おい…今どうやって飛んできたんだ…?」
「うーむ、此処等でみる顔じゃないし、服だって変だ。やっぱりお前…」
「人の話をきけや」
こいつ俺の質問を無視したぞ…一見ただの金髪少女にしか見えないが…
「お、自己紹介を忘れたな。私の名前は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだっ!」
「魔法使い?あるわけないだろう。普通も何もあるか」
「でもあんただって空から墜ちたとき、地面に大穴空けて着地しただろ?私は見ていたのぜ」
「……」
確かに人に言えることじゃないな、と自重する。
そんなことは置いといて、今一番知りたいことを聞いてみることに。
「地面に穴を空けることが、そんなことかよ…」
「それよりも、だ。一体ココは何処なんだ?どうして俺は空から墜ちてきたんだ?」
「おやっ何も知らないのか?じゃあ、説明してやるからついてこいよ」
といって箒に跨がる魔理沙。おいおい待て待て。
「ん?どうしたのぜ?」
「どうやってついていけばいいんだ?」
「飛べるだろ?」
「飛べねぇよ!出来たら地面に大穴空けてねぇよ」
「それもそうか…じゃあ後ろに乗れよ」
「はぁ?」
何を言っているのだね?この自称魔法使いは。
「ほれ、色々と知りたいことがあるんだろ?」
「……ちっ」(ザッ
まぁ歩くのは面倒だから乗るか…
「よし、じゃあ行くぜー!」(ギュン!
「うおっ!」(ガシッ
「ひゃんっ!」(ビクリ
…本当に空を飛んだ。どうやらこいつが魔法使いなのは間違いないようだ。しかし、空から下界を見てみると、地面近くの大半は濃い霧で覆われていた。
「……なんだ?」
妙な胸騒ぎがした。今まで感じて来たものとは違う、もっとこう…わかんねぇや。
「さ、さあ着いたのぜ…」(ハァハァ…
「…おいどうした、顔が赤いぞ?頑張りすぎたか?」
「いや、なんでもないのぜ…」
…?まぁいいか。っとここは…神社か?鳥居もあるし…名前は「博麗神社」と書いてある。やっぱり聞いたことがない。
「おい、ここはなんだ?」
「今説明してやるよ、おーい!霊夢ぅー!」
誰かを呼んでいるようだった。十数秒待つと、
「何よ、うるさいわね。まぁ何時ものことだけど。…あら、そっちの男の人は?彼氏?」
「ち、違うのぜ!///とりあえず話を聞いてくれ」
神社の奥のほうから、巫女装束を纏った女の人が現れた。なかなかの美人ではあった。
~少女事情説明中~
「と言うことなんだぜ」
「なるほど、つまりは幻想入りしたってことね」
「幻想入り?」
俺は聞き返した。全く意味不であった。自慢じゃないが、物事を理解するのには人一倍疎いのである。
「そう、何らかの影響で別世界からこの世界に転移することを言うわね。他にもあなたみたいな人達がいるわ。最も、そんな『力』を持つ人は少ないけど…」
「お、おう。なるほど?」
「なんで疑問系になるのだぜ…」
仕方がない、理解出来ないからだ。しかし話を聞くところ、俺みたいに〝幻想入り〟した奴らが人里とかいう場所にいるらしい。まずはそいつらに話を聞いてみようか。
「なぁ、人里って何処にあるんだ?案内してくれ」
「そうしてあげたいんだけどね…ちょっと人里で〝異変〟が起こっているらしいから、むやみに近づかないほうが良いわ」
「〝異変〟?なんじゃそりゃ」
「要するに、怪奇現象みたいなものよ。主に妖怪が起こしているわね」
ちょっと、いや、かなり興味が湧いた。今まで自分が住んできた世界とは全く違う展開に心が踊る。
「よしっ!連れて行ってくれ。今すぐに、なうだ」
「だから、危険だって言っているでしょ。理解しなさい南瓜頭」
「失礼な。俺はただお前らの力になりたいだけだ」(瞳らんらん
「その目で言われても、説得力がないのぜ…」
魔理沙がツッコミをいれるが、気にしない。すぐにでも教えて貰わなければ…
十数分の激闘(口論)の末、
「…はぁ、わかったわよ。ついてくるだけだからね?怪我などは自己責任で」
「わかってるってw」
「wつけるなよ」
またも移動することに…霊夢は飛べるらしいので、また魔理沙の箒の後ろに乗せてもらう。さっきよりは速度を落として。
数分後…
「ここが人里よ。って凄い事になっているわね…!」
「あちゃーこれは…」
霊夢と魔理沙は絶句する。それはそうだろう、里の真ん中で長い鞭のような手をした〝妖怪〟がいたからだ。言葉ではいい表しにくい姿をしている。強いて言うならタコだろうか…
「これじゃあ迂闊に近寄れないわ…ねぇ魔理沙」「どうしたんだぜ?」「囮になりなさい」「ゑ?」「あんたが奴を引き付けている間に私が後ろから…」「嫌だぜ!しかもあいつ、後ろにも目がついているのぜ」「あ…」
どうやら厄介な相手そうだ。そもそも妖怪ってやつがどれくらい強いかは知らないが…
「…とりあえず、遠距離攻撃でも仕掛けてみますか」
「わかったのぜ!」
といって、霊夢はお札と黒白の球体を出す。ん?あの球体、どこかで見たことあるような…と霊夢はお札と球体を相手に向かって飛ばしはじめる。魔理沙は周りの瓦礫や物を浮かせて、それも飛ばす。…ホントにこいつら何者なんだ…?
キィン!
「おいおい、弾かれたぞ!」
「厄介ね…これ以上速く飛ばせないし、接近は出来ないし…」
どうやらお困りのご様子である。…ここは一つ、手を貸してみよう。
「なぁ、ちょっとその黒白球体を貸してくれないか?」
「ん、これ?これは陰陽玉というのよ。霊力が入っている…どうするの?」
「こうするん…だっ!」
と言って俺は受け取った陰陽玉を妖怪に向かって投げる。ビュンッと音を立てて奴の胴体に向かって加速する。『…っ!』二人は絶句していたが、まだ時速500kmといったところだ。本気を出せばまだまだ速くなる。
そのまま陰陽玉は空気中の摩擦熱を帯びて妖怪を貫通する。大概の物は燃え尽きるのだが、さすが霊力の籠った陰陽玉、形を保っていた。
シュウゥゥゥ…
「妖怪が…消滅した…のぜ…」
「…あんた、一体何者なの…?」
名前を聞かれた。そう言えば、まだ名乗ってなかったな…
「俺は…四神爆邪、17歳、周りからは『闇狼』って呼ばれるが何の変鉄のない人間だ」
「いや、何もないのは絶対ないだろう」
…突っ込まれた。これが最後のオチである。
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《登場人物》
・四神爆邪
別名:闇狼
なんらかの拍子で幻想入りした、まだ成人にも満たない少年。口が荒く、人に喧嘩をよく買われるが、根はそれなりに優しい。戦闘になると性格が狂う時がある。
能力はまだ判明していないが、馬鹿力の持ち主。
・博麗霊夢
幻想郷の博麗神社に住む巫女。美人ではあるが、性格が悪い(とも言い切れない)。頼まれごとは面倒だからしたくない主義だが、自分に利があることなら徹底的に行う性格をしている。
・霧雨魔理沙
自称普通の魔法使い、と名乗る金髪ロン毛少女。空を飛ぶときは箒を使うが調子にのると制御が効かなくなる。家は「霧雨魔法店」という個人営業をしている。主にキノコが好物である。
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色々突っ込みたい所があるかもしれませんが、ご了承ください。
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