ソウル市松坡区に住む小学6年生のキム・ユンフ君(仮名)は、冬休みが始まる12月末から4週間にわたって京畿道華城市にある「勉強キャンプ」に入所することにした。英語を学ぶ「英語キャンプ」と名前が似ているものの、実際には寄宿舎を伴った学習塾だ。学習塾で決められた日課に従って勉強し、日課が終われば塾の教室から歩いて1分の所にある寄宿舎で床に就く。
キム君はこのキャンプで寝る時間と食事する時間を除いて1日13時間以上も勉強にエネルギーを消耗しなければならない。学習塾の授業料は4週間で宿泊費と受講料などを合わせて260万ウォン(約25万円)と決して安くはないが、すでに今年10月に定員を満たしている。キム君の母親は「息子が中学校に入学する前に一人で勉強する習慣を身に付けることが大切と思い、先月早々に申し込んだ」と話す。
大学入試では、対象のほとんどが浪人生だった寄宿舎付きの私設学習塾が、「勉強キャンプ」という看板を掲げ、中高生だけではなく小学校高学年にまで対象領域を拡大している。仁川市江華郡にある勉強キャンプは「1日14時間ひたすら勉強できる」と宣伝し、中学生の父兄の間でうわさとなった。生徒たちは、勉強キャンプに入所する時から、携帯電話など学習塾が決めた禁止物品を提出しなければならない。今年の夏休みに勉強キャンプに参加した中学生のチョンさん(14)=女子=は「午前6時に起きて夜11時30分まで勉強したが、お尻にあせもが出るくらいだった。計画表には30分単位で勉強しなければならない分量を書き込み、スケジュールを厳密に管理した」と振り返る。
勉強キャンプはソウルには存在せず、そのほとんどが仁川や京畿地域にある。ソウル市教育庁が学習塾の営業時間を夜10時までと制限しているためだ。しかし、勉強キャンプに寄せられる問い合わせのそのほとんどが、ソウル市江南地域からのものだという。江南、瑞草、松坡に住む父兄専用のオンラインコミュニティーには「冬休みの勉強キャンプはどこがいいでしょうか」といった問い合わせが絶えず掲載されている。しかし、当の生徒たちはスパルタ式で運営される勉強キャンプに拒否感を抱くケースが少なくない。