「声優のアイコ」、公判中につぶやき警備員に制止される

2016年12月12日17時42分  スポーツ報知

 「声優のアイコ」を名乗り、睡眠薬が入った酒を男性に飲ませ、金品を奪ったとして、5件の昏睡強盗罪などに問われた東京都杉並区の無職・神いっき被告(32)の公判が12日、東京地裁(石井俊和裁判長)で開かれ、弁護側の証人として神被告の精神鑑定を行った精神科医が出廷した。精神科医は、神被告が犯行当時、解離性同一障害であったとの見解を述べ「(障害が)深刻な影響を与えたと思う。(主人格ではない)いくつかの人格の中の一つが犯行を起こした」と障害についての酌量を求めた。

 この日、神被告はエンジ色のトレーナーに黒のジャージー姿で出廷。髪の一部を後ろで束ねていた。約2時間の公判の間、終始落ち着かず、笑いを浮かべたり、自分の髪の毛をいじくるなどの仕草を繰り返していた。何かをつぶやき、警備員に制止される場面もあった。

 起訴状によると、神被告は犯行当時、女装をし、街中で声を掛けてきた男性に睡眠薬入りの酒を飲ませ、意識をもうろうとさせた上で、財布や高級腕時計などを奪う犯行を繰り返していたとされる。

 精神科医は神被告と今年5月27日から6月10日までに間、東京拘置所で4回、診断面接を行ったという。精神科医の証言によると、神被告には「ゲンキ」「ミサキ」「コウジ」などと自称する別人格があり、診断面接の際には「ゲンキ」の人格となって一連の犯行は「ミサキ」によるものだと説明したという。

 神被告は戸籍上は女性だが、性同一性障害を抱えているとされている。精神科医は、母親からは「女の子らしくするように」と言われ、父親からは暴力をふるわれたという神被告の成育過程に触れ「(障害に)影響している可能性が高いと思う」「成育環境の犠牲者という見方もできる」と指摘。「(神被告の中の)それぞれの人格が異なる責任能力を持っているので(神被告自身の責任能力は)ないと判断せざるを得ない。犯行は(主人格が)眠っている間に起きるからです」と証言した。

 精神科医は弁護側から「今(法廷での)神被告はどのような状態だと思いますか」と尋ねられると「『ゲンキ』くんの状態だと思います」と回答。

 10月31日の前回公判では、検察側証人として別の精神科医が出廷し、別人格による犯行との主張について「逮捕後になって作り上げたストーリーの可能性が高い」と否定する見解を示している。

 年明けに予定される次回公判では、被告人質問が行われる予定。

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