10年先を考えて、やるべきことをやる
「攻め」の姿勢で未来を模索する
ネットの影響や生活者の価値観の変化から縮小を続ける百貨店業界。未来を予測すると、自社の変革を急がなければならないが、足下の現業の立て直しも求められる。業界構造が崩れつつある中で、果敢に新しい取り組みに挑戦するのが、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長である。前年割れが続いても、10年先を見据えた取り組みには手を緩めない。不確実な未来に対し「攻め」の姿勢を崩さない、その経営哲学を聞く。
『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2017年1月号より1週間の期間限定でお届けする。
本業の立て直しか
未来への布石か
三越伊勢丹ホールディングス 代表取締役社長執行役員
1955年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。1979年伊勢丹入社。2003年には、伊勢丹新宿本店の「メンズ館」のリモデルを成功させる。2012年より現職。
編集部(以下色文字):経営における意思決定は、未来予測の成否に左右されると言っても過言ではないと思います。大西さんは未来への変化をつかむために、何を心がけていらっしゃいますか。
大西(以下略):変化の激しい時代、未来を予測するのは困難が伴います。未来をどのタームで見るかについても議論があるところです。私の場合は、5年、10年というタームで未来を考えるようにしています。新聞、雑誌などを通じて世の中にあふれる情報を独自のフィルターを通じて集め、あるいはさまざまな人に会って話を聞き、自分なりに未来を想定するという方法です。特に、せっかく人に会っても現状ばかり語ったり、過去の栄光に思いを馳せたりする時間はもったいないので、未来を語ることができる人と会うことを心がけています。
そのうえで重要なのは、みずから想定した未来に対して、いま、何をすべきかということに思考をめぐらすことです。もちろん、未来像を考えたうえで決めたアクションが、なかなか動き出さないこともあります。5年後、10年後に成果を出すには、もう手を打っておかないと手遅れになる。その打ち手が正しいか誤っているかに拘泥するよりも、未来に向かうムーブメントを起こすことが重要なのです。
日々の問題を解決する中で、おのずと未来が見えてくるという考え方もあります。
日々の問題と未来像はまったくの別物です。現在の延長線上に未来はないと思っています。5年後、10年後に、あの時の布石がいまの会社の繁栄を築いていると言ってもらえることが重要だと思っています。
百貨店の業績は短期的な需要に左右されがちです。売上げが下がると、差し迫った目の前のことに対処しなければならないというジレンマはありませんか。
百貨店、あるいは小売業である限り、それは避けて通れません。そのため、自分の中で時間の区分けをするようにしています。水曜日と土曜日には必ず店頭を歩きますが、その時は「現状の把握」に絞っています。営業数字は毎日見ますが、店頭のスタイリスト(販売員)と話すことで、数字からは見えない課題が見つかることもあるからです。自分が想像していた短期的な課題が現場で確認できることもあるので、それらを短期的な意思決定に活かしています。
それに対して、夜の時間は自分にとっての勉強のために使っています。未来を想像したり創造したりするうえでのヒントがないか。最近は特にその点について強く意識するようになりました。
対前年比にこだわるより
大事なことは
2016年1月2日には一部店舗を休業日とし、新年は3日からの営業とされました。四半期、1年という短期的なタームで見るとマイナスですが、5年、10年というタームで考えるとプラスに働くという理由による意思決定だったのでしょうか。
おっしゃる通りです。1つの要因は、従来型の行動や習慣が通用しなくなれば、それを変えていかなければならないからです。百貨店の凋落の要因は、目先の売上げ、対前年比アップに拘泥しすぎたからだと思っています。それがわかっているのですから、断ち切らなければならないのは明らかです。
もう1つの要因は、三越伊勢丹グループで働いているすべての人が同時に休める日がなくなったので、1月2日の休みは、働いている人にとって絶対にいいはずだという思いがあったからです。もちろん個人の自由ですが、お正月は家族で楽しんでいただきたい。
時代が変化してきているので、必ずしもそれを押し付けるつもりはありませんが、少なくとも小売業がお店を開けてしまうと、お客様も「お越しいただいて」しまいます。開いていなければ、ご来店いただくこともありません。この決断は、小売業からお客様へのご提案でもあるのです。
さらに、当社の従業員はもちろん、お取組先(取引先)の地方出身の方々が、お正月に帰省できないという現実がありました。ワークライフバランスが問われている中で、はたしてこれでいいのか。百貨店の働き方は、社会的にも重要な意味を持ちます。1月2日の店舗休業は、それにつながる流れとしての意思決定でもあったのです。
先ほど「対前年比」とおっしゃいましたが、百貨店業界は対前年比が下落し続けています。そのような状況でも、将来を見越した施策を打つんですね。
けっして余裕があるわけではありません。全員に危機感を持ってもらいたいという思いがあるのです。今期の上半期の実績で、利益は半減しています。
その状態が続くと、危機感を持つ若い従業員たちがメールやLINEで「うちの会社はこんなに悪いのですか」「百貨店はこれしか黒字が出ないのですか」「大変ですが頑張ります」と送ってきます。
逆説的ですが、社員が危機意識を持っているうちは、会社として生き残れると思います。会社がなくなってしまう瀬戸際であれば未来どころの話ではありませんが、会社が生き残っていけるのであれば、トップマネジメントは未来のための布石を打つことに軸足を置くべきだと考えています。
もちろん、足下のことも大事です。それでも、5年後、10年後の未来像に対してトップマネジメントが何をするかが問われているのではないでしょうか。
常識的に考えて、10年後に大西さんが社長をやられている可能性は低い。しかも10年後の三越伊勢丹は、百貨店ではなくなっているかもしれません。
もちろん、私は社長をやっていないでしょう。そうだとしても、現状から見た10年後の未来像として、百貨店事業が6割、その他の事業が4割というポートフォリオになっていないと生き残れないと言っています。可能性としては、首都圏の3つの店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)以外は新たな店舗モデルが展開しているかもしれない。周囲から「三越伊勢丹グループは百貨店だったのか」と言われるぐらいになっていないと厳しいと思います。
小売業をはじめとするサービス産業の生産性の低さは、人件費が主な要因です。そこには、おもてなしやサービスが有料化されていない日本独自の商習慣があります。そうした状況が続けば、やがてサービスの担い手はロボットやAIに変わっていくでしょう。これによって生産性向上は実現できるでしょうが、おもてなしという人と人とのつながりや絆がなくなってしまう。これは、私たちにとって望むところではありません。
そうは言っても、私たちの意思に反して事態が進行しているのも厳然たる事実です。そうした未来がやって来た時にどうすればいいか。常に考えておかなければなりません。
考えられる道の1つとしては、富裕層のお客様にフォーカスするということです。消費の落ち込みによって小売業界そのものは厳しい状況ですが、富裕層のお客様からは、モノからコトのニーズにシフトしたさまざまなご要望が寄せられることから、活発な需要があるこの層をメインターゲットとする小売業の形はどのようなものか。そう考えると、いまのような「場所」はほとんど必要なくなるかもしれません。形態が変わった「拠点」としての百貨店が残っていくと思っています。
形態は変わっても残る「未来の百貨店」は、どのようなものになるとお考えなのですか。
地方における富裕層の割合はかなり高い水準です。これからは地方を中心に、富裕層を対象とした外商が中心になっていくことが、1つの仮説として挙げられます。その時、従来のような店舗ではなく、拠点となる駅の前に外商のお客様が集まれる場所があるべきです。そこには商品は何も置かれていません。バーチャルで体感できるブースが用意されていて、お客様にはそれを見ながら商品を買っていただくのです。これは十分ありうる未来像ですし、近い将来には現実化していると思います。
それと似たような構図が、首都圏でも形成されていくでしょう。学生時代に地方から都会に出てくるという流れはこれからも続くでしょうし、その人たちが首都圏に残って仕事をするので、首都圏集中型は崩れていかないはずです。むしろその流れによって首都圏に住む富裕層はますます増えていくので、それを取り込むことが重要なミッションになっていくでしょう。その意味で、店舗の大きさや数はともかく、首都圏に店舗を構えておく意義もそれなりにあると考えています。
未来を拓くのは
視野の広い人材
変わりゆく未来に備えて、従業員に求められるスキルや能力も変わってきますか。
もちろんです。ただし、それぞれの階層で異なると思います。店頭でお客様と直接向き合うスタイリストは、さらに特別な知識が求められるようになっていくでしょう。さまざまな経験を背景にした接客やおもてなしをしないと、お客様にご納得いただけないからです。しかし、スタイリストは多くの経験を積むだけの給与水準ではありません。給与体系や働く条件を改善する必要があります。そのためには、誰にでもできる業務はAIやITを使って生産性を上げ、スタイリストにしかできない仕事に集中させていくことが必要になっていきます。
中間管理職は、視野を広げることが求められます。これだけ世の中の変化が激しい中、未来を見据えるうえで視野の狭さは致命的です。私はこの数年「もっと外に出なさい」「人に会いなさい」「組織の縦割りをなくしなさい」と言い続けました。でも現実にはそれが十分に行われているとは思えません。これからを担う若い中間管理職は、将来にわたって大きな波を起こせる人材に育ってもらいたいので、今後は、私自身がダイレクトに指導する機会をつくらなければならないという認識を持つようになりました。
百貨店の方の視野が狭いというのは意外です。あらゆるモノを扱っていて、商品知識は豊富。しかも、消費の現場に近いところに身を置いていて、消費者がいま、どのようなニーズを持っているかに精通している人の集まりというイメージがあります。
日々お客様に向き合っている優秀なスタイリストは、お客様のことを深く考えています。それに加えて、会社の現状の課題、会社としてどうあるべきか、接客業の意味、百貨店の存在意義など、経営に近いことを考え、語ることができます。
つまり優秀なスタイリストは、経営者に近い発想で動いているのです。その理由としては、個人として高い志を持ち、懸命に自分を鍛えていることも挙げられます。でも、お客様と向き合うためにさまざまな情報に触れ、人に会い、語り、深く考えていることのほうが大きいのです。スタイリストとしての業務遂行能力を高めることより、いろいろな人に会って話す機会を持つことが、彼らの能力を高める重要なポイントになっているのだと思います。
現場でお客様と話をしなくなると、その機会が失われることによって視野が狭くなっていくのでしょう。さまざまな体験を通じて多様なものに触れていかないと、未来を見通す力を培うことはできません。最終的には、会社としていろいろな人に会う機会、経験をする機会、自分の意見を言う機会にあふれる風土をつくらなければならないと考えています。
従来の連続的な時代であれば、外部との接触がなくても一定の未来が見えましたが、現在のような非連続の時代は、もっと視野を広げなければ生き残れないということですか。
それは間違いないと思います。人として最も大事なのは人間性と人間力。これは普遍的に変わらないことです。どんなに優秀でも、どんなに仕事ができても、人間力、人間性がないと、人の立場に立って物事を考えられないからです。小売業である以上、人の立場に立てなければ未来を見ることは不可能です。
加えて、どれだけ自分の視野を広げる努力をしているか。何に努力をするかは人それぞれですが、みずから動いて努力をし続けることが、未来を見通す力をつけることにつながると思います。
そのことは、会社像にもいえるのではないでしょうか。御社の競合を他の百貨店だけに設定するのはいかにも視野が狭い。いまはアマゾンやヤフー、グーグルも競合になる時代です。
まったくその通りです。新たな競合先のことを知らなければなりません。そのためには自分でその会社に行って、そこの社長と話せばいい。それが無理だとしても、その会社を自分の目で見て雰囲気を知るだけでも、自社の未来を語るうえで大事な材料になるはずです。私は、意識的にベンチャー企業や若い会社に注目しています。なぜこの会社はすごいのか。なぜ成長したのか。その理由や原動力を、誰かが見てきて、取り入れるべきは取り入れなければならないと思います。
積み重ねてきた強みは
未来に活きるか
一方で、百貨店の圧倒的な強みは、営々と積み重ねてきた「認知力」です。変わらなければならないのは確かだとしても、変えるべきではないものは何でしょうか。
当社グループの強みはお客様で、ロイヤルティを持っていただいているお客様を中心に成り立ってきました。そして、もう1つは当社で働く人材です。さらに言えば、三越伊勢丹グループの持つ「のれん」です。さまざまな業界の方からも、当社の「のれん」を活かしてもっといろいろなことができるのではないかと指摘されています。
ただ、お恥ずかしい話ですが、百貨店におけるネット販売の比率は1%から1.5%にすぎません。これでは、世の中の流れから外れていると言わざるをえません。その伸びが年間3割を超えていることを見ても、もともとのスタートがあまりにも遅すぎた面は否定できません。ここまで遅れた業界が、いまからヤフーさんや楽天さんのようにあらゆる商品を扱うことは不可能です。可能性があるとすれば、三越伊勢丹グループの持つ「のれん」を使い、富裕層という限定されたマーケットで勝負することです。
最近、中国のアリババのモールに出店させていただくことになりましたが、その時もあらゆる商品を扱うべきだという意見と、当社の「のれん」を活かすべきだという議論が起こりました。しかし、後発企業が先発企業と同じことをやっても太刀打ちできません。すべてを扱うことで「のれん」を活かすことはできないのです。
お話をお聞きしていると、失敗してもいいから、とにかくやってみないと未来は開けないというお考えに聞こえます。
そうですね。未来に対してリアクティブでいるよりも、プロアクティブに攻めていくことを常に意識しています。そうしないと、あるべき未来の姿が見えないからです。仮説としてはいろいろなケースが考えられますし、世の中でも5年後、10年後の姿としてさまざまな未来が語られています。しかし、答えはまだ出ていません。だからこそ、少なくとも可能性があると信じたことに関しては、能動的にチャレンジしていくべきなのです。現状に安住し、待ちの姿勢で変化をキャッチしようとしても、未来はつかめません。
もちろん、プロアクティブに動いたことによってマイナスがさらにひどくなる可能性も否定しません。現実問題として業績が悪化してくると、未来のための事業を広げすぎたため、店舗の人的な戦力が落ちたという意見が出てきます。ただ、それはあくまでも現時点の話です。未来のための布石が途中で思わしくない状態になったとしても、5年先、10年先の未来に生き残って成長していくために必要であれば、その手立てをブレずに講じることが、トップマネジメントの役割だと思っています。
次世代の経営者が
いまやってほしいことは
御社は、現業で戦力となる優秀な人材を社外への出向や新規事業に出しておられますね。
人材の成長も、いまやろうとしていることも、5年後、10年後に結果が出ると信じて取り組んでいます。結果を出したいからこそ優秀な人材を登用していますが、仮に失敗してもその経験を彼らが別の形で活かしてくれればいいと思っています。本業がこれだけ厳しい時に、優秀な人材を社外に出向させていいのかという見方は理解できます。しかし私の考え方は正反対です。せっかく若い優秀な人たちにいろいろなところで勉強してもらっているので、本業の戦力が落ちても我慢しなければならないと考えているのです。
未来のことは脇に置いて、いまさえよければいいというスタンスになった瞬間に、楽にはなります。自分の時間を現業に集中させるのは精神的に楽ですし、それなりの結果も出せるでしょう。しかし、誰かが未来へ向けての布石を打っておかないと、次世代の人が次の打ち手に詰まってしまいます。
大西さんも社長になられて、そういう経験をされたのですか。
はい。逆に先輩の打ち手に感謝していることもあります。
先日、マレーシアの首都クアラルンプールに「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」をオープンしました。クールジャパン機構と当社の合弁会社による、日本を世界に紹介する店舗で、元は26年前にオープンした当社の店舗を今回のために全面改装しました。当時の伊勢丹は、あまりリスクを負った投資をしない企業体質でしたが、未来への投資としてこのショッピングセンターの土地と建物を買っていたのです。当時はいろんな意見もありましたが、結果的にその投資があったからこそ、今回の店舗がオープンできたのです。
システム投資もそうです。当社は百貨店としてはかなり早い段階からシステム投資をしてきました。かなりの負担でしたが、その結果、お客様の個別情報、カード情報、あるいはマーケティングに関する情報が詰まった独自のシステムを構築することができました。これがあったからこそ、当社はいま、お客様に関するさまざまな分析ができていますし、しっかりとした業務フローができているのです。後世に評価されるものを、現時点でいくつつくれるか。それが真価を問われるポイントです。
いまが悪くても
明るい未来を語る
トップとして社内にメッセージを発信する機会があると思います。その時に、暗い話では社員を元気にできません。明るい未来を語ってこそやる気が出る面もあります。その点について、どのように心がけていらっしゃるのですか。
経営者は、明暗ともに発信しなければなりません。私の場合、新入社員から入社10年目に満たない中間管理職になる前の従業員には、明るい未来をベースに話をします。百貨店の素晴らしさを実感しながら伸びのびと仕事をしてほしいからです。反対に、マネジャークラスから部長クラスまでの中間管理職には、好調の時でも厳しいことを言ってきました。危機感を持って仕事をしてほしいからです。ただ、今回の業績を見れば、誰でも厳しい状況を理解できるはずです。
ですから、いまは未来に向けた明るい話をしようと思っています。いい時は手綱を締める意味で厳しい話をする。悪い時は暗くならないように明るい話をする。その点は意識をしているつもりです。
失礼な言い方になりますが、百貨店のようなダウントレンドの業界で、組織として明るい風土をつくるにはどのような方法があるのでしょうか。
働き方、ワークライフバランス、働く条件の改革を、さらにスピードアップして進めていく。会社が明るい状況ではないからこそ、その部分が滞ってしまうのはさらに停滞を招く要因になりかねないからです。
ただ、今回は不思議な状況になっています。当社の社員はいい意味で真面目で、会社にロイヤルティがあります。経営側が店舗休業日の設定や営業時間の短縮を決定するのは嬉しいが、それよりも売上げをしっかり稼いで利益を出したほうがいいのではないかという考えがあるようです。たしかに、消費が低迷している中で、業績を上げることが従業員のためになるのは理解しています。
しかし、理解はしても正しいとは思いません。単純に休業日を増やしているわけではなく、それでも利益を確保することを目指しているのです。この考え方を理解してもらうのは、なかなか難しいことだと感じています。
最後に、大西さんが考える5年後、10年後の未来において、日本の消費社会はどのように変わっているとお考えですか。
モノからコトへ。この流れに拍車がかかるのは間違いありません。現状でもモノとコトの消費の比率は5対5になっています。高齢化の進行は食い止められず、若い人の消費がいま以上になくなっていきます。モノに対する欲求が少ないシニア層が増えるのですから、コト消費の比率が上がっていくのは自明のことです。しかし、百貨店が扱っているのは、これからますます減っていくモノが中心です。明らかにコト消費が増える中で、この点を迅速かつ大きく変えていかないと、取り残される可能性は高いでしょう。
また、コト消費のメインはエンタテインメントですが、映画館や劇場に行かずにバーチャルで見られるようになるなど、消費者は外に出なくてもコト消費ができるようになっていきます。消費者が外に出なくなれば、さらにモノ消費は厳しい状況に追い込まれていくように見えます。
しかし、人が生きている以上、モノ消費はどこかで起きています。それがeコマースです。現在、eコマースの売上げは小売業の15%程度ですが、これが30%、30兆円から40兆円になってくると思います。その分だけ、百貨店や総合スーパーが減っていく。モノだけを売る小売業は半分になってしまうというイメージを持っています。
これからはシニアの方も普通にネットを使えるようになってくるので、ますますeコマースの動きが加速していくでしょう。
◆最新号 好評発売中◆
『未来を予測する技術』
経営にとって未来が読めれば、事業の成功確率を飛躍的に高めることができる。しかし、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)といわれる時代、未来を予測するのは非常に難しい。不連続な変化が起こる時代に、企業は未来に対してどのように挑むか。予測の技術とともに、不透明な中での意思決定の仕方、そしてリーダーが備えるべきマインドを示す。
【特集】未来を予測する技術
◇ 10年先を考えて、やるべきことをやる(大西 洋)
◇ 超予測力:未来が見える組織(ポール J. H. シューメーカー ほか)
◇ 「計画的な日和見主義」のすすめ(ビジャイ・ゴビンダラジャン)
◇ 統計学はどこまで未来を予測できるか(神永正博)
◇ 戦略オプションの3つの活用法(ジョージ・ストーク,Jr.ほか)
ご購入はこちら!
[Amazon.co.jp] [楽天ブックス] [e-hon]
- 10年先を考えて、やるべきことをやる「攻め」の姿勢で未来を模索する (2016.12.12)