弾劾訴追案の無効などを訴える保守系団体の集会=ソウルの清渓広場で2016年12月9日昼、西脇真一撮影
【ソウル大貫智子】9日の弾劾訴追案可決により、職務停止となった韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は10日、青瓦台(大統領府)で読書をして過ごした。聯合ニュースが伝えた。憲法裁判所から提出を求められている弾劾審理のための答弁書作成準備にも取りかかったようだ。
職務停止で軍の統帥権や条約締結権など全権限が黄教安(ファン・ギョアン)首相に移譲された。大統領の身分は維持されるため、青瓦台を離れる必要はなく、給与支給や警護はこれまで通り行われる。憲法裁での弁護人団も近く選出される見通しだ。
2004年に国会で弾劾訴追案が可決された故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領も憲法裁判所の決定を待つ間、読書をしたりニュースを見たりして過ごした。ただ、盧氏に対する弾劾は世論の反対が強かったため、職務復帰に備えて秘書官から業務報告は受けていたという。
朴氏に対しても憲法裁判所が罷免の是非をどう判断するかは見通せないため、青瓦台は朴氏に対し、非公式な業務報告は行っていくとみられる。