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連載: 

【マンガ】第10話 フリーランスのススメ(その2)~独立への第一歩 2003年 鹿児島の旅~

2016年12月12日(月)
高田 ゲンキ(たかた・げんき)
ベルリン在住のイラストレーター(兼漫画家)、高田ゲンキが送るコミックエッセイ
『ライフハックで行こう!』、第10話です(第9話はこちら)。

今回は、独立を決意するキッカケとなった尊敬するイラストレーターに会いに行った時の話です――

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成功したければ、成功している人に話を聞くべし

大寺聡さんは、僕がイラストレーターになるきっかけを与えてくれた人です。2002年にデザイン誌『MdN』の誌面で氏のデジタルを駆使した独特な世界観のイラストレーションを見てすっかり魅了され、「僕も大寺さんのようなイラストレーターになりたい」と思うようになりました。大寺さんの大ファンになった僕は「いつか大寺さんに会いたい」と思っていましたが、なかなか実現できませんでした。なぜなら大寺さんは2000年へ鹿児島に移住されており、当時僕が住んでいた神奈川からは非常に遠かったからです。

しかし、2003年に(前エピソードで触れた通り)フリーランスとして独立する決意を固めるも周囲から反対された際に、やはり「成功したい」と思うのなら、成功している人に助言を仰ぐべきだと思い、実際に「僕から見て、最も成功している人」である大寺さんに会いに行くことにしました。

「実際に行動する」ということ

僕自身、2016年現在に至るまで、成功したと言えるかどうかは分かりませんが、少なくとも、自分が納得できる生き方をしてこられたと思っています。そして、その秘訣があるとすれば「実際に行動する」ということ。この鹿児島の旅はまさにその典型例なのです。

薄給の会社員デザイナーだった当時の僕にとって鹿児島への旅費は安い物ではありませんでしたし、鹿児島の個展まで押し掛けたところで大寺さんご本人に会えないかもしれないし(しかも変に気をつかって、大寺さんには事前の連絡を一切しませんでした)、運良くお会いできたとしても、それで何になるのか? という気持ちも当然よぎりました。

結果的にはアポ無しの突撃訪問で運良く大寺さんに会うことができ、またそんな非常識な訪問にも関わらず温かく迎えていただき、その上(なぜか)温泉をご一緒しつつ、念願だった僕の進路相談までしていただけて、この鹿児島の旅は僕の人生においてこれ以上無いほど重要な経験となったのでした。

それにしても、マンガを描きながら当時のことをいろいろと思い出しましたが、2003年はまだGoogleストリートビューどころかGoogleマップさえなく、スマホもモバイルWi-Fiもないような、そもそもネットの情報量自体が少ない時代だったので、交通機関の乗り換え情報を調べるのもひと苦労でした。このギャラリーまでの道のりもかなりあやふやな情報をたよりに、途中で何度も迷いそうになりながら心細い思いで向かったのでした。そう考えると、ここ10年ほどのネットの進化は本当にすごいと改めて思いました。

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バスを降りてからギャラリーまで歩いた、人気の無い道

次回は大寺さんの家(その名もオーテマティック・ハウス!)に伺い、フリーランス論を伺った際のエピソードをお送りします。お楽しみに!

次回の第11話は12月26日月曜日更新予定です!

著者
高田 ゲンキ(たかた・げんき)

ベルリン在住のイラストレーター/マンガ家。1976年生、神奈川育ち。
2004年にフリーランスとして活動開始以来、Macを中心としたフルデジタルでの制作環境を活かして場所や業界慣習にとらわれない自由なワークスタイルを確立。2012年に夫婦でドイツ・ベルリン移住。自身の仕事術やライフハック術、人生論、ベルリンの生活の様子などをブログ『Genki Wi-Fi』とマンガプロジェクト『ライフハックで行こう!』で発信中。ブログ上で、自身の半生記マンガ『僕の半生』も好評連載中!

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