本当の戦いはここからだぜ

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冬のライダー映画『MOVIE大戦』シリーズ5作品を一気見してみた

2016-12-10 09:55:51 | 特撮
こんにちは、かずひろ(@kazurex1215)です。

前回の更新から約3カ月もの月日が過ぎてしまい、ちょっと放置しすぎたかなと反省しています。色々と書きたい事は溜まっていたのですが、大学の学祭関連のない行事でちょっと忙しくしておりました…。

12月10日(土)公開の仮面ライダー最新映画「平成ジェネレーションズ」に向けて、先日私は歴代の「MOVIE大戦」シリーズをTSUTAYAでレンタルし、一気見し終えたところなのです。そこで今回は鑑賞した7作品中5作品の感想を載せておこうと思います。(フルスロットルとジェネシスは色々あってまだ完成していませんので)

※ネタバレ全開で書いておりますので、これから鑑賞予定の方などはご注意ください。※





〇『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』
想像以上に面白かった記念すべき第1作目は平成1期から2期へのバトンタッチが込められたような開拓作。ディケイド編も力技だがまとまったラストに仕上がっていたし、おやっさんの死を乗り越えてコンビの絆を再確認するW編はWらしさの溢れたアツい王道ストーリーだった。

ディケイド編では昭和も平成も含めた全てのライダーと戦うディケイドの無双っぷりが清々しい。腕が破壊されるスーパー1や角をおられるカブト、少ない戦闘シーンの中に印象的なカットが多い。特にギガントとサイドバッシャーで仮面ライダーJを倒すシーンがめちゃくちゃ良い。唯一の欠点は広瀬アリス演じるタックルが、結局何者かよく分からなかったことかな。世界を全て敵に回したディケイド=門矢士、彼の行動を"創造は破壊からしか生まれない"という展開に持っていったのが救いだった気がする。「9つの世界を救わなければならない」→「ディケイド、お前は世界の破壊者だ」という風にころころ話が変わる本筋に振り回され続けた士の行動が、ここへきてやっと正当化された。というかこのオチでテレビ版も最終回やってくれよ…とぶっちゃけ思った。とはいえ紆余曲折を経て最後には平成ライダー全員が士を助けにきたのはアツかった。ディケイドが旅を通して通じ合った平成ライダー達が満を辞して集結し、最強の敵ドラスに立ち向かう。だからこれをなぜ最終回にしなかった……。



W編は翔太郎とフィリップの初めての出会い、おやっさん=鳴海荘吉の活躍がストーリーのメイン。何の文句のつけようがない素晴らしい本編のプロローグだ。鳴海荘吉は何をしてもカッコいいんだよな…。キザなセリフも板につくし、吉川晃司をキャスティングしたのも大正解。仮面ライダースカルは渋い、渋すぎる。デザインが秀逸すぎるし、格下ドーパント相手に無双するのがカッコいい。ライダーには若手俳優が起用されるのが平成の手法で、放映開始から徐々に自分の主人公を自分のものとして馴染ませていくんだけど、Wの主役二人の演技力はこの時から健在で安定感が凄い。Wを通して見た一年間で演技が下手だなあと思った事は一度もなかった。勝手な決断でおやっさんを死なせた翔太郎と人生において一度も何の決断もしなかったフィリップ。2人がおやっさんの死を通して、己の罪を数えて背負い仮面ライダーとなって風都を守る。まさに"哀しみを背負いながら戦う"、仮面ライダーの原点に対するリスペクトを強く感じる。



MOVIE大戦編でディケイドとWが共闘へ繋がる流れが自然で上手い。簡単な会話劇の中で2人が一度会っている事を拾い上げたり、共演モノはこういうのがすごく大切だ。ここからのバトルシーンは迫力満点で、オールFFRでクライシス戦艦に立ち向かい、Wのハードボイルダーにディケイドが一緒に搭乗するシーンがお気に入りです。劇場で観たらもっと楽しめただろうなと思うと惜しい気持ちになった。戦いが終わった後に並行世界の仮面ライダースカルが現れて、翔太郎にあるセリフを言うシーンで泣いてしまった。




〇『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』
悪くはないけど、正直面白くはないかなという2作目。オーズ編は題材を活かしきれてないし、盛り上がりにどうしても欠ける。W編は前作で人気を博した仮面ライダースカルの活躍を描いているんだけど、ハードボイルド過ぎる気も否めない。



オーズ編の今回のシナリオは小林靖子さんじゃなくて井上敏樹さんだったようだけど、最近調子が良くない気がする。主要キャラの行動が不自然だし全体的に話の運び方がつまらない。バイトしたお金を貧しい人に配る映司くんは何だったんだ…。今回のキーパーソンであるノブナガが現代に順応して企業の社長にまで成り上がるプロセスはまあ良いとして、彼の行動が上手く話に乗っていない。と思いきやノブナガは二人も命を奪う、という井上脚本おなじみ突然シリアス展開をぶっこんでくる。うーん、総じて微妙だった。

対するW編はおやっさん=鳴海荘吉が主役で、これが仮面ライダーであるという事を忘れそうなほどハードボイルドで硬派なストーリー。個人的に好きだけど子供達は少々退屈しそうかな。吉川晃司がハイキックを決めるとシンバルの音が鳴る演出が良かった。しかしスパイダー・ドーパントの正体判明までのプロセスが単純なのと、戦闘中にスカルが娘と電話するシーンはご都合主義すぎるかなと目につく点もしばしば。


MOVIE大戦CORE編のラスボスはフルCGで描かれる仮面ライダーコア。Wやオーズと繰り広げる戦いのシーンはなかなか迫力がある。地上ではバースとアクセルの2号ライダー同士で戦ったり、ラストで決める上空と地下深くからのダブルライダー挟み撃ちキックはカッコよかった。


〇『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』
坂本監督節が炸裂するMOVIE大戦3作目は、ストーリーを最低限こなしつつ残りはド派手なアクションで魅せとにかくカッコいい仮面ライダーを目指した作品だった。W・オーズ・フォーゼが並び立つ共闘パートは最高の最高過ぎて言葉にならない。



例年の二部構成に加えて冒頭の7人ライダーの戦いと中盤に挟み込まれた翔太郎の活躍、全てを詰め込んだお祭り状態なのに、ストーリーが一貫して繋がっているので見ていて苦にならない。MEGAMAXを傑作だと言っている意味がようやく分かって実感出来たのが嬉しいし終始ニヤニヤしながらずっと見ていた。好き嫌いがあるのは前提だけど、坂本監督が考える「カッコいい仮面ライダー」を清々しいほどに映像にしてぶつけてくれるのが良いよね。ケレン味溢れる派手な大爆発にバリバリのワイヤーアクション、見ていて楽しいもんな。坂本監督、つまらない時もあるけどやっぱり好きな監督だなあ。

TVシリーズの後日談を描くオーズ編は、未来からやってきた仮面ライダーポセイドンが猛威を振るう。のっけからアクション満載で思わずテンションは上がってしまう。どうしてアンクは復活したのか、という重要なポイントもあのロジックなら納得できる。生身の戦闘中に一言二言会話するシーンが大好きなんだけど、アンクと映司の関係性にマッチしたクライマックスの会話シーンでグッと来た。仮面ライダーアクアの無駄をそぎ落としたシンプルなデザインと、徒手空拳による戦い方がカッコよすぎる。アクアが活躍する姿をもっと見たかった。



フォーゼ編では弦太郎が恋を経験するまさにザ・青春なエピソード。掴みどころの無いなでしこの不思議な可愛さと弦太郎の甘酸っぱい恋愛模様が見ていて微笑ましくなる。たとえ人間でなくても惚れた子への想いをストレートに貫く、誰とでも友達になる弦太郎らしいなあと。少々アクションが多すぎる気もするけど、許容の範囲内かな。

そしてやっぱり最高なのはW・オーズ・フォーゼの新世代ライダーが揃い踏みするMEGAMAXパートだ。翔太郎から映司に対するセリフや、弦太郎と翔太郎の暑苦しいやり取り、共演モノでこそ見たいポイントが変身前の1~2分に凝縮されている。もちろん先輩ヒーローが登場するだけでも充分に満足だが、ファンのツボを押さえた演出を成し遂げた坂本監督はよくぞやってくれた。監督お馴染みの戦闘中にOPをBGMに流れるようなフォームチェンジ、ド派手な爆破シーンも健在。全編通してカッコいい仮面ライダーを追求した映像やアクションのオンパレードでお腹いっぱいになる作品でした。



〇『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』
坂本監督の演出がまたまた光るMOVIE大戦4作目は、ちょっとアクションやり過ぎ感が否めないけど満足度は高い。アルティメイタムパートのワイヤーアクションと尋常じゃない火薬量と迫力のカーチェイスは映画「マッドマックス」を思わせてくれる、ある種の到達点ともいえる凄まじい超大作でした。



フォーゼ編はテレビシリーズから5年後が舞台で、弦太郎は教師になっていて相変わらずで安心。ライダー部の面々も各々活躍していて、流星とトモコのいちゃつきぶりは見ているこちらが恥ずかしくなる。教師として生徒をどう導いていけばいいのか、“良い教師”とは何なのか。そんな命題にも弦太郎が弦太郎らしく、ストレートに答えをぶつけてくるのが清々しい。坂本監督が一年かけて監督を務めた作品がこのフォーゼだ。そんなフォーゼの完結編は、終盤予想外の展開を迎えるので思わず声を上げてしまった。なんとフォーゼドライバーを溶鉱炉に投げ入れ、フォーゼであることを捨てたのだ。自分がフォーゼであることを捨て次世代にその思いを託す、その思いを受けたサナギマンが本当の姿イナズマンへと進化する。と、この展開でもすごく面白かったし良かったんだけど、どこかフォーゼにも戦って欲しかったなという気持ちもある。一応は完結編でしかもフォーゼ編だからイナズマンとの共闘展開に持っていっても良かったんじゃないかと。

一方のウィザード編は序盤から華麗なアクションとOPが流れてテンションぶち上げの映像が押し寄せてくる。やっぱりウィザードってアクションが美しいんだよね、ずっと見てたくなる。美少女戦士ポワトリンが凄く可愛いんだけど、正体が明かされた時はマジでびっくりした。全体的にエピソードとしては起承転結が明確だしとても面白い。でもアクションが多すぎるかなあ。街中で雑魚怪人を相手に無双するシーンは省いても良かったと思っている。



アクション面でのやりすぎ感は、アルティメイタム編におけるクライマックスの生身アクションが顕著だった。ライダーが集結したのに一度変身を解除して生身で戦闘を行ってから同時変身をする、なんてまどろっこしい。挟むタイミングを完全に間違えている。監督の「これがやりたいんだ!!」って気持ちは伝わるんだけど、このように間をいったん切って殺してしまうのがたまにキズかな。だけどクライマックスの戦いはホントに迫力がケタ違いで、特撮ヒーローでここまでしちゃうのかよ!!!と度肝抜かれると思うので必見です。



〇仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦
シリーズ初めての、舞台をテレビ本編から別世界へと移動した5作目は、鎧武編の戦国時代をモチーフに乱戦が繰り広げられる設定の面白さに感心した。ウィザードはこの上ない最高の締め方で、完結編にふさわしい見事な出来栄えだったと思う。



ウィザード編は、改めて晴人とコヨミの関係に焦点を絞った2人のドラマがメイン。コヨミへの苦悩や捨てきれない思い、晴人の弱い部分もきっちり描かれていて本編よりも丁寧だったように思う。晴人のアンダーワールドでコヨミとの想い出をバックに戦うウィザード、めちゃくちゃ良い演出だった。晴人の希望に溢れる世界、そんな世界でウィザードが負けるわけが無い。前半でボコボコにされていたのが嘘のようだ。尺の関係だと思うけど色々と結果のみの提示になっていたのが惜しいかな。オーガって結局お前何だったのか、人口ファントム研究所(?)とはとか。欠点を突っ込めばキリがないけど、演出や話のまとめ方など良かった点が総合的に上回る感じだった。



鎧武編は、戦国時代と平成ライダーを鎧武の世界観に上手く落とし込んでいてめっちゃ良かった。武神ライダーと戦国武将、そして戦国時代と言ってもガチガチの侍世界じゃないから色々と自由な設定だったけど、それがまた面白い。刀で斬りあっては銃ぶっぱなしたり、馬使っていたりバイク乗ったり。しれっとイクサの名護さんやフォーゼの賢吾が出てきたのは笑った。鎧武の結末を知っていると、随所に散らばった今後の展開を示唆させる展開にニヤニヤする。イエヤスに付いた紘汰、ノブナガを継いだ戒斗。2人の性格的にバッチリハマっているし、これが後の展開を示唆させるなあ。一騎打ちもするし、戒斗がザックに裏切られるのは明智光秀っぽくも見えるし。どうせならミッチはヒデヨシに付いて、裏から策を講じて色々動いていても面白かったかもなーと。


MOVIE大戦パートに移るかと思いきや、晴人がパラレルワールドに途中から合流。それぞれのパートは面白かったんだけど、大戦パートは普通に納まったかなあ。アクションは見やすいんだけど、面白味はなかった印象。でもラストのダブルキックはド派手でカッコよかったので満足です。




とりあえず5作品を鑑賞し終えて、「あれ?普通におもしろいぞ???」というのがMOVIE大戦シリーズへの率直な感想だった。冬映画には現行ライダーとその前ライダーの橋渡しも兼ねておりメインはほぼその2作品となる。そのため春映画のようにストーリーが破綻する心配も少ない事が面白さの要因の一つといえるかもしれない。とはいえメガホンを取る監督の手腕が発揮されているからこそ、ここまで冬映画が面白いのだと私は思う。3作品の監督を務めた田崎竜太監督や、MEGAMAXとアルティメイタムの監督を務めた坂本浩一監督。やっぱりこのお2人は日本の特撮界にはなくてはならない方たちだなと再認識した。

個人的にこの5作品をランク付けするとするならば
1、MOVIE大戦MEGAMAX
2、MOVIE大戦
3、戦国MOVIE大合戦
4、MOVIE大戦アルティメイタム
5、MOVIE大戦CORE

という感じです。フルスロットルとジェネシスの感想も出来れば更新したいなと考えています。ではまた次の更新で。
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