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【テクノロジー最前線】
「宇宙太陽光発電」の実現性確認 JAXA、上空からのレーザー送電実験に成功 気になる「焼き鳥問題」は…
さらに、ここからレーザー送電による効率がかかってくる。今回の実験装置の地上部だけで光電変換率は21・3%だった。将来、35%にまで上げるとしているが、単純にそれを掛け合わせると、発電量は原発2分の1~3分の1程度に下がるとみられる。
さて、気になる設置コストはどうなるか。土地こそ不要だが、発電所をロケットで打ち上げるための輸送費が莫大だ。現在の主力ロケット「H2A」は、静止軌道の一歩手前の静止トランスファー軌道まで4トンを打ち上げられるが、1回当たり約100億円かかっている。約51万枚の太陽電池パネルを運ぶには、現状ではH2A数千回分に上るとみられ、非現実的だ。
逆に宇宙では地上に設置するようなしっかりした骨組みは不要になるかもしれない。落下傘のように広げられる高分子フィルムで作るなど「減量」の可能性もある。設置の想定時期は2030年以降だが、エネルギー問題を取り巻く状況も含めて実現に向けて不確定要素の大きい「遠大」な計画だ。
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