朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は11月29日に行った3回目の談話の中で、任期満了を待たず辞任を前倒しすることを視野に、自らの進退問題を国会の決定に委ねると明言した。しかし弾劾であれ下野であれ、あるいはその他の方法であれ、いずれにしても朴大統領と今の政権が任期を最後まで全うすると考える国民はほとんどいないだろう。なぜなら圧倒的多数の国民が朴大統領と現政権に対する信頼も支持も完全に失ってしまったからだ。しかもここ最近の目まぐるしい動きを考えると、今が大韓民国の将来を左右する重大な局面にあることは間違いない。その一方で(政治的混乱を解決する問題以上に)国政を私物化し、それを後押ししてきた勢力の不道徳や腐敗も、今後韓国社会が解決すべき大きく重い課題としてのしかかってくるだろう。
現職大統領の関与が明確になり、文字通り前代未聞となった国政壟断(ろうだん、利益を独占すること)の実情が解明されていく過程で、われわれは現職の検察官と元検察官による非常に興味深い駆け引きを目の当たりにしている。特別捜査本部に所属する現職の検察官たちは言うまでもなく捜査を行う立場だが、これに対して国政壟断の主人公として捜査を受ける側の人間たちもその多くが元検察官であるか、あるいは彼らを使って自分たちを守ろうとしているからだ。捜査の網を狭めようとする検察に対抗し、壟断勢力は「知らない」「把握していなかった」「会ったこともない」「記憶にない」「事実ではない」などと一貫してしらを切り、自分が事件の核心である事実を何が何でも否定している。しかも確かな証拠が上がっている容疑についても、巧みに弁解を続け自らの犯罪行為は絶対に認めようとしない。その結果、一方は犯罪行為の解明と証拠の確保に全力を挙げ、もう一方は証拠の隠滅と事実の隠蔽(いんぺい)に全力を挙げるという笑うに笑えない状況になった。また一方は法の論理を厳しくかつ確実に適用して言い逃れを許そうとせず、もう一方は法律を自分たちに都合良く巧みに解釈し、何とかして法の網の目から逃れようと必死だ。これこそまさに格闘家たちが取っ組み合いのけんかをしているようなものであり、メディアもこの戦いを「矛と盾との戦い」あるいは「現役の剣士とその先輩である元剣士との闘い」などと表現し、このゲームの状況を興味深く報じている。