これに対し、中国側は「中国資本という理由だけで不当な待遇を受けている」と反発している。実際、そういう面はある。だがそうだとしても、中国が「政治論理が介入してはならない」と批判するのは厚かましいだろう。中国資本に対する警戒心が急速に広がっているのには理由がある。一言で言えば、自業自得だ。
中国政府はロッテグループの中国国内の店舗や生産施設に対し、同時多発的な税務・消防・衛生調査を実施している。また、中国人の韓国旅行キャンセル、韓国のドラマや芸能人の中国進出制限、テレビ通販での韓国製品の放送規制などの措置も取っている。これらは全て、韓国政府が北朝鮮の核兵器への備えとして米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」配備を決めたことに対する腹いせだ。
外交摩擦が、時として経済面での報復を招くことはあるだろう。だが、これほどみみっちく、せせこましい措置は聞いたことがない。世界2位の経済大国らしからぬ、お粗末なやり方だ。中国が共産党の1党独裁国だという事実をあらためて教えてくれる。
中国は米国と並ぶ世界経済の両軸だ。リーマン・ショックの際には「中国が資本主義を救う」という言葉が出るほどステータスが高まった。単に経済規模だけが大きくなったのではなく、シリコンバレーと肩を並べる世界的な革新の拠点に飛躍している。
だがその一方で、今なお民主的な法と秩序がきちんと根付いていない後進的な姿も見せている。その上、経済大国としての自信を強め、かつての中華覇権主義がよみがえるという精神的退行が現れている。一種の「経済発達障害」だ。