12月10日 09時35分
重い精神障害がある患者に強制的な入院が必要かどうかなどを審査する岐阜県の審査会が法で定める要件を満たさない状態で繰り返し審査していたことが分かり、県は過去6年間に行われた約4300件について再審査を行うにしています。
問題が見つかったのは重い精神障害がある患者に強制的な入院が必要かどうかや入院中の処遇の改善などについて審査する岐阜県の精神医療審査会です。
審査会は法律で厚生労働大臣が指定する精神保健指定医と弁護士、それに、精神保健福祉士などの3つの分野の専門家からなる5人の委員のうち、それぞれの分野ごとに1人以上の出席が定められています。
しかし、11月、患者からの情報公開請求を受けて職員が調べたところ、今年4月から11月の間に6回、3つの分野の専門家がそろわない状態で開かれていたことが分かったということです。
さらに、文書が保存されている平成23年度までさかのぼって調べたところ、このほかにも34回で3つの分野の専門家がそろっていなかったということです。
岐阜県はこれらの審査会にかかった約4300件について再審査を行い、異なる結果が出た場合には患者やその家族に謝罪するとしています。
岐阜県は「県民の信頼を損ない誠に申し訳ありません。今後は正しい法令の解釈を徹底するなど再発防止に努めたい」と話しています。
厚生労働省の精神・障害保健課は「このような事例は過去に聞いたことがなくどういう理由で起きたのか岐阜県から詳しく聞いた上で再発防止に必要な対策を検討していきたい」と話しています。
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