肩こりがひどくなると頭痛になる
そんな人は多いのではないでしょうか?
ぼくは柔道整復師の国家資格をもちながら接骨院で勤務したのち、いまは独立してフリーで治療家として活動しているのですが、そうゆう人をたくさん診てきました。
みんな口をそろえて言うのが「なんで肩こりが頭痛につながるの?」というもの。
そこで今回は、肩こりからくる頭痛の3大原因とその対処法をお教えします。
まず肩こりってどんな状態?
「肩こりってなんぞや?」って人にカンタンに説明すると、
筋肉ってふだんはゴムみたいに伸びたり縮んだりするんですね。びよーんって。ちょうどこんな感じ↓
で、肩こりのときは肩の筋肉が「緊張している状態」といって、やわらかいゴムだったものが、ギターの弦みたいにピーンとつっぱっちゃった状態なんです。
筋肉が縮もうとしちゃってて、全然柔軟性がなくなっちゃって、だから外から触ったときにカタイって感じるんですね。
詳しくはこちらの記事に書きました
>>肩こりの原因と解消法を小学生でも分かるように図で解説する
なんで肩がこると頭痛につながるの?
これは経験した人もいるかと思いますが、肩こりがひどくなると頭痛になったりするんですよね。肩こりだけでもしんどいのに、ダブルパンチでもうグッタリしちゃいます。
頭痛が肩こりにつながる要因はいろいろとあるのですが、その中でもぼくの診てきた経験上、とくに多かった3つを紹介します。
原因① 酸欠状態
1つ目はこれ。酸欠。つまり酸素が足りてない(欠乏している)状態。
脳の栄養素というのは主にブドウ糖なのですが、それと同じくらい大事なのが「酸素」なんですね。脳細胞の維持や、ちゃんと機能させるためには酸素が必要で、脳の酸素消費量は全身の約20〜25%だと言われています。
ブドウ糖に関しては食事のなかで充分に摂取しているんですね。むしろ摂りすぎなくらい。ゴハンとか麺類などの炭水化物はブドウ糖に分解されるのでね。
しかし酸素に関してはなかなか意識しないと取り込めなかったりします。デスクワークとかで作業に集中すると無意識に呼吸が浅くなったりしちゃいますしね。
だから「あくび」が出るんですね。脳が酸欠状態になってきて、酸素をとりこむためにあくびをする。つまりあくびとは、強制てきに酸素を取り込むための手段なんですね。
そして「寝ているとき」は脳もカラダもあまり活動していないので、酸素の消費量がすくなく、呼吸だけに集中できるんです。回復時間ですね。だから酸素がほしくなって「睡眠」を脳が求めるようになると、アクビが出るのとともに眠くなるわけだ。ふだんつねに眠いひとは酸素不足かもよ?
なんで酸欠になるの?
本来「筋肉」ってのはゴムみたいに伸びたり縮んだりすることによって血液を送り出す「ポンプ」の役割をしているわけ。血液を送り出すということは、同時に酸素や栄養も運んでいるわけ。血流に乗せてね。
つまり肩こりになると、肩や首まわりの筋肉が硬くなって、伸び縮みできなくなって、このポンプ作用がほとんど効かなくなるから、脳に酸素をうまく送れなくなってくるんですね。しかしカラダや脳は活動しているのでどんどん酸素を消費していく。
そこで酸欠状態になり、アタマがぼーっとするような感じともに頭痛になるってなわけです。
自分で出来るケア
肩こりからくる頭痛の原因が「酸欠状態」によるものの場合、自分で出来るケアとしては、肩甲骨周りのストレッチをすることと、意識的に深呼吸をしてあげることです。
肩甲骨周りのストレッチはこのへんを参考にするといいです↓
休憩時間などにこまめにしましょう。
深呼吸はなによりも大切です。呼吸が浅くなりがちな人は、思い出したときに意識的に深呼吸をしましょう。
原因② アタマの筋肉の緊張
2つ目の原因はアタマの筋肉の緊張からくるもの。
実はアタマにも薄〜い「筋肉」があるんです。前頭筋、側頭筋、上頭斜筋とかって言ったりするんだけどね。ちゃんと筋肉があるんです。
だからヘッドスパとか受けると超絶に気持ちいいわけです。気持ちいいのはアタマの筋肉が疲れて緊張している証拠なんですね。
でね、首や肩の筋肉がかたくなってくると、アタマの筋肉までかたくなってきちゃうんです。筋膜レベルで繋がっているので。連動しているんですね。
そしてアタマの筋肉がピーンと張りつめて緊張しちゃうと、アタマをガチガチにロックしちゃうから、頭痛になるんですね。締めつけられちゃうようなイメージです。
自分で出来るケア
肩こりによるアタマの筋肉の緊張からきている頭痛のセルフケアとしては、自分で頭皮マッサージてきなイメージでやさしくゆるめてあげるといいですね。ただし強くやりすぎはNG。気持ち悪さがあるときもNGです。頭痛があるときもオススメしません。あくまでも予防的な感じでやってあげてください。
アタマの筋肉が原因で頭痛がひどい場合は、根本である肩や首を専門家に施術してもらうとラクになると思います。早めに受診しましょう。
原因③ 熱による膨張
肩こりからくる頭痛の原因ラストはこれです。熱による膨張。
筋肉って、使うと「熱」を産むんですね。運動すると身体がポカポカしてきたり、筋トレをするとその筋肉が熱をもったりしますよね? 寒くてガタガタ身体が震えるのも、筋肉を強制てきに使うことで熱を産生して、少しでもカラダを温めようという反応です。
つまり筋肉は使われることによって「熱を産生する」んですね。
で、肩こりというのは首や肩の筋肉が使われまくってしまったが故になります。たとえばデスクワークでずっと前のめりの姿勢のひとは、アタマの重さを首肩の筋肉がつねに支えていて、これは「使っている」んですね。
気球の原理
そしてヒトの頭蓋骨というのは、わかりやすく言うと「気球」みたいなもので、球体のカタチをしていますよね。
そんでもって気球は火で熱をくわえると膨らんでいって宙に浮かぶわけだ。
熱気球 原理 - Bing
「熱い空気は冷たい空気よりも軽い」という原理のもと、熱せられた暖かい空気が上に昇っていくことで飛ぶことができます。
ヒトのカラダも同じで、首肩の筋肉がたくさん使われて熱をもちはじめると、気球と同じ状態になるんですよね。つまり下から熱せられてる状態。
そして気球と同じく熱は上に昇っていきます。つまり頭蓋骨のなかに熱がこもっちゃうんですね。そして気球と同じく膨らもうとする。しかし当然ながら頭蓋骨は膨らんでいかない。だからアタマの中の内圧がパンパンになって、熱もこもって、頭がボーッとする感じとともに頭痛が起こるんですね。
自分で出来るケア
肩こりによって熱をもつことからくる頭痛のセルフケアとしてはアイシングですね。首もとを冷やしてあげる。時間があれば肩の筋肉もアイシングしてあげるといいです。
よくアイシングというと「湿布でいいですか?」という人がいるのですが、医療の現場でのアイシングとは、湿布ではなく氷水で冷やすことを言います。すこし手間ですが、湿布よりも断然効果が高いです。
アイシングのやり方
やり方はカンタン。
・ビニール袋に氷水を入れる(氷のみだと凍傷になる可能性があるので水も入れる)
・氷4割、水6割くらいがいいです
・それを首や肩の筋肉に10〜15分あてる
注意点としては、カラダ全身は冷えないようにするということ。体温が下がると免疫力も下がってしまうので。あくまでも「患部のみ冷やす」から効果があるので、アイシングをする際は上着を羽織るなりするといいでしょう。
まとめ
これがぼくの経験上多かった「肩こりからくる頭痛の主な原因3つ」です。もちろん他にも原因はありますが、ぼくが診たなかではこれらが多かった印象があります。
もちろん頭痛には脳血管系の疾患からくるものもあるので注意しなければいけません。いつもと違う感じの頭痛がきたり、吐き気や気持ち悪さを伴っていたり、激痛だった場合はすぐさま病院で診てもらいましょう。
役に立ったなら嬉しいです。