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【社会】

原発避難いじめ 横浜の生徒市教委に手紙 「先生あやまってくれない」

生徒が横浜市教委に出した手紙の封筒と、手紙の内容を弁護士が打ち直した文書=横浜市で

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 東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学一年男子生徒(13)がいじめを受けた問題で、生徒側の弁護士は九日、市教育委員会に対し、学校や市教委の謝罪などを求める生徒の手紙を提出した。

 手紙は、原発事故で自主避難した新潟市の児童が、担任から名前に「菌」を付けて呼ばれていた問題に触れながら、生徒に直接謝罪していない学校などの対応を批判。「新がたのいじめをテレビで見たけど、あっちは学校の先生があやまっているけど、どうしてこっちはあやまってくれない(のか)」とつづっている。

 いじめを認定した第三者委員会の報告書が十一月上旬に出てから、市教委は対応の問題点を内部で検証する予定だが、まだ始まっていない。

 手紙は「お父さんとお母さんから、どうしてこうなったか教育委員会が調べてくれるって聞いたけど、あれからものすごく時間がかかっているし、僕はこれからどうすればいいのか」と、早急に検証を進めるよう求めた。

 弁護士はこの日、学校がずさんな調査でいじめを見過ごし、第三者委員会の調査開始も遅れた理由などについて、内部検証で徹底調査するよう求める要望書も提出。市教委は、文部科学省の職員や学識者も加え、年内にも内部検証を開始するという。

 市教委の伊東裕子担当部長は「手紙の意見を受けて、内部検証はできるだけ早く着手したいと考えている。申し訳ないという気持ちは持っており、どのように伝えたらいいか検討している」と話した。

 

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