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【国際】

「絶望の内戦、ついに終わった」 コロンビア大統領に平和賞

 【オスロ=共同】コロンビアで半世紀余り続いた政府軍と左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)などとの内戦の和平合意に尽力した同国のサントス大統領は十日、ノルウェーの首都オスロの市庁舎でノーベル平和賞を受賞した。受賞演説で「私たちの美しい大地に多くの苦しみと絶望をもたらした戦争はついに終わった」と宣言した。

 サントス氏には記念メダルと賞状が授与された。

 サントス氏は、世界各地で続く紛争で死者が増え続けていることを嘆き「どのくらいの人が死んだら、多くの人が死んだと気付くのだろうか。友よ、答えは風に吹かれている」と、今年の文学賞のボブ・ディラン氏の代表曲「風に吹かれて」の歌詞を引用した。

 授賞式にはサントス氏の家族や政府側の和平交渉担当者、内戦の被害者らが出席。一方で出席が期待されていたFARCのロンドニョ最高司令官は招待されなかった。

 平和賞の選考主体、ノーベル賞委員会は授賞式の声明で「賞はFARCのメンバーを含めた国民への贈り物」とし「ロンドニョ氏も称賛したい。倣うべき例となる」と貢献をたたえた。

 サントス氏は平和賞の賞金八百万スウェーデンクローナ(約一億円)の全額を、内戦の犠牲者の補償に充てるため寄付する意向を示している。

 現職国家元首への平和賞授与は十五人目で、コロンビア人へのノーベル賞授賞は文学賞の故ガルシア・マルケス氏に次いで二人目。

 <フアン・マヌエル・サントス氏> 51年8月10日、コロンビアの首都ボゴタ生まれ。北部カルタヘナの海軍士官学校を経て米ハーバード大大学院修了(行政学)。91〜93年貿易相、00〜02年財務相。06〜09年の国防相時代にコロンビア革命軍(FARC)掃討作戦を指揮した。10年に大統領就任後、FARCとの和平模索に転じ、12年10月、和平交渉入り。14年8月から2期目。 (共同)

 

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