乳歯保存ネットワークより、全国で呼びかけのお願いです。(英語版作成中)
抜けた乳歯を捨てないで、記録カードと一緒に保存しておきましょう
記録カードの印刷はこちら
何のために保存するのですか?
(1)東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故によって、人工の放射性物質・ストロンチウム90(Sr-90)も大気中に飛散しました。体内に取り込まれたSr-90は、調べられていません。それを乳歯を使って測定するのです。
(2) 測定の結果は、子どものいのちと健康を守るために使います。被ばく事実の確認、被ばくと健康への影響の分析、一般市民や国・自治体に対する提言の基礎資料とします。
(3) 子どもたちの健康影響を調べるためには、一地域だけでなく全国のデータが必要です。
お子さんの抜けた乳歯を捨てないで、記録カードと一緒に保存しておきましょう。
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2011 年 3 月 11 日の東京電力福島第一原子力発電所事故は、 大量の人工放射性物質を放出し、 大気・土・地下水 ・ 海など、 地球規模で自然環境を汚染しました。
破損し穴とひびの入った格納容器に流れ込む大量の地下水は、 溶け落ちてたまっている核燃料と接触して高濃度に汚 染され、 今なお海に流出し続けています。
原発事故によって放出された人工放射性物質のひとつにストロンチウム 90 があります。
ストロンチウム 90 は骨に蓄積され、 何十年もの長い間、 身体から出ていきません。 白血病や免疫不全がん以外の病 気の原因ともなります。 アメリカの研究者たちは、 乳歯の中のストロンチウム 90 の増加につれて、 子どものがんや白血 病が増えていることを明らかにしてきました。
ストロンチウム 90 は、 大気圏内核実験が盛んに行われるようになった 1950 年代から、 日本各地でどれだけ降り注い だか測定されました。 同時に乳歯中のストロンチウム 90 も調べられ、 乳児の栄養の違い [母乳、 人工、 混合 (母乳と人工)〕 によって、 乳歯のストロンチウム 90 の 蓄積量に差があることも明らかにされました。 欧米諸国でも、 同様の研究結果が得られました。
受精卵からわずか十ヶ月足らずで人となる胎児や乳幼児の成長は大変早く、 その分、 子どもに対する人工放射性物質の影響は、 おとなよりはるかに大きくなります。
事故後研究者は、 動物の乳歯や骨などに蓄積する人工放射性物質について調べました。 今までに行われたウシ、 ブ タ、 野生ネズミ、 サルの研究から、 とくに若い動物の歯にストロンチウム 90 が顕著に蓄積していることが明らかにされて います。 その値は高濃度汚染地ほど高くなっています。 同じようなことがヒトにも起こっている可能性があり、 そのことを 私たちはたいへん心配しています。 そのストロンチウム 90 の測定を、 日本政府も福島県 「県民健康調査」 検討委員会も行っていません。 測定をするよう 提案や要望がありましたが、 まだ実現していません。 かつてない子どもの甲状腺がん多発に対しても、 「放射線の影響と は考えられない」としています。
原発事故が自然生活環境にまき散らした人工放射性物質を丁寧に調べ、 放射線の影響 がわかるようにすべきです。
じつは体内に取り込まれたストロンチウム 90 の測定は、 抜けた乳歯でできます。
抜けた乳歯に取り込まれたストロンチウム 90 の物理学的半減期は約 29 年ですので、 抜けた歯を長時間保存しておい ても、 ストロンチウム 90 は残っています。 乳歯は内部被曝の貴重な証拠試料です。 乳歯の測定によって、 ストロンチウ ム 90 がどのくらい体内に取り込まれているかがわかります。 私たち自身の測定データをもとに話し合い、 子どもたちのい のちと健康を守り、 病気の予防に役立てるのです。
大切なのは、 予防原則です。
子どもたちをこれ以上被ばくさせないこと、 環境や食生活への配慮 ・ 改善で今以上の蓄積を防ぐこと、 これが一次予 防です。 流通する食品のストロンチウム 90 濃度を調べ、 汚染の少ない食品を摂るよう心がけることが大切です。 二次予 防は、 精度の高い健診システムで、 病気を早く見つけ、 適切な治療によって子どもたちのいのちを守ることです。 私たちは2年後をメドに日本国内で一本一本の乳歯中のストロンチウム 90 が測定できるよう準備中です。 乳歯をぜひ 保存しておいてください。 抜けた乳歯を 「記録カード」 と一緒に、 袋やケースに入れて保存しましょう。 次の、そしてまた次の世代に役立つこの取り組みを、ぜひまわりの方たちに呼びかけてくださいますよう、お願いします。
2015 年 10 月 「乳歯保存ネットワーク」呼びかけ人一同
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いちばんなおざりにされている子どもたちの被ばく状況の把握と対策を
何よりも急がねばなりません。
染色体検査でも被ばく量を調べることは可能ですが、
解析できる人材が足りず、結果がでるまでに相当な時間と労力が必要なので、
国が率先して導入しない限りは困難な状況です。
本来ならば、無駄な除染に浪費されている膨大な額の税金は、
避難や保養、そして染色体検査やこの乳歯保存の取り組みのような被ばく線量や健康調査に使うべきなのです。
一日も早く乳歯の検査体制が確立し、一人でも多くの子どもの調査を急ぐことができるように、
多くの方への呼びかけとご支援をお願いいたします。
外国からも呼びかけ人が集まっています。
以下は、関連情報です。
◆ RPHP: Radiation and Public Health Project
アメリカで1988年に設立。1995年に非営利団体に認可。
放射能(核実験、原発、低線量)と公共衛生について
研究、教育、公的な認知を広めることを目的とし多岐にわたる活動をする。
The Tooth Fairy Project と題したプロジェクトでは4780人の子どもの歯を調べ、
歯や骨にたまるストロンチウム90が、原発付近に住む子どもが最も高く、小児がんとの関連も指摘。
◎福島県民健康管理調査検討委員会 ストロンチウム90の内部被ばくを隠ぺい工作か?
という毎日新聞記事(2012年12月19日 朝刊)を紹介したブログ「内部被ばくを考える市民研究会」 がありました。(PDFで読めます)
2011年9月の時点ですでに、福島県会議員の柳沼純子議員(自由民主党)が福島県の子どもたちの乳歯からストロンチウム90の蓄積量を調べることを提案していたにも関わらず、福島県民健康管理調査検討委員会の福島県保健福祉部担当者が「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか」「質問議員(がそう)ではないのですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です」と検討委員にメールを一斉送信していたと。
ちなみに、当時の福島県知事や県職員には、東電の原発事故後、甲状腺がんを防ぐための安定ヨウ素剤の配布や服用を妨害した前科もあります。(その経緯は朝日新聞のWEBRONZA原発事故を想定した安定ヨウ素剤の備えを問う を参照)。
抜けた乳歯を捨てないで、記録カードと一緒に保存しておきましょう
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何のために保存するのですか?
(1)東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故によって、人工の放射性物質・ストロンチウム90(Sr-90)も大気中に飛散しました。体内に取り込まれたSr-90は、調べられていません。それを乳歯を使って測定するのです。
(2) 測定の結果は、子どものいのちと健康を守るために使います。被ばく事実の確認、被ばくと健康への影響の分析、一般市民や国・自治体に対する提言の基礎資料とします。
(3) 子どもたちの健康影響を調べるためには、一地域だけでなく全国のデータが必要です。
お子さんの抜けた乳歯を捨てないで、記録カードと一緒に保存しておきましょう。
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2011 年 3 月 11 日の東京電力福島第一原子力発電所事故は、 大量の人工放射性物質を放出し、 大気・土・地下水 ・ 海など、 地球規模で自然環境を汚染しました。
破損し穴とひびの入った格納容器に流れ込む大量の地下水は、 溶け落ちてたまっている核燃料と接触して高濃度に汚 染され、 今なお海に流出し続けています。
原発事故によって放出された人工放射性物質のひとつにストロンチウム 90 があります。
ストロンチウム 90 は骨に蓄積され、 何十年もの長い間、 身体から出ていきません。 白血病や免疫不全がん以外の病 気の原因ともなります。 アメリカの研究者たちは、 乳歯の中のストロンチウム 90 の増加につれて、 子どものがんや白血 病が増えていることを明らかにしてきました。
ストロンチウム 90 は、 大気圏内核実験が盛んに行われるようになった 1950 年代から、 日本各地でどれだけ降り注い だか測定されました。 同時に乳歯中のストロンチウム 90 も調べられ、 乳児の栄養の違い [母乳、 人工、 混合 (母乳と人工)〕 によって、 乳歯のストロンチウム 90 の 蓄積量に差があることも明らかにされました。 欧米諸国でも、 同様の研究結果が得られました。
受精卵からわずか十ヶ月足らずで人となる胎児や乳幼児の成長は大変早く、 その分、 子どもに対する人工放射性物質の影響は、 おとなよりはるかに大きくなります。
事故後研究者は、 動物の乳歯や骨などに蓄積する人工放射性物質について調べました。 今までに行われたウシ、 ブ タ、 野生ネズミ、 サルの研究から、 とくに若い動物の歯にストロンチウム 90 が顕著に蓄積していることが明らかにされて います。 その値は高濃度汚染地ほど高くなっています。 同じようなことがヒトにも起こっている可能性があり、 そのことを 私たちはたいへん心配しています。 そのストロンチウム 90 の測定を、 日本政府も福島県 「県民健康調査」 検討委員会も行っていません。 測定をするよう 提案や要望がありましたが、 まだ実現していません。 かつてない子どもの甲状腺がん多発に対しても、 「放射線の影響と は考えられない」としています。
原発事故が自然生活環境にまき散らした人工放射性物質を丁寧に調べ、 放射線の影響 がわかるようにすべきです。
じつは体内に取り込まれたストロンチウム 90 の測定は、 抜けた乳歯でできます。
抜けた乳歯に取り込まれたストロンチウム 90 の物理学的半減期は約 29 年ですので、 抜けた歯を長時間保存しておい ても、 ストロンチウム 90 は残っています。 乳歯は内部被曝の貴重な証拠試料です。 乳歯の測定によって、 ストロンチウ ム 90 がどのくらい体内に取り込まれているかがわかります。 私たち自身の測定データをもとに話し合い、 子どもたちのい のちと健康を守り、 病気の予防に役立てるのです。
大切なのは、 予防原則です。
子どもたちをこれ以上被ばくさせないこと、 環境や食生活への配慮 ・ 改善で今以上の蓄積を防ぐこと、 これが一次予 防です。 流通する食品のストロンチウム 90 濃度を調べ、 汚染の少ない食品を摂るよう心がけることが大切です。 二次予 防は、 精度の高い健診システムで、 病気を早く見つけ、 適切な治療によって子どもたちのいのちを守ることです。 私たちは2年後をメドに日本国内で一本一本の乳歯中のストロンチウム 90 が測定できるよう準備中です。 乳歯をぜひ 保存しておいてください。 抜けた乳歯を 「記録カード」 と一緒に、 袋やケースに入れて保存しましょう。 次の、そしてまた次の世代に役立つこの取り組みを、ぜひまわりの方たちに呼びかけてくださいますよう、お願いします。
2015 年 10 月 「乳歯保存ネットワーク」呼びかけ人一同
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いちばんなおざりにされている子どもたちの被ばく状況の把握と対策を
何よりも急がねばなりません。
染色体検査でも被ばく量を調べることは可能ですが、
解析できる人材が足りず、結果がでるまでに相当な時間と労力が必要なので、
国が率先して導入しない限りは困難な状況です。
本来ならば、無駄な除染に浪費されている膨大な額の税金は、
避難や保養、そして染色体検査やこの乳歯保存の取り組みのような被ばく線量や健康調査に使うべきなのです。
一日も早く乳歯の検査体制が確立し、一人でも多くの子どもの調査を急ぐことができるように、
多くの方への呼びかけとご支援をお願いいたします。
外国からも呼びかけ人が集まっています。
以下は、関連情報です。
◆ RPHP: Radiation and Public Health Project
アメリカで1988年に設立。1995年に非営利団体に認可。
放射能(核実験、原発、低線量)と公共衛生について
研究、教育、公的な認知を広めることを目的とし多岐にわたる活動をする。
The Tooth Fairy Project と題したプロジェクトでは4780人の子どもの歯を調べ、
歯や骨にたまるストロンチウム90が、原発付近に住む子どもが最も高く、小児がんとの関連も指摘。
◎福島県民健康管理調査検討委員会 ストロンチウム90の内部被ばくを隠ぺい工作か?
という毎日新聞記事(2012年12月19日 朝刊)を紹介したブログ「内部被ばくを考える市民研究会」 がありました。(PDFで読めます)
2011年9月の時点ですでに、福島県会議員の柳沼純子議員(自由民主党)が福島県の子どもたちの乳歯からストロンチウム90の蓄積量を調べることを提案していたにも関わらず、福島県民健康管理調査検討委員会の福島県保健福祉部担当者が「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか」「質問議員(がそう)ではないのですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です」と検討委員にメールを一斉送信していたと。
ちなみに、当時の福島県知事や県職員には、東電の原発事故後、甲状腺がんを防ぐための安定ヨウ素剤の配布や服用を妨害した前科もあります。(その経緯は朝日新聞のWEBRONZA原発事故を想定した安定ヨウ素剤の備えを問う を参照)。