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仮面ライダーと呼ばれた少女たち 作者:黒田さん信者
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 私たちは泣き言を言いながら、ポケットからバックルを取り出し、各々の腰の位置まで持ってきた。すると、私のバックルからはカードがシャラララと快音を立ててベルトを形作っていく。砂雪のバックルは、ベルトのシルエットが浮かび上がり、徐々にベルトの形が形成されていく。
「変身!」
 私はチェンジビートルのカードを取り出し、ベルトにセット! そして、ベルトの横のレバーを引いた。
「ターンアップ」
 ベルトがしゃべり、バックルが裏返る。裏返った先には、スペードのマークが刻印されている。そして、目の前に光の壁が生成された。私はその壁をくぐり抜けた。すると、私は銀色の装甲を纏ったライダーとなる。
「私はブレイド! 仮面ライダーブレイド!」
 胸にはスペードが刻印された装甲、頭には、カブトムシをモチーフにした角のような装甲が装備されている。ベルトの横には醒剣ブレイラウザーが装着されている。
 砂雪はポケットからロックシードを取り出し、ロックを解除した。すると、「ロックオン!」と音が聞こえ、砂雪の頭上の空にファスナーが現れ、ジィィと音を立て開いた。そこからオレンジの形をした装甲が降りてくる。
「変身!」
 ロックシードをベルトに装着し、ベルトの刀でロックシードを切った。「ソイヤ!」と音がすると、頭上のオレンジが降ってきて、砂雪の頭にすっぽりはまった。すると、砂雪の体には薄い装甲が纏われた。
「オレンジアームズ、花道オンステージ!」
 ベルトが喋るのと同時に、すっぽりと被ったオレンジが、鎧の形に変形していく。
「私は鎧武、仮面ライダー鎧武!」
 砂雪の頭には、武将を彷彿とさせるような三日月の形をした飾り、オレンジ色の、鎧のような装甲、そして、両手には刀。左手には、無双セイバー、右手には大橙丸を持っている。
「華……じゃない、ブレイド、コイツ、オルフェノクタイプよ」
「やっかいね。私達のシリーズじゃない。けど、倒さないと」
「わかった」
 私たちは一斉に走りだした。
「はあっ!」
 ジャキーン! ブレイラウザーをオルフェノクに押し当て、力任せに引いた。鉄をも絶ち斬るこの醒剣は、オルフェノクにも有効だ。
「えいっ!」
 鎧武は二本の刀を振るい、オルフェノクに確実にダメージを与え続けている。
「……グ……アァァァ!」
 オルフェノクが苦悶の声を上げる。
「トドメお願い鎧武!」
 私は一歩下がって、鎧武にお願いした。
「わかった!」
 鎧武は、ベルトの刀を二回切った。
「オレンジスパーキング!」
 ベルトがしゃべり、刀に光が集まっていく。
「とりゃー!」
 オレンジの軌跡を描いて、オルフェノクを切った。
「ア……ガ……」
 青い炎が上がり、オルフェノクが灰になった。
「いえーい!」
 二人でハイタッチ!
「そういえば、いつもブレイドはトドメ刺さないよね? 何でなのー?」
「あーそれはね」
 ジャッとブレイラウザーの後ろのカードを収納する場所を開いた。
「……何にも入ってないねー」
「うん……」
 私のモチーフライダーであるブレイドは、カードが無くては戦えない。必殺技も、ライダーキックも放つことができないのだ。
「あーあ、せめてアンデットタイプが出てくれればなぁ」
「うーん、でも、やっぱり何も起きないのが一番じゃなーい?」
 そう言って、スマホの時計を見せてきた。
「大遅刻だわ……」
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