病院に突っ込んだタクシー 標識も倒す かなりの速度か

病院に突っ込んだタクシー 標識も倒す かなりの速度か
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3日に福岡市の総合病院にタクシーが突っ込んで、10人が巻き込まれ3人が死亡、1人が重体となっている事故で、タクシーは現場のすぐ手前にあった交通標識の支柱を倒して、建物に突っ込んでいたことがわかり、警察は、かなりの速度が出ていたと見て、衝突直前の状況を調べています。
3日夕方、福岡市博多区にある原三信病院の東館1階にあるラウンジにタクシーが突っ込み、入院患者の遠藤一行さん(53)と、見舞いに来ていた花田盛幸さん(44)、妻の美佐代さん(44)の3人が死亡し、20代の女性1人が意識不明の重体となっています。
このほか6人がけがをしていて、警察は、個人タクシーの運転手、松岡龍生容疑者(64)を逮捕し、過失運転致死傷の疑いで調べています。

警察によりますと、松岡容疑者は「ブレーキを踏んだが止まらず、エンジンブレーキをかけようとしたが減速しなかった」と供述し、道路にもブレーキの痕は残っていなかったということです。

さらにタクシーは、現場のすぐ手前にあった交通標識の金属製の支柱を根元から倒して進み、病院の縁石や植え込みを乗り越えて建物に突っ込んでいたことが警察の調べでわかりました。
警察は、かなりの速度が出ていたと見て、衝突直前の状況を調べています。

「なぜこんなことが」現場にいた男性

当時、現場のラウンジでコーヒーを飲んでいた入院患者の57歳の男性によりますと、タクシーは突然、男性から数メートル離れたところに突っ込んできたということです。
取材に対し、男性は「『どん』と大きな音がして、気づいたら私も倒れていて、起き上がろうとしたら車が壁に突き刺さったような状態になっていた。病院の中にも外にも人が倒れ、泣き叫ぶ声が聞こえた。なぜこんなことが起きたのか、事故の原因を究明して欲しい」と話していました。

「どうしてあの人が」タクシー組合理事長

松岡容疑者が所属していた博多個人タクシー協同組合によりますと、松岡容疑者は福岡市内のタクシー会社で勤務したあと、平成6年から個人タクシーを始め、運転手としてはベテランだったということです。
組合の理事長は「激しい運転はせず、慎重に運転するという印象を持っている。ベテランで経験も豊富だったので『どうしてあの人が』という思いです」と話していました。